ともあれ、ダメな案を引っ込めることにしたようである:
BBC Kim Kardashian West drops Kimono brand name 1 Jul 2019
「Kim Kardashian West is to change the brand name for her latest fashion line following accusations of cultural appropriation.」
「The reality show star-turned-designer posted on Instagram: "I am always listening, learning and growing... When I announced the name of my shapewear line, I did so with the best intentions in mind."」
やる前に学べ、というのは傲慢とまで言えるだろうか。
先行研究を見ていませんでした、というレベルでさえない。ぐーぐる検索一発だ。某さくらんぼ小学校(2010-09-11)が罪であるなら、今回の件はどれほどの大罪であろうか。S-cute(2011-10-20)もひどいな。
これから知名度と資本力ある人の間で
— 丙ウマ・サーマン (@hinoeumathurman) 2019年7月1日
無茶な名前つける→
騒がれて宣伝になる→
ギリギリまで戦闘態勢みせる→
撤回してなぜか好感度上がる、宣伝完了
というビジネスモデルが流行ったら困ったものである。
そういう卑劣な試みをする者たちとは戦わねばならない。そしてそんなものっそい手間隙を強要する者たちは社会の敵というべきだろう。
どうせ別の名前も用意してるんでしょと仰ってた方の言葉通りの展開だ。狙いよりよりオフェンシブな方を先に出し本命を後出しする事で印象を良くする方法、現代🇺🇸のあるある過ぎる。(commercialでもpoliticalでも)https://t.co/g8ufjXgpzw
— rhubarbook (@rhubarbook) 2019年7月1日
しかし、名前を変えるとは表明されたものの、商標登録の取り下げについては一切触れられていないので、油断してはいけません。
— さと (@sato_kimono) 2019年7月1日
キモノドットコムだって、アクセスできなくなっているだけで事実確認はできていない。
高額転売されている可能性もあるしね。#KimOhNo
キム・カーダシアンが「キモノ」を撤回したのは良いことだけど、それはそれとして、京都市の声明の「きものをはじめ あ ら ゆ る 日 本 の 文 化 を守り育ててきた京都……」というくだりは「何抜かしてんだこの山城国のクソ田舎が」という感想しかない
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) 2019年7月1日
きものをはじめとしてあらゆる日本文化を商売の種としてきた京都‥ というのはおふざけにしても、私は生涯に着物着ても1、2回の人達がこんなに熱くなれるのが不思議。
— So (@sogoike) 2019年7月1日
我々だって自国他国の文化利用して改変しまくりなのに。
立ち食い回転寿司、フレンチ。ナポリタンスパ、バイキング,メイドカフェetc
いうて我々も「トルコ風呂」の名称は使うのやめましたけどね
— 呉竹シオ (@kuretake) 2019年7月1日
敬意や愛情や尊敬や…の差でしょうな、これ。
たとえば『艦これ』で気象用語が激烈に汚染された、のではある。だが軍艦(駆逐艦)経由であって、かつ…まあ、微妙に抵抗ある表現だが、敬意をもった扱われ方をしている。愛されていることだけは確かだ、その愛情は自分には理解できないが、というくらいまでの理解はいけたらしい。
「KIMONO」という名の補整下着を商標登録した件。非難している人の意見に「ネットでKIMONOと検索したら、着物ではなく補整下着が出てくるのはイヤ」とあった。架空戦記の仕事で二次大戦の日本海軍艦艇の名をネットで検索したら、大砲を背負った美少女ばかりが出てきた経験のある私は深く頷くところ。
— 安達裕章 (@adachi_hiro) 2019年6月29日
…まあ、この程度のネタに落ち着くくらいには。
また、改変したうえ、生きた生活になっていった、たとえば「ナポリタン」がもっともこの場合、対比例として便利か。これも一応、先方の文化へのリスペクトから発したと解釈できる。ナポリなんて地の果ての憧れのエルドラド状態だった日本が西方浄土のステキ食べ物ってこんなのかも!と想像して練り上げた妄想料理だろう、これ。
同様にカリフォルニアロールも、多少の抵抗はあっても理解できる。ああ、海苔を食えない種族が頑張ってなんとかしようとしたなれの果てだな、これ、と。
でまあ、それらは民衆の中から発した生きた文化であるわけで、ある基盤を確保してある。そして本家様に対してそれなりのひけ目の如きものをもつ―つまり「カリフォルニア」ロール、の名が示すように。あるいは:
以前に何度か紹介したけど、イランの女性の間では忍者が人気。髪の毛を隠すコスチュームでアクロバティックな運動ができるということで、エクササイズにも忍者を取り入れるという人たちもいる。 https://t.co/sma4SIrIVx
— Kazuto Suzuki (@KS_1013) 2019年7月1日
これはある種のリスペクトがあるし、そうするべき必然性やらなにやらがご同情申し上げるほかないし、『こっちが本家だ! 商標とったぞ!』と騒ぎ出す可能性もまあない、つーか初手から喧嘩かますよーなことをしていないわけで、まあ、「ま、宜しく」と言いたくなる。
では、ジャパニーズ・ナポリタンが、「ナポリタン」の名のまま日本の有名ブランドが全世界へ向けて発信したとしたらどうだろう。いかんだろう。
まーキム・カーダシアン氏は、ここで間違ったわけだ。
おそらく「カーダシアン・キモーノ」ならまだしも通った。カーダシアンのアレンジした着物、という複合語になるから。あとまあ、キモノというのはデザイン性にあまりにも欠けていたのも問題だが。
にもかかわらず、「私のKimという名前に引っ掛けてつけました☆ ジャパニーズのキモノと一致したのは、そんな意図はありません☆ 私は退かないよ?」と、どーいう語形成法だよそれ、という根源的な疑問に答えぬまま権利者としての権力を早速行使しようとしたあたり、嫌われるわな。
韓国が「キムチ」の表記や定義に拘ったという話を想起しても良い。
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