CNN U.S.: Afghan militants using white phosphorus updated 10:30 p.m. EDT, Tue May 19, 2009
そりゃあまあ,ふつう民間人地域用に設計される兵器ってなあ,ないわけで。
CNNジャパン アフガン武装勢力が白リン弾使用 国際部隊が指摘 2009.05.20 Web posted at: 15:14 JST Updated - CNN
いつのまにか国際法で禁止されてますよ。なんとも太平洋とは,さほどの差異を齎す大なるものなのだなと思わされる今朝のこと。
何が起こったかといいますと,
「好戦主義者ら(militants, 通例武装組織,民兵などと処理するであろうところ)は人々(people, 恐らく意味するところは民間人)に対する兵器として使用するようには設計されていない物質を国際連合軍を打撃するのに使い続けている,と火曜,米国-連合国が語った」(出来得る限りの直訳)な文章が
「北大西洋条約機構(NATO)が統括する米軍主導のアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)は19日、武装勢力が国際法で使用が制限されている白リン弾を引き続き使用していると述べた」と,
「国際法で使用が制限されている」なる語釈を軍人さんの発話内容と理解できるような格好で紛れ込ませているってぇわけで。まー日常毎日のやっつけ仕事ならてきとーに片付けちまうような,そんな処理の仕方ではあるなという話です。
CNN-Japanの翻訳スタッフがアレなのはいつぞやの件でとくと理解したので(「核誤搭載B-52の件で大佐3名中佐1名処罰」)どーでもいいんですが,日本語をまともに構成することもできんのかと今回改めて頭痛を感じた次第。間接話法の中に語注を紛れ込ませるのってどーよ。
だから私は外電記事とか見るとき,そもそも日本語版を読まないことが多々あるんだ。自分で訳したほうがまだましだから(まーフランス語とかロシア語だとかだと手の出しようがないので,翻訳に頼りますが)。
経由(あるいはCNN-Japanが記事を消した後の備え):navi-area26-10の国際ニュース斜め読み さん 「■[中東]アフガン武装勢力が白リン弾使用 国際部隊が指摘」
うーん,(国軍扱いされない)武装勢力の行動を規制する国際合意とかない気がしますが。
ともあれ,常識的に考えて,『(味方の)軍事行動を隠す』ために用いる煙幕がほいほい重傷を齎すようなものならそもそも使用に耐えません。
触れれば重い火傷を齎すような煙幕があるものなら,
攻める時に使用するものなら―味方は煙幕が晴れるまで突入できず,敵は『ああ,そこの煙幕が晴れたら敵さん突撃してくるわけだ。さあ歓迎委員会の用意だ』なわけで。
守る時に使うものなら―現場のちょっとした気流の違いで『ぐぎゃあ,バカたれ風向き見て使いやがれ砲兵ー!』『局地的乱流まで計算できるかアホー!』『塹壕線ってな入り組む物だって知ってて言ってるか種馬後備部隊野郎ー!』になるわけだし。
撤退する味方を援護するために味方頭上に…叩き込むものだったりもするんですが,白燐煙幕弾。少なくとも,戦記もの見る限り。
「わたしのたこつぼ壕の前,十五フィートほどに白燐弾が落ち,通信機のほとんどとシャツを失いました。片腕に八ヶ所やけどを負っていました」。ジョン・セテリンは照明弾が落ちるなか,座ってまだ焼けている白燐弾の破片を銃剣で腕からえぐりだした(p.316)。…セテリン軍曹は白燐弾でやけどを負った腕が痛みはじめていた。「…わたしは腕を吊っている三角巾をはずして,[負傷兵として搬出される者の]列から抜けました。『どこへ行くんだ?』『おれのたこつぼ壕へ戻るんだ』と私は答えました。だれもそれ以上言いませんでした」(p.319)(ムーア/ギャロウェイ,角川文庫版『ワンス&フォーエバー』)
条件があえば,そりゃまあ燃えてるものだから火傷は起こすだろう。
そーじゃなく,「国際法で禁止されている」のは寧ろ「民間人地域での使用」のほうじゃないのか。それは白燐弾がどーこーいう以前の問題じゃないのか。つか白燐煙幕弾ってものっそ昔から普通の装備と違うのか。なんでいまさら問題なのか。こないだタミルネットがタミルタイガース殲滅直前に『スリランカ軍は白燐弾をー!』って唸ってたけどそんなもん使うほどタイガース側に軍事的余力が残されていたかとか,ってか(運動エネルギーも多少の燃焼のエネルギーも持った)兵器ではあるんだから直撃なり至近弾なりならそりゃ負傷もするだろうよ。
CNN-Japanの記事のまとめ方は,どーも何かしら混乱している気がー。
そりゃあまあ,ふつう民間人地域用に設計される兵器ってなあ,ないわけで。
CNNジャパン アフガン武装勢力が白リン弾使用 国際部隊が指摘 2009.05.20 Web posted at: 15:14 JST Updated - CNN
いつのまにか国際法で禁止されてますよ。なんとも太平洋とは,さほどの差異を齎す大なるものなのだなと思わされる今朝のこと。
何が起こったかといいますと,
「好戦主義者ら(militants, 通例武装組織,民兵などと処理するであろうところ)は人々(people, 恐らく意味するところは民間人)に対する兵器として使用するようには設計されていない物質を国際連合軍を打撃するのに使い続けている,と火曜,米国-連合国が語った」(出来得る限りの直訳)な文章が
「北大西洋条約機構(NATO)が統括する米軍主導のアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)は19日、武装勢力が国際法で使用が制限されている白リン弾を引き続き使用していると述べた」と,
「国際法で使用が制限されている」なる語釈を軍人さんの発話内容と理解できるような格好で紛れ込ませているってぇわけで。まー日常毎日のやっつけ仕事ならてきとーに片付けちまうような,そんな処理の仕方ではあるなという話です。
CNN-Japanの翻訳スタッフがアレなのはいつぞやの件でとくと理解したので(「核誤搭載B-52の件で大佐3名中佐1名処罰」)どーでもいいんですが,日本語をまともに構成することもできんのかと今回改めて頭痛を感じた次第。間接話法の中に語注を紛れ込ませるのってどーよ。
だから私は外電記事とか見るとき,そもそも日本語版を読まないことが多々あるんだ。自分で訳したほうがまだましだから(まーフランス語とかロシア語だとかだと手の出しようがないので,翻訳に頼りますが)。
経由(あるいはCNN-Japanが記事を消した後の備え):navi-area26-10の国際ニュース斜め読み さん 「■[中東]アフガン武装勢力が白リン弾使用 国際部隊が指摘」
うーん,(国軍扱いされない)武装勢力の行動を規制する国際合意とかない気がしますが。
ともあれ,常識的に考えて,『(味方の)軍事行動を隠す』ために用いる煙幕がほいほい重傷を齎すようなものならそもそも使用に耐えません。
触れれば重い火傷を齎すような煙幕があるものなら,
攻める時に使用するものなら―味方は煙幕が晴れるまで突入できず,敵は『ああ,そこの煙幕が晴れたら敵さん突撃してくるわけだ。さあ歓迎委員会の用意だ』なわけで。
守る時に使うものなら―現場のちょっとした気流の違いで『ぐぎゃあ,バカたれ風向き見て使いやがれ砲兵ー!』『局地的乱流まで計算できるかアホー!』『塹壕線ってな入り組む物だって知ってて言ってるか種馬後備部隊野郎ー!』になるわけだし。
撤退する味方を援護するために味方頭上に…叩き込むものだったりもするんですが,白燐煙幕弾。少なくとも,戦記もの見る限り。
「わたしのたこつぼ壕の前,十五フィートほどに白燐弾が落ち,通信機のほとんどとシャツを失いました。片腕に八ヶ所やけどを負っていました」。ジョン・セテリンは照明弾が落ちるなか,座ってまだ焼けている白燐弾の破片を銃剣で腕からえぐりだした(p.316)。…セテリン軍曹は白燐弾でやけどを負った腕が痛みはじめていた。「…わたしは腕を吊っている三角巾をはずして,[負傷兵として搬出される者の]列から抜けました。『どこへ行くんだ?』『おれのたこつぼ壕へ戻るんだ』と私は答えました。だれもそれ以上言いませんでした」(p.319)(ムーア/ギャロウェイ,角川文庫版『ワンス&フォーエバー』)
条件があえば,そりゃまあ燃えてるものだから火傷は起こすだろう。
そーじゃなく,「国際法で禁止されている」のは寧ろ「民間人地域での使用」のほうじゃないのか。それは白燐弾がどーこーいう以前の問題じゃないのか。つか白燐煙幕弾ってものっそ昔から普通の装備と違うのか。なんでいまさら問題なのか。こないだタミルネットがタミルタイガース殲滅直前に『スリランカ軍は白燐弾をー!』って唸ってたけどそんなもん使うほどタイガース側に軍事的余力が残されていたかとか,ってか(運動エネルギーも多少の燃焼のエネルギーも持った)兵器ではあるんだから直撃なり至近弾なりならそりゃ負傷もするだろうよ。
CNN-Japanの記事のまとめ方は,どーも何かしら混乱している気がー。
その理解でいいのか,それとも『国際法とは諸国のうち相当多数のものたちによって合意妥協されたものである』みたいな意地悪な見方の方がより実情に沿うのかはしらん。