空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

2021年版自殺対策白書の記事

2021-11-02 12:28:52 | ノート
 前年比でやや増加。11年ぶりの増加ということで残念な事象だが、コロナ不況のなかよくぞ微増程度で収まった、という評価もあろう。無い方が良い数字であるし、増えることはそもそも好ましくないながら、激増するよりははるかにまし、である。

朝日新聞 女性の自殺15%増、7千人 非正規拡大が一因 全体は11年ぶり増 久永隆一2021年11月2日 10時13分

 そのようななか、どっちみち男性の方が多く死んでいるのだから、男性が多数を占めるのはいつものことなんだから、まあさほど論じなくとも―という方向性があるのはわかる。が、男性自殺者は微減とのこと。では全体が増えた理由は―女性、勤労者および学生の自殺であるという。

2020年の女性の自殺者数は前年より935人(15・4%)増え、7026人だった。男性が微減だった一方で女性が大きく増え、全国の自殺者数が11年ぶりに増加に転じることにつながった

 …そりゃまあ、女性の自殺対策をしたくなりますわね。有意に増えた、というわけでしょうし。

20年の自殺者数は、2万1081人。このうち男性は1万4055人で、前年より23人(0・2%)減った。女性が前年より増えるのは2年ぶりだった

働く女性の自殺が増えていた。職業別で最も増えたのは「被雇用者・勤め人」で、381人増。次いで「学生・生徒」は140人増だった

コロナ禍で雇用環境が悪化し、非正規雇用で働く女性の割合が拡大した。厚生労働省は「新型コロナの感染拡大による労働環境の変化が、自殺者の増加につながる要因の一つと考えられる」としている

 ざっくり抽象化して「食っていけなくなった」「食っていく見込みがなくなった」としておこう。それがとりわけ女性に厳しかったらしい―というわけだ。

 以下の記事では有名人の自殺と思しい死の後に自殺が増えた―ということだそうで。

時事 有名人死亡後に急増 20年後半の自殺者―政府白書 2021年11月02日11時37分

2021年版の自殺対策白書では、20年後半に起きた自殺とみられる有名人2人の死亡による影響を分析した。自殺者数は報道後の2週間に男女とも急増しており、特に女性の増加幅が大きかった

男性俳優について報道があった7月18日から同31日までの自殺者数は、直前2週間の715人から925人に増加。女性俳優の死亡が報じられた9月27日から10月10日は、同813人から1079人に増えた。特に女性の増加率が45.3%と51.6%で、男性(21.2%、22.5%)より大幅に高かった

時事 ウェルテル効果 2021年11月02日10時48分

 後追いというより、切っ掛けと理解すべきなのだろう。
 …それなりの報道をする必要があろう立場でもあろうし。どうしたものやら。

 そしてこの対策について、「男女平等と言うなら、なんで明らかに多数死亡している男性にもっと目を向けてくれないの?」という声も、それなりの分量あるようで―いやまあ、それはそれでもっともなことで―、厳しいことだな、と。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 雑感 | トップ | 見ていた記事メモ(2021-11-03) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ノート」カテゴリの最新記事