空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

若者の自民党支持の理由と「リベラル」が勝てない理由

2017-10-31 12:00:00 | Weblog
 についての、先生方のコメントのメモ。

東洋経済 若者の自民党支持率が高くなってきた理由 2012年が転機、保守化ではなく現実主義化だ 2017年10月31日 薬師寺 克行 : 東洋大学教授

今の若い世代に保守とか革新などというイデオロギー的な意識はまったくなさそうだ」。なにしろ野党があおりまくったように「財政危機や年金制度の破たんなど将来に不安しか抱けない世代」である。それゆえ「問題を解決できる実務能力のある安定した政治を求めるのは至極当然であろう。つまりかれらは極めて現実的なのである。だから、選挙のたびに有名人を掲げてできた新党などには信頼がおけない、それ以上に否定すべき対象でしかないのだ」。

今回の総選挙が示したことは、有権者に媚びを振りまくような新党作りはもはや相手にされないということである。多少、時間はかかっても民主党失政の負の記憶を消すことができるような安定感のあるしっかりとした政党を作っていくしかないのである

 あまりにも手堅く、面白みに欠けるとでも言おうか。芸能人や有名人を持ち出して、それを一枚看板にするような手法で押し通そうとする人々には辛い内容である。

 箴言として聞いておきたい言葉を一つ:



 ―私も、どうもよほどのバカと思われているようなのだが、まあなんというか、この感覚は分りますね。
 さて





 この分析ははっきり、そうだといってよいと思う。端的には、韓国の従軍慰安婦問題の10億円手切れ金(ひどい表現だが)の件。あれは、”自分は愛国者だ”とか言うタイプのひとたちが総出の勢いでたたいたが―安倍支持を止める、といきまいていたと記憶する―、1年経ってみたら、ただの韓国政府の呪いになってた。

 実際、あれは読めた結果ではある。上手く行けば御の字だし、望ましかったが、割といい確率で先方が自縄自縛になるかなというものだとは見えたし。

 で、『きちんと妥協すべきことは妥協できるひと』ということで、中立のひとたちから一定の評価を得ただろうし、一年経ったら、ああ実は神采配だったんだ、ってなもので、離反していたはずの人たちが相当、もどっただろう。



 という評価は当たっているのだろうと思う。



 そう、そう見える。外見とか言葉の端々とかは。
 しかしただの無能ではない。どう割り引いてもバカにしようとしても、要所を有能な先輩とかに依頼して抑えていたことは間違いない―麻生、谷垣、甘利…など。

 ところが、安倍憎しのひとは、それすら認めたがらない、らしい。いちいち(谷垣氏を落とすことはできないにせよ)麻生の発言の一部を切り取ったり、甘利はアメリカに騙されたとか言って、安部政権を総無能内閣のように言い募ろうとする―。

 甘利が単にアメリカに騙されて、日本が不利な条件を飲まされただけなのだとしたら、なんでトランプはTPPを覆したのか? という問いは、あってはならず、口にされてもならないらしいのだ。私にドヤ顔で経済を教えようとしてきていたひとに質問したのだが、不機嫌に回答拒否されただけだったなあ。

 ―結局、とある人については、1) 投資で儲けたい、2) 安倍嫌い、という二つの目的・志向があって、その調整に失敗したのが中核的課題だったかなあと思う昨今。1) を目的にするなら、基本的には上り調子の数字のなか、アベノミクスを一定程度認めておけばまず足りるであろうところ、安倍は負けなければならないというイデオロギー(2) の要素)が1) を阻害したのだろうなあと思っている。

 別に安倍首相を嫌うのは個々人の好き勝手だし、そんなのどうでもいいと思うのだが、自らの好き嫌いによって情勢判断を誤る例は:



 こうなると自家中毒とでもいおうか、自分で酔える酒を自分で醸す、その点にかけては効率的とでもいおうか。



 ―『私が嫌いな人は無能に違いない』という判断基準を、我々はときおりとってしまう。無意識にやっちゃうんだ。注意したい―というか、私は若い頃から意識タカイ人たちに熱弁をふるわれるほうでなあ…そして、「愚かな見解」ゆえに嫌われるほうでなあ…。

 そうして:







 恐ろしく辛辣な言葉である。

 さらに、”権力に批判的な”メディアの需要度について;


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4 コメント

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立派な人達 (hilowmix)
2017-11-03 17:42:31
実際、知識人やらジャーナリストやらの皆さんは人一倍の勉強をしてこられたのでしょう。多くの知識を持ち、お知恵もありましょう。その点は頭が下がります。
でも、自らを慎む思いが伴わないと、せっかくの知識も知恵も、事実と自らの間の壁になってしまうのでしょう。
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Unknown ()
2017-11-03 21:45:46
人一倍の勉強をしつづけてこそ,そしてそのアウトプットをする・すると期待されるからこそ,生かして頂けるのだという慎みが必要なのかとおもうのです…。

> せっかくの知識も知恵も、事実と自らの間の壁になってしまうのでしょう

これは見事な表現かと!
困った事態を,なんと上品に表現したものだろう!と感じ入る。

これは…将来書く本に頂きたい…使いどころは決まった…!
返信する
見事な表現かと! (hilowmix)
2017-11-04 09:07:02
「…」(藤山寛美演じる阿呆の表情)
返信する
Unknown ()
2017-11-04 16:11:59
なんて顔です

いえだって、「君の分析概念と分析能力とが全く機能していないわけだが、それは無能と言うのではないか」とかヒドイ表現を使わずヒドイ状況を描写できてるのはスゴイことですよ…!
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