空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

非武装論と暴力行使

2009-07-21 12:38:40 | ノート
Kojii.net 「Opinion : "9 条ナイフ" の話とか、武力革命の話とか (2009/7/20)
他,週刊オブイェクト「憲法9条無防備論者による殺人未遂事件(7月16日)」「9条ナイフ滅多刺し男の件に関する的外れな反論へのお返事(7月17日)」「リデル=ハートの格言「平和主義者の好戦性」について(7月18日)」

 最近椰子神様のところに行ってないので(流石に)チェックしたが,まだ教祖様のエントリはない模様。
 しかしまあ,九条の会発起人だとかで,流石に殺人未遂事件はマズイだろう。しかも車の通行をめぐるトラブルで。

 基本的には

 思想的にダブルスタンダード特濃。

 なのが超突っ込み所でしょうねぇ。ご指摘重々あるわけですが。

 …考えるべきところはいろいろとあるかと思われ,「オブイェクト」コメント欄にも論点の指摘があったりするではありますが…雑感メモ程度に書いておきますが,「非武装」「非暴力」は必ずしも必然的に裏表一体のものではないなとか…。

 非武装という場合,国家組織の非武装を言うのでしょうが,名目上「軍隊を持たない」ことを言うらしい(それで何故かコスタリカが賞賛される運びに。なぜか日本が賞賛されないのですが)。定義と,それを主義とする人々による実質上の用法とが相応していないのは,まず問題。

 非暴力―は,恐らく人はまずこの名詞でガンジーを想起するだろう。とくると,これは個人レベルから始まる/個人に適用可能なもので,「非武装」とは違うステージ(※曖昧な表現)にも適用領域をもっているわけで,議論をする場合は別個に扱う必要がある。

 つまり,非武装論者は国家の暴力を批判・その顕著な表れである軍隊を否認するのであって,個人的な暴力行使については必ずしも否定しない,のかもしれない(とゆーか伝某組織発起人は,その行動によって積極的に容認してる)。

 理屈の上では,主題が違ってる(国家と個人と)のであって,別個の問題系に属すると主張可能ではある。

 しないほうがいいと思うが。自力救済万歳な世界ってどーかと思う。

 ところで国家の軍隊が微弱であって,各国民による自力救済がのさばり得る地域としてソマリアを挙げることができる。現状,暫定政府の支配領域はさほどでない。で,いわゆる正統政府でない組織が「治安維持」をしてたりするわけだが,非武装論者はこれをよしとするものだろうか。

 しかしアルシャバブは,地域的には与党であり,「軍事力をもって圧政」している当の者でもある。また,まかり間違ってアルシャバブがソマリア南部を制圧した場合,無論非武装論者は即座にアルシャバブに武装解除を要求せざるをえない。

 そうではなく,非武装論は組織による暴力保有・行使全体を批判するものでなければならぬ(原理主義)。さればこそ件の非武装主義者は国家の暴力組織保有を非難し―各個人に属する限りの暴力であれば認めるのであるッ!(嫌味)。

 …それで実現される世界像ってのがエライものになるのはよくわかったわけですが。個人が武器を常時携帯していて,何か気に食わないことがあれば(たとえばとある人物によれば)ナイフを振りかざして他人に襲いかかっていいらしい…。…やっぱり,これも駄目だろ。

 ナイフも,「個人に属する暴力」ではない,っちゃないしねぇ(やっぱり原理主義)。

 あと,組織の持つ暴力という点でいえば,「なんたらの会」なんて組織を作った時点でその呪縛から逃れることは不可能と思われますが(ひたすら原理主義),そのあたりはどー処理するんでしょうねー。

 あと割とどーでもいいネタ記事メモ追加:
『村野瀬玲奈の秘書課広報室』「軍事優先思考の人は、壊れて散らかったおもちゃの後片付けをしない子どものようなもの。
 朝鮮半島北部政権(北朝鮮)なんか,まさしくそれですよね(先軍政治ってよく聞く単語だ)。
 そうまでして護りたい独立とか自尊とか,どれだけの価値があるんだろう。

 北朝鮮は,どうもUSAの”侵略的態度”みたいなのに対抗して自主国防を目指し核を保有しようとしてきた(まあ仮にもまあ持てたらしい)が,なんかある種のひとに言わせれば『日本はアメリカの属国』だとからしいが,それなら私は北朝鮮のひとびとにこう言いたい:『アメリカの属国になる方が,豊かに自由に暮らせるよ!』。反政府思想をもっても反政府思想をぶちまけても反政府デモを繰り広げても逮捕鎮圧収監拷問虐殺とかされないよ! 
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1 コメント

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Unknown (teiresias)
2009-07-21 12:53:59
 そうか,『自分で何を言っているのか分からない』のだな,あれは。何を考えているのかも把握してないのだ,恐らく。その場その場で論敵(に見立てた者)を「論破」できれば済むから,それで処理している―わけか。

 …そのレベルの人が本書いて出版したりしたらダメだよね…。
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