空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

レグルスと活字の魔力

2007-02-16 17:12:05 | 
 すこし気楽に,某所に書いたことのあるネタを再録です♪

 獅子座α星レグルスRegulusは,「小王」ほどの意味で,これはもう心の底からどうしようもなく疑いもなく,誰はばかることなくラテン語です。語根は由緒正しく印欧祖語まで遡ります。

 の。です。が。
 とある文庫の巻末,発刊の辞にはレグルスは『アラビア名で小さな王さまを意味する』云々とあったりするのです。困った事に。

 この事を巡って困った思い出がありまして…ある時サークルの後輩相手に『英和辞典にもちゃんとラテン語だって書いてあるのに,間違えるのは恥ずかしいね』と話を振ったところ,『いや,アラビア名と書いてあるからにはその可能性は排除できない』云々と強硬に反論されてしまったことがあるのです。

 ちょっと待て,この語は○○語の××と対応して,従って由緒正しい印欧語だ,君はどうやってこの語がアラビア語だと言うのだ第一アラビア語の王という単語は云々…と言うと。彼は自分には判らない,しかしそう(本に)書いてあるからには…と言い張る。


 活字になっているってことは,それだけで人を信じさせる力があるんだなと心から実感したことでした。ていうかそこまで目の前の先輩の学識を疑うというのもすごいと言うかどれほど私に人望がないのかというか。まあ普通はその手の発刊の辞ってば,気合を入れて書くものですからね。

 ちなみにその某文庫。2004年印刷の本でもまだ『…アラビア名…』のくだりはそのまんまだったり。…直さなくていいのかなぁ。


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