お客様からのリクエストでアイヌの柄を調べたら素敵だったのでデーター作ってみましたが「先住民の文化財産と民族の尊厳に関わる」ご指摘を受け、そのことを真摯に受けとめ製作を中止させて頂きました。ご予約頂いたお客様、大変申し訳ございません。個別でメールをお送りさせて頂きます。 https://t.co/wmiZ5wzsMK
— オリジナル浴衣ときもの ゴフクヤサン・ドットコム 居内商店 プリントはデジナ (@gofukuyasan) 2018年6月26日
だれか偉大な首長の死の記念のために作られた文様をトイレマットに仕立てたりするなら配慮に欠けるが、そーでもねーんじゃねーですかねー。
こういう筋違いのクレームは無視して良いのでは?このクレームの理屈だとアイヌの事はどこにも書けないし話せないし、まるでこの世にアイヌが存在しなかったかのごとく扱うしかなくなるでしょう? https://t.co/ly6wT1ExGc
— タクラミックス (@takuramix) 2018年6月27日
クレームは、いいかえれば「殺人者が被害者の財産を利用して儲けようというのは倫理的にどうか」というものであり、それはそれで正当な問題設定に思える。
だが、およそ世の中で流通するものはあらかた商品であったりするなか、こうしたクレームは「アイヌ以外がアイヌ模様を取り扱うな」ということになりかねず、してみるとアイヌの話は単に消えて行くしかなくなる運命に置かれかねない。
『ゴールデンカムイ』がアイヌに一定の敬意を抱きつつ商業的に大成功をおさめ、アイヌの存在への注意がたかまりつつあるなか、ポリコレ棒で他人をぶったたいてコスト安く快楽をえようというひとびとに配慮しすぎるのはなんかなーとおもう私である。
リスペクトの意味でもアイヌの文様を和服に使ってはいけないって、おかしいですね。我々大和民族は、琉球民族の芭蕉布を和服に仕立ててはいけないし、ミンサー織の和装小物も身につけてはいけないことになる。そのようなクレーマーに屈しては、今後、沖縄の産業を萎縮させることにもつながるのでは? https://t.co/wkd5TotlRT
— 森奈津子 (@MORI_Natsuko) 2018年6月27日
日本食警察が跋扈してもおもしろくねーなーと思う私である。
なんといおうか、こうして「「義憤は快楽」「公共性を擬装した加虐性」(2018-06-27)」なひとたちが跋扈するのは、カネをかけずに娯楽を得ようという欲望に基づくものと考えると、割とすっきりする点がないでもないな。
「動機「注目を浴びたくてやった」(2018-03-07)」の件も、ヒマはあるがカネがない者が質の高い快楽を得ようとおもえば、なるほど、愛国だの正義だのという概念でかるーくネットの無料サービスをつかって有名人に話しかければ―と言う構想にもとづくなあ、と考えれば、これでそれなりに理解できるし。
この「質の高い快楽」と思えそうなもの、正義や愛国に殉じる快楽というのはただ酒を呑むより高級にみえそうでもあるが、なるほど一定の社会的立場を持つ人たちもハマるらしく―「「若者の右傾化」はやや疑わしい?(2018-05-18)」など―
―あの種の人々の行動原理を統一的に解釈できる余地を提供するなあ、と思う今日この頃。
娯楽にはきちんとカネをだそうよ。
そうではなく、『このオレ様の人生の時間と言う貴重な資源を投入しているのだあああああ』とかなると、無駄に高い使命感と無分別なコスト回収志向とが相俟って合い混じって、他人にぜんぜんわけわかんなくなるよ。
驚き、時には恐怖し、時には憧れる。
学び、真似、なんだか妙なことをしてしまう。
滑稽なこと、首を傾げることが無数におこり、その中からまれに、互いが目を見張るなにかが生まれる。
他者と共存する意味がそこにある。