東洋経済 若者の自民党支持率が高くなってきた理由 2012年が転機、保守化ではなく現実主義化だ 2017年10月31日 薬師寺 克行 : 東洋大学教授
「今の若い世代に保守とか革新などというイデオロギー的な意識はまったくなさそうだ」。なにしろ野党があおりまくったように「財政危機や年金制度の破たんなど将来に不安しか抱けない世代」である。それゆえ「問題を解決できる実務能力のある安定した政治を求めるのは至極当然であろう。つまりかれらは極めて現実的なのである。だから、選挙のたびに有名人を掲げてできた新党などには信頼がおけない、それ以上に否定すべき対象でしかないのだ」。
「今回の総選挙が示したことは、有権者に媚びを振りまくような新党作りはもはや相手にされないということである。多少、時間はかかっても民主党失政の負の記憶を消すことができるような安定感のあるしっかりとした政党を作っていくしかないのである」
あまりにも手堅く、面白みに欠けるとでも言おうか。芸能人や有名人を持ち出して、それを一枚看板にするような手法で押し通そうとする人々には辛い内容である。
箴言として聞いておきたい言葉を一つ:
「なぜ若者が自民党を支持するのかわからない」左翼の先生やこの三浦ルリちゃんが間違っているのは、大衆はものすごーーーーーーく馬鹿だけれども学者が「馬鹿だから適当こいても大丈夫だろう」ってナメたこと抜かすと見抜くんですよね。
— dada (@yuuraku) 2017年10月29日
―私も、どうもよほどのバカと思われているようなのだが、まあなんというか、この感覚は分りますね。
さて
「アベは極右。危険だ。一日も早く倒す必要がある」という路線が有権者のごく一部にしか受けず、失敗に次ぐ失敗、敗北に次ぐ敗北を重ねているのに、基本戦略を変えなかった。今回は「アベは汚い。お友達優遇だ」と少し味付けを変えたが、これも失敗。その認識なくして、再度の政権交代はないでしょう。 https://t.co/KReZge6lN6
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) 2017年10月29日
私もそう思いますが左の人には安倍さんは極右に見えるのです
— 灰色道化 (@Gray_clown) 2017年10月29日
この場合本人の立ち位置というよりも支持層の話になります、右をしっかりと掴みながらスタートしてふわっと手放し、中道の右より左よりをかき集めて今の支持取ってると思いますよ
この分析ははっきり、そうだといってよいと思う。端的には、韓国の従軍慰安婦問題の10億円手切れ金(ひどい表現だが)の件。あれは、”自分は愛国者だ”とか言うタイプのひとたちが総出の勢いでたたいたが―安倍支持を止める、といきまいていたと記憶する―、1年経ってみたら、ただの韓国政府の呪いになってた。
実際、あれは読めた結果ではある。上手く行けば御の字だし、望ましかったが、割といい確率で先方が自縄自縛になるかなというものだとは見えたし。
で、『きちんと妥協すべきことは妥協できるひと』ということで、中立のひとたちから一定の評価を得ただろうし、一年経ったら、ああ実は神采配だったんだ、ってなもので、離反していたはずの人たちが相当、もどっただろう。
安倍さんの特長は修正能力でしょうか。
— reihuy (@reihuy97) 2017年10月29日
総理復帰までに経済政策を練り直し、靖国も増税も1度やったが修正した。
ただ小池百合子と違いその場の損得では動かず、安保法制など必要なものは批判されてもやる。
高学歴な野党のお歴々が5年経ってもアベガーの一つ覚えなのとは大きな差を感じます。
という評価は当たっているのだろうと思う。
安倍さんは、ただ「頭の悪い人」にしか見えないですけどね。本人は右も左もよくわかっていないのでは? その結果のお友だち優遇のような気がします。 https://t.co/Frlp1JHeTZ
— 『ヴァティカンの正体』筑摩新書/岩渕潤子 (@tawarayasotatsu) 2017年10月29日
そう、そう見える。外見とか言葉の端々とかは。
しかしただの無能ではない。どう割り引いてもバカにしようとしても、要所を有能な先輩とかに依頼して抑えていたことは間違いない―麻生、谷垣、甘利…など。
ところが、安倍憎しのひとは、それすら認めたがらない、らしい。いちいち(谷垣氏を落とすことはできないにせよ)麻生の発言の一部を切り取ったり、甘利はアメリカに騙されたとか言って、安部政権を総無能内閣のように言い募ろうとする―。
甘利が単にアメリカに騙されて、日本が不利な条件を飲まされただけなのだとしたら、なんでトランプはTPPを覆したのか? という問いは、あってはならず、口にされてもならないらしいのだ。私にドヤ顔で経済を教えようとしてきていたひとに質問したのだが、不機嫌に回答拒否されただけだったなあ。
―結局、とある人については、1) 投資で儲けたい、2) 安倍嫌い、という二つの目的・志向があって、その調整に失敗したのが中核的課題だったかなあと思う昨今。1) を目的にするなら、基本的には上り調子の数字のなか、アベノミクスを一定程度認めておけばまず足りるであろうところ、安倍は負けなければならないというイデオロギー(2) の要素)が1) を阻害したのだろうなあと思っている。
別に安倍首相を嫌うのは個々人の好き勝手だし、そんなのどうでもいいと思うのだが、自らの好き嫌いによって情勢判断を誤る例は:
アベ自爆解散と呼びたい。前回の総選挙で絶対安定多数を手にしてからのやりたい放題の独裁政治に、この解散がなければあと1年以上、有権者は審判を下す機会を与えられなかった。それを前倒しにしてくれたのだから、政権の寿命を自ら縮めた解散として記憶されよう。
— 上野千鶴子 (@ueno_wan) 2017年10月11日
こうなると自家中毒とでもいおうか、自分で酔える酒を自分で醸す、その点にかけては効率的とでもいおうか。
レーガンも頭の悪い人にしか見えなかったわけです。それなのに、ビル・クリントンもオバマも見倣うだけの実績を挙げた。何の資質もない人が5年も政権を担当するには、日本の政界は魑魅魍魎だらけです。安倍総理を「ただの」頭の悪い人だと見ている間は、野党諸公が政権に復帰することはないでしょう。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) 2017年10月29日
―『私が嫌いな人は無能に違いない』という判断基準を、我々はときおりとってしまう。無意識にやっちゃうんだ。注意したい―というか、私は若い頃から意識タカイ人たちに熱弁をふるわれるほうでなあ…そして、「愚かな見解」ゆえに嫌われるほうでなあ…。
そうして:
現在の「リベラル」とは、冷戦時代の、不自由で権威とヒエラルキーが定まっていた時代に戻りたい、という願望のことなんだなあ。「立憲民主党・枝野幸男代表の「リベラル保守」主義について 」「平和構築」を専門にする国際政治学者 https://t.co/o4vCSHiuv6
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2017年10月29日
自分が若かった冷戦時代の言説空間を守って、と嘆願するのが現在の保守主義。文筆業ではそこが売れ筋なのだろうが、そこに群がれば衰退産業と共に沈むだけ。苦しくても前を向いて行くしかない。 https://t.co/zp7iiFuDBp
— Satoshi Ikeuchi 池内恵 (@chutoislam) 2017年10月29日
「文筆業ではそこが売れ筋」って、含蓄が深い。
— 玉井克哉(Katsuya TAMAI) (@tamai1961) 2017年10月29日
恐ろしく辛辣な言葉である。
さらに、”権力に批判的な”メディアの需要度について;
「文句を言っているだけ」の新聞メディアが若者にまったく読まれない理由 - やまもといちろう 公式ブログ https://t.co/at6PwU6BcW
— 山本一郎(やまもといちろう@告知用) (@kirik) 2017年10月29日
でも、自らを慎む思いが伴わないと、せっかくの知識も知恵も、事実と自らの間の壁になってしまうのでしょう。
> せっかくの知識も知恵も、事実と自らの間の壁になってしまうのでしょう
これは見事な表現かと!
困った事態を,なんと上品に表現したものだろう!と感じ入る。
これは…将来書く本に頂きたい…使いどころは決まった…!
いえだって、「君の分析概念と分析能力とが全く機能していないわけだが、それは無能と言うのではないか」とかヒドイ表現を使わずヒドイ状況を描写できてるのはスゴイことですよ…!