空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Cultural Appropriation:Kim Kardashian West has surrendered

2019-07-02 21:37:41 | Newsメモ
 最近は法令でデザイナーに「無教養」が要求されるようにでもなったのかこれは(2019-06-29)。オンジョブトレーニングも大概にしろ、という判定になりはしないか。

 ともあれ、ダメな案を引っ込めることにしたようである:

BBC Kim Kardashian West drops Kimono brand name 1 Jul 2019

Kim Kardashian West is to change the brand name for her latest fashion line following accusations of cultural appropriation.

The reality show star-turned-designer posted on Instagram: "I am always listening, learning and growing... When I announced the name of my shapewear line, I did so with the best intentions in mind."

 やる前に学べ、というのは傲慢とまで言えるだろうか。
 先行研究を見ていませんでした、というレベルでさえない。ぐーぐる検索一発だ。某さくらんぼ小学校(2010-09-11)が罪であるなら、今回の件はどれほどの大罪であろうか。S-cute(2011-10-20)もひどいな。



 そういう卑劣な試みをする者たちとは戦わねばならない。そしてそんなものっそい手間隙を強要する者たちは社会の敵というべきだろう。











 敬意や愛情や尊敬や…の差でしょうな、これ。
 たとえば『艦これ』で気象用語が激烈に汚染された、のではある。だが軍艦(駆逐艦)経由であって、かつ…まあ、微妙に抵抗ある表現だが、敬意をもった扱われ方をしている。愛されていることだけは確かだ、その愛情は自分には理解できないが、というくらいまでの理解はいけたらしい。



 …まあ、この程度のネタに落ち着くくらいには。

 また、改変したうえ、生きた生活になっていった、たとえば「ナポリタン」がもっともこの場合、対比例として便利か。これも一応、先方の文化へのリスペクトから発したと解釈できる。ナポリなんて地の果ての憧れのエルドラド状態だった日本が西方浄土のステキ食べ物ってこんなのかも!と想像して練り上げた妄想料理だろう、これ。
 同様にカリフォルニアロールも、多少の抵抗はあっても理解できる。ああ、海苔を食えない種族が頑張ってなんとかしようとしたなれの果てだな、これ、と。

 でまあ、それらは民衆の中から発した生きた文化であるわけで、ある基盤を確保してある。そして本家様に対してそれなりのひけ目の如きものをもつ―つまり「カリフォルニア」ロール、の名が示すように。あるいは:



 これはある種のリスペクトがあるし、そうするべき必然性やらなにやらがご同情申し上げるほかないし、『こっちが本家だ! 商標とったぞ!』と騒ぎ出す可能性もまあない、つーか初手から喧嘩かますよーなことをしていないわけで、まあ、「ま、宜しく」と言いたくなる。

 では、ジャパニーズ・ナポリタンが、「ナポリタン」の名のまま日本の有名ブランドが全世界へ向けて発信したとしたらどうだろう。いかんだろう。

 まーキム・カーダシアン氏は、ここで間違ったわけだ。
 おそらく「カーダシアン・キモーノ」ならまだしも通った。カーダシアンのアレンジした着物、という複合語になるから。あとまあ、キモノというのはデザイン性にあまりにも欠けていたのも問題だが。

 にもかかわらず、「私のKimという名前に引っ掛けてつけました☆ ジャパニーズのキモノと一致したのは、そんな意図はありません☆ 私は退かないよ?」と、どーいう語形成法だよそれ、という根源的な疑問に答えぬまま権利者としての権力を早速行使しようとしたあたり、嫌われるわな。

 韓国が「キムチ」の表記や定義に拘ったという話を想起しても良い。
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