空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

江川紹子による評:性的虐待の父親の無罪判決の件

2019-04-29 13:57:35 | ノート

 相変わらずというべきか、さすが江川紹子である。良質、上質と見える。

yahoo 裁判所はなぜ、娘に性的虐待を続けていた父親を無罪としたのか 江川紹子 | ジャーナリスト 4/28(日) 20:12 2019

女性が性被害を訴えた事件で、被告人が無罪となる1審判決が4件相次いで報じられたことで、裁判所に対する批判が挙がっている。性暴力の問題に取り組む女性らが集まり、無罪判決に抗議し、「司法を変えていこう」「裁判官に人権教育と性教育を!」などと訴えるスタンディングデモも行われた

私が目にした限り、批判には検察官についての論評は見当たらなかった。判決文を読んだ弁護士による批判記事でも、本件についての検察官の捜査・立証活動については言及がない

 いわゆる「世間様」が見ていない観点をきちんとフォローする。よし、これでいけるな、と私は某評論について思ったのである(現在執筆中)。

ここからは私見が入る。

 検察が取り調べの際に、録音録画を行ったのは適切だった。

 驚くのは、録音録画が行われている中で、被疑者が言ってもいないことを検察官が調書に書く悪弊が、今なお行われている、ということだ。こうした事実も、裁判所の姿勢を、より慎重に検察側の主張立証を検討する方向に向かわせたかもしれない


 きちんと事実説明と私見とを分けるのも宜しい。いやもっとも、事実の説明の順序等々に既に私見が入ると言うのもその通りだが。
 裁判の結果についての評価は



 こうなるかなあ、と。

被害者のプライヴァシーを守りつつ、裁判所の判断や検察の捜査・立証活動をきちんと検証できるようにするにはどうするか。そのためのルール作りが必要だと思う」と江川がいう。
 この点、

BBC記事 「校長に体を触られた」と訴えた女子学生、焼き殺される バングラデシュ(2019-04-25)」

 を思い出した。「校長先生に…セクハラを…」と警察に言いにいったら、取調室で警官が(私物でだろう)告白する彼女をヴィデオ撮影し始めたと。ひどいはなしである。そんなわけで、被害者側のプライバシーを適切に保護する必要を満たしつつ、さあ、どうするか―と。

 以下資料集:
【裁判官をしばくキャンペーンの存在を伝えるもの】




 ああ、朴ねーちゃんへのあれはひどかった。そんなわけで、「お気持ち」原理主義をどうにかすべき・実害を防止すべきころあいかなあと思ってみる昨今。

【類似例との対比】


【人民裁判との対比】


【新利権の提案爆誕】


【冷静な意見】


【偶然にも三つとも3/29】

 それどころか完全捏造でも:


 とまあ、どんな世界観・社会状況が好ましいか、実際にどんな風に運用するか―ということも考えたい。

 以前の日本のように―今もかなりそうであるらしいように―警察・検察が「もう完璧。俺たち100%伝説。」的なレベルまで固めたものでこそ逮捕・裁判、よほどのスカでもなければ確実に有罪99.9%、なんて状態を望むか。

 ただ、そういう状況を悪用する者もいたわけだ、『私の電話する権利を邪魔するクッソうぜぇキモオヤジ。ああそうか、こんな性犯罪おかしそーなwwwオヤジwwwだからwwwハメちゃえ☆』みたいなのが。

 ということで、最近は、まあ以前に比べれば逮捕の重みは減った―が、『女性様の宣旨―というわけでも、ないわなあ』と警察・検察も意識を変え始めた―というわけだ。なにしろ「被害女性の深刻な訴え」がそもそも虚偽ということが無視しきれないレベルで発生した、というわけだ。

 とすると―相対的に女性の発言力が失われてしまったわけである。
 ではあるが、これを男女の対立の話、男女間の権力闘争ととると、非常に不効率で正義にもとる話になる。
 単純に、嘘つきを嘘つきとして取り扱えばいいだけのことだと、きちんと合意がとれればよいな、と。

【寺沢武一先生の件】

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