空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

日経・政権支持率(等)調査:穏当、順当な選挙結果か

2019-07-30 16:20:43 | ノート
 とりあえず



 なんてお言葉を見ておいてみよう。

日経新聞 改憲勢力3分の2割れ「ちょうどよい」41% 本社世論調査 2019/7/28 19:00

 7/21投開票の参院選の国民的な評価は、憲法改定に「前向きな「改憲勢力」が非改選とあわせ、国会発議に必要な参院の3分の2(164議席)を割り込んだことを聞くと「ちょうどよい結果だった」が41%と最も多かった」あたりでよいのでは、と思う。

 広報の甲斐あってというべきか、まあそれなりに世界の常識に適合するというべきか、「首相は総裁任期中に憲法改正の国民投票を実施したいと表明している。この首相の考えに賛成と答えた人は52%で反対の33%を上回った」とあって、現行憲法は不磨の大典ではない、時宜に応じて変更可能であると―70年以上前の社会契約を、まあたまには見直しても良かろうと―いう共通理解はそこそこ行き渡っている。

 憲法は、必要があれば変えてもいいだろう、発議自体を不可とするのはやりすぎだ、自由に討議してよかろう―まあ変えるんだったら、それはいまじゃないけどな! …という。この辺が”サイレントマジョリティ”的な合意ではないかなあ。

改憲勢力が参院の3分の2を割り込んだことについて「もっと多くてもよかった」は24%、「もっと少なくてもよかった」は22%と拮抗した

 とまあ、従来の護憲派からみて”極右”といいたくなるような方向には24%があり、対極側には22%。その真ん中に41%程度という、まあその、綺麗なもんじゃないだろうか(残余は13%)。

 読みどころ・論点は、たとえば―自民党支持は37%とあるが、つまり与党勢力(自民+公明)支持層計41%について、自派勢力が「「もっと多くてもよかった」は24%」とあり、してみると、この「そこそこの負け(勝ちと主張することを妨げない)」でほどよいとする層が17%は存在する計算である。

日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で安倍内閣の支持率は52%と前回6月の調査から4ポイント低下した
内閣支持率を男女別に見ると、男性が57%、女性は46%だった。世代別では18~39歳が最も高い58%で40~59歳が56%、60歳以上が47%だった

 とあり、内閣支持層においてさえ、この「そこそこの勝利」はまあまあの満足をもって受け止め、これ以上の勝利を必ずしも望まないという傾向がみられる。

今回の参院選では野党が定数1の1人区で統一候補を立てた。次の衆院選でも野党が統一候補を立てるべきか聞くと「立てるべきだ」が55%と「立てるべきではない」の25%を大きく上回った

 ともあり、野党の統一候補擁立を55%が支持する。そのほうが野党の勝ち目がまだしもありそうだ―というわけであろうが、その理解でいいとするなら、”野党のそこそこの勝利”を望むのは阿倍政権支持層(52%)の中にも相当数存在することになる。
 ということは、野党に多少は勝たせて、政権与党を掣肘させようとするバランス方針を支持する層がまあ一定程度存在する、ということだろう。

 さらに「調査は日経リサーチが26~28日に全国の18歳以上の男女に携帯電話も含めて乱数番号(RDD方式)による電話で実施し、923件の回答を得た。回答率は45%」とあり、しかしこの回答者によれば「投票に行った 79%」なのだ。
 たしか投票率自体は50%を切ってたんじゃないか。とすると、以上の結果は投票に行くような、一定の意識をもった人たちの中での話であり―

 ―さあ、こういう状況でどういう作戦をとるべきかは、そりゃあ戦略担当者の腕のみせどころだろう。

 確かに、選挙に行ってないひとたち(全体の50%くらい)をまるっと確保しちゃえれば大勝利は確定している。だが、そもそもめんどくさいからいかなーい!というひとをどう説得するのか。結果は予測の範囲だし、まー自分が行かなくてもいいんじゃなーい?というひとを、どう? 

 …まあ、ねえ…とまあ、多少。






 まーそんなふうに”おれたち”をひたすら侮辱し、他方で”おれたち”を貧乏から救うための方策も何も一切無し、どころか足をひっぱる老害どもや御教養おありのお左翼様どもなんぞ…! と復讐されるってシナリオもあるんじゃないですかね。



「若者」概念について、まあえらく、なんとやら、という感。理由句・形容句にそれなりに面白みがある。何をどう思いたいのか、などの分析の対象になりえよう。




 対象ツィートの後半部分:「何故彼らが野党に投票しなかったかというと、野党に任せるともっとひどいことになると思っているから」だけをみて脊椎反射的につぶやいた発言と評価されよう。なぜなら、前半の「与党に任せていると酷いことになると思っている人もたくさんいると思う」は、与党(この場合は自民党)支持の立場からは出にくいだろうからだ。




 ある意味で所謂55年体制、旧世代の政治地図―2/3前後を自民党系がとり、1/3を社会党がとり、隙間に民社・共産がいる、みたいな―が懐かしいのはこの点だ。『5年後に自民党が出す法案を知りたければ、いま社会党が出している法案を見ればよい』的な世界。社会党=最強野党が未来を構想する力を持っていた、と信じることができる世界観。
 いやファンタジーかもしれないが、『少なくともいまよりはマシ』程度の懐古の対象になりえる程度には野党の能力が高かった時代。そうでなければ与党も鍛えられまい。



 自民党に投票した可能性が高いっぽいヒトを捕まえてそういうからには、今回の選挙でどこが多数の得票を得たのか、どこが得票を伸ばしたのか、承知の上なんだろうな、とかちょっと思う。

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