黄砂の後の銀の月

　教授が『今日は月が明るい！』と喜色満面。言われてブラインドを上げて見れば，またなんと明るい事か。月明りで勉強できそうなほどだ。

今日の月　Jaxa月探査情報ステーション

The Monn Age Calender

Luna City - Phase of the Moon

　現在，満月を僅かに過ぎたところらしい。ほぼ円形で，近眼の私の眼鏡越しにも月面の陰影が美しい。世界中で色々な模様を認めるということだけれど，今日の私の目には，ウサギが『ご飯まだ？　ご飯ちょうだい？』と飼い主を見上げておねだりしているように見える。

　星が見えない。昨日までの黄砂は－車を迷彩仕様にしてくれた－，雨ですっかり洗い流されたものかと思われる。それなのに，月が明るすぎて星が見えない。曇っているわけではない，ウサギはだんだん仰け反っていっている。

　銀の月とはよく言ったもので，円く，今日の月は保存良好の，上等な古銀貨のよう。なんでこんな夜に私は勉強などしているんだろうと思う。酒を飲みつつ野尻抱影を流し読みするのが，人間としてより正しい。