空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

矛盾に満ちた言い訳はむしろ伝統芸ではないかと思われ、韓国愛がさらに高まる

2018-12-29 12:34:21 | Weblog
読売新聞 韓国「想定外」の映像公開、世論に押され強気に 2018年12月29日 07時58分

韓国国防省は28日夜に声明を発表し、政府間で協議を続けているさなかに防衛省が映像公開に踏み切ったとして、「深い憂慮と遺憾」の意を表明した

日韓関係筋によると、韓国側は当初、レーダー照射問題を公表しないよう日本政府に要請した。日本側が受け入れず、積極的な対外発信に踏み切ることは想定外だった模様だ

問題発覚後、韓国メディアが「日本の過剰反応だ」と反発するなど国内世論は硬化しており、韓国政府としても強気の態度で日本に臨まざるを得ない状況に陥っている

韓国軍関係者」は「むしろ海上自衛隊のP1哨戒機が駆逐艦の上空150メートルまで接近するなど、韓国側に「相当な脅威」を与えていたと主張した」とされるが、せやから、友軍偵察機が近くに来たら、人命救助活動への参加という名誉を分け与えてあげるくらいのことを、ですな。

関連:「『海難事故にあった人たちを救出するためなんだよ!』であれば、近くにいた友軍偵察機にも協力依頼を出すべきであって(2018-12-23)」

関連:「うんだから人道目的なら一緒に活動しようと呼びかけあうのが筋だろうと(2018-12-23)」

 …まあその、たかだか一隻ていど漁船の沈没遭難で、コーストガード1隻+駆逐艦1隻って、厳重な取り扱いにもほどがありますが。しかも隣国の経済水域の中で軍艦を…というのは、あのなあ、第一次大戦前じゃねえんだから…とかいう気はする。

 しかしなんだ、これ、世界史教師は授業、やりやすかろうな。AにせよBにせよ、近現代を詳しくやるころあいだろうし。
 政治的立場をどうとるか、自己の政治的立場とどうおりあいをつけるか―という問題は多少あるが、個人的には多少に留まるのでまあいいか、という気もする。

 私の立場としては、韓国愛がさらに高まるので問題ないし。
 もうノリノリで突っ込みいれますな、なにこの無理筋の説明!って。このアレな説明は伝統芸に近い。江華島事件とか、いやまあなんというか、関東軍的というか、悪い意味で大日本帝国陸軍的というか、このダメな対応はもはや愛しいほど人間的である。

 ただまあ、日本の軍隊を常に悪く言わないと気がすまないひととか、辛いとは思う。エヴィデンスベースで話せばいいだけ、とも思うが。
 また、こういう仕方での愛の高まりは、韓国政府的・国粋主義的には好ましくないかとも思われるが。

読売新聞 北漁船を普段から救助か…知られたくなかった? 2018年12月28日 21時21分

「海上自衛隊が適切な行動をとったことを国民に理解してほしい」
 岩屋防衛相は28日の記者会見でこう述べ、映像公開の意義を強調した


乗員は韓国駆逐艦に対し、三つの周波数で「行動の目的は何ですか」などと英語で問い合わせたが、韓国側からの応答はなかった

現場は好漁場の「大和堆」の周辺で、大量の北朝鮮漁船によるイカの密漁が問題となっている。日本政府関係者は「韓国軍は北朝鮮漁船の救助に普段から関わっている可能性があり、日本に知られたくなかったのではないか」と分析している

 いやまあ人命救助ならそれなりに説明がつくのであり(一応仮にも)。

読売新聞 韓国説明に矛盾、「照射」は捜索中でなく救助後 2018年12月28日 12時25分

政府関係者によると、20日に日本海でレーダー照射を受けた際に撮影された映像には、韓国海軍駆逐艦の近くに北朝鮮籍とみられる漁船が映っており、すでに救助後とみられるという。韓国側は、駆逐艦は遭難船舶の捜索をしていたと説明しており、韓国側の説明は矛盾することになる

朝日新聞 (社説)日韓防衛摩擦 不毛な悪循環を避けよ  2018年12月27日05時00分

結果的に大事にいたらなかったのは何よりだが、日韓で主張が食い違い、事実関係すら一致しないのはどうしたことか

今回の真相は不明ではあるものの、発生から時間が経つにつれて韓国側が説明を変えたのは不可解であり、混乱を深めた

 とまあ、控えめながら批判基調。

そもそも最近の韓国軍には、理解しづらい動きが目立つ。10月に韓国であった国際観艦式では、旭日(きょくじつ)旗の掲揚をめぐり自衛艦が参加を見送るという異例の事態が起きた

両国間ではこれまで、歴史問題などで政治関係がぎくしゃくしても、防衛当局はさほど大きな影響を受けず、北朝鮮の脅威を前に連携を強めてきた
幾度の曲折を経て、2年前に締結した日韓の軍事情報包括保護協定も、韓国政府内で国防省が必要性を強調し続け、結実したという経緯がある

 とあって、朝日新聞でさえ―と書きたくなるが、朝日新聞でさえ、軍人たちは冷静で理性的な立場を採り続けてきた、と認めるのである。いやきみら、普段は自衛隊はキ●ガイ暴力集団に変貌するのを念願する変態集団扱いじゃなかったか、という気はするが。
 ともあれ、そんななか

一連の韓国軍の動きにもし、民族主義的な感情が影を落としているのなら看過できない

 韓国軍の立場におおきな疑問符をつけるわけである。

そんな中だけに、世論のナショナリズムを高めるような言動は慎むのが賢明だ

 …うん、正論ですけどね…。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« スーダン・プロテスト:食料... | トップ | イェメン:Houthi派支配地域... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事