空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

エチオピア軍はソマリアにおける軍配置を替える

2008-01-01 01:52:27 | ソマリア関連
 新年一個目の記事にはなにか目出度いものをと思っても,めでたそうなものは昨日やってしまいまして(「ソマリランド大統領はアメリカ合衆国を訪問する予定にある」),そこでネタを拾いにBBCを見に行ったらtop記事がScores dead in Kenya poll clashes なのだったりする。

 なにか。
 私に新年を寿ぐ記事を書かせないつもりか。
 寿ぐ暇があるのかと天の声が聞こえそうだが,まぁせめて多少の祝い酒くらいはですね…。

 そんなこんなで標記の件です。BBC Ethiopia leaves key Somali town 28 December 2007によれば,エチオピア軍はソマリア中部の要衝たる町Gurielを離れたという。BBCが伝えるには,イスラミスト反乱勢力はいまや当該の町を支配していると主張する。そこにはエチオピア軍の軍事基地があり―そこは両国の交通の経路に当たる。

 BBC通信員は何故エチオピア軍が戦闘なしに町を離れたかは不明と言う。GurielはUICの拠点であった由。

 エチオピア軍が去って町の人は大喜び! というのも,彼らは病院を占拠したり,民間人の家を縮写に使ったりしたから,らしい。

 というのは,ちょっと補遺をいれつつのBBC報道の紹介。これに対するGarowe Onlineの報道は:Somalia: Fresh Ethiopian troops deployed in Hiran region Dec 30, 2007 - 1:38:17 PM
 に当たる,ですかね。

 ソマリア中部の要衝,ベレトウェイン,12月30日発。エチオピア軍の増援が国境越えでHiran県に配備される。これはGalgadudからの撤退の後のお話。

 エチオピア兵はJawil地区に現れた―これはエチオピア―ソマリア国境地帯の由。正確なその兵力は不明ながら―地域住民の報告ですので―,彼らはエチオピア側から,国境越えでやってきた由。

 国境地帯からやってきたトラックドライバーMohamed AhmedがGarowe Onlineに言うには,エチオピア兵は当該地域で捜索活動を行っている由。

 Hiran県政務官Yusuf Dabogedは,当局はエチオピアの新規部隊到着を関知しており,彼らはソマリア政府を援助するものとつけくわえる。

 Hiran県主都Beletwein郊外には1,000名ほどのエチオピア兵が駐留。

 なお6ヶ月に亙るエチオピア兵駐留からGalgadudは解放された―わけですが,地域住民,Guri El在住者によればエチオピア兵は無理に個人の家や病院やに住み着いたのだという。
 また,BBCの報道に反しますが,Galgadud副政務官Osman Isse Nurは,UICの民兵がGuri Elの支配権を握ったという報道を却下する。Guri El郊外にある武装勢力は,イスラム法廷の一部ではなく,regional troopsであるという。


 詳しい報道は,これ以上はなかなか望めないと思います。
 まあなんです,エチオピア兵/暫定政府軍でない=UIC側!ということはできないんであって,地元民の自警団という可能性もあるわけで。彼らは,暫定政府に無条件の忠誠を誓ってはいないでしょうけど,でもそれは無条件に敵対するって意味じゃありませんわね。

 単に彼らは,日常が帰ってくればまず万々歳なはず,です。
 まず平和に生活できる事。それがまず初めに求められることでしょう。彼らは彼ら自身の生活を護るため,必要な自衛行動を取っているだけだと,そう思っておいていいとおもいます。

 …そういう実例としては,キスマユ港地域を挙げることができますかね:
キスマユは政府のコントロール下にない:ソマリア
キスマユ港は妨害を排除し活動する:ソマリア
 彼らには,中央政府の統制は必ずしも及んでいない。でもだからといって,積極的に反抗しようとは思わない。UICなんか叩きだす。だって役にたたないもん。
 ともかく,納得できる程度の規制を課せられつつも,平和に日常生活が送れること。それが一般市民に,まず第一に必要なことなんだと思うのですよ。

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