空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

韓国:合計特殊出生率が壊滅的下落;本邦の事例を参照しつつ

2019-11-29 10:50:14 | ノート
 たしかに都市部、首都圏のお話に限ってこの数字であることは、一応注意に値する。首都圏への人口集中がわりと著しい国だったはずだよね、という大問題もあるが。

朝鮮日報 ソウルの合計特殊出生率0.69「絶滅への道に入った水準」 2019/11/28 11:00

ソウルの合計特殊出生率が今年7-9月期に0.7を初めて切り、0.69を記録した

 近隣諸国でも滅多に見ないエライ数字である。北京や上海並みといえばすごさもわかろう。問題は、中国はそれでもよその地域で補いをつけることが出来ないでもないが、韓国はそれ、非常に困難ですよね、というあたりか。

全国的に見ても、7-9月期の新生児数と合計特殊出生率は1981年に関連統計の集計を開始して以来、最も低かった

統計庁は27日に発表した「9月人口動向」で、「今年7-9月期の全国の出生児数は7万3793人で、前年同期よりも6687人(-8.3%)減少した。7-9月期の全国合計特殊出生率も0.88で過去最低を記録した」と明らかにした

 全国的にも0.9を切っている。1.00を切って大慌てしたのは2018年統計の話であって、この1年の話なのだ。とりあえず:


空野雑報 特殊出生率1.0を切る 2019-02-28

 朝鮮日報の引用を続けるが

一方、9月の1カ月間に生まれた子どもは2万4123人で、1年前より1943人(-7.5%)減少した。月別出生児数は2015年12月から今年9月まで46カ月連続で、前年同月比で減少という記録を更新している

こうした傾向が続けば、今年は年間出生児数30万人維持も危うい状況だ。9月までの出生児数は23万2317人だ

昨年の年間死亡者数(29万8820人)を考えると、出生児数30万人は人口減少の影響を防ぐためのマジノ線(最終防衛ライン)とされる

 そんなわけで、現在のところ、韓国の自然増・自然減については「ぎりぎりトントン」という見込みだろう。いや、今年はそれで乗り切れるのがほぼ確定的だが、このペースだと来年度は確実に、はっきりと、明確に、議論の余地なく自然減が上回るだろうけど。なにしろ2018年の出生数は32万6900ほどという。これが30万ぷらぷらが確定、つまり約3万は継続的にへるよね、と言う見込み。なお2017年度は35万7800だとか。毎年3万減がほぼ確定的。

 とはいえ、よそさんのことばかりでもないですが。

空野雑報 出生率危機:うちらの国はまだマシですね 2019-09-10

空野雑報 日本:出生数減少ペース速まる 2019-10-08

我々でいえば、「団塊ジュニア」世代が「失われた二十年」の影響で、自己の生存に力を使い果たしてしまった―その労働で生み出されたなけなしの富は、社会的により上位にあった人々の生活維持に消費された―ということになろう

 ロスジェネ対策に失敗したよねえ、と深く思ってみたり。

空野雑報 出生数減・結婚適齢後期~団塊ジュニア世代対策の失敗が顕在化した、と見えるわねえ 2019-10-09

―ところで「結婚した女性」というのは出産する存在なのですかね?という疑問もあろう。私のところに来た縁談は、「私と私のお母さんの老後の生活を保障して!」というものであって、子供を産む話はまったく出てきませんでしたが。そうではなく、年に一度は海外旅行を楽しめる生活を、というお話で。

 ということで、ここにも問題がでてくる―そうした結婚適齢後期・末期の女性たちが求める”まあ、並の生活”の水準があまりに高くなり、そこらの一般男性では実現不可能になってしまった、という点。

 生物的男性は、あきらかに子供を自ら産みはしない。それゆえ、金のない実家暮らしのおっさんこそが女性の結婚~出産を阻害する主要因なのである!と叫んでみるのはまあそれはそれで思想と表現の自由だろうが、そこは問題の一端にすぎない、ということはたまに考えてみるといいと思うなあ


 追加メモ:



 …露悪的とか言われようが、まあ、その…現実の一局面ではあろうなあ、これ…。
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