空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

Mali事情:Tuareg勢力とAnsar DineはMaliの統一を支持する

2012-12-05 18:31:27 | Newsメモ
 マリ政府はTuareg勢力およびイスラミスト勢力のうちAnsar Dineと最初の直接対話を行った。

BBC Mali crisis: Tuareg rebels in talks with government 4 December 2012

 ブルキナファソで行われた会議で,さらなる対話がなされることは合意された様子。

 方針としては,Tuareg勢力が北部マリの独立への意志を放棄すること;Ansar Dineが過激派の政策を改め,アルカイダとの連携を放棄するべきこと―つまりテロを放棄することとマリの国体を維持することが基本線。

 ―となると,『反乱起こさなくてもよかったんじゃ?』ということになるが,なんでこうなったかって,「the much-weakened separatist Tuareg rebels」ってくらい弱体化したから,というのが一つの答えになろう。

 また,Ecowasは3300名規模の派兵の意志を示したが,これに先週,国連事務総長Ban氏が支持を与えた由。金銭的な支持までは与えていないそうだが(マリ介入軍Afismaはどうやって運営するのか答えよ,と言ってるという)。

 一応和平方向と言うことで,私としては歓迎する方向である。が,これら反乱勢力はすでにいろいろやらかしちゃっているので,『なにをいまさら』というだろうマリ国民をどう納得させるか,は相当難である様子である。


 追加:
Guardian UN urges caution over military intervention in Mali
Simon Tisdall, Thursday 29 November 2012

 国連はマリ介入計画に対して,バケツ一杯の冷や水を浴びせかけた―と評する。1990年代のソマリアのことを思い出せ,最近のコンゴの事例を思い出せ―隣国が必ず事態を正しく見ているとは限らないし,介入も宜しいこととは限らない! 何をしたいのか,何ができるのか―訓練や任務や資金源など,考え直せ,そう事務総長報告は勧告する,と。

 まずは平和的な手段を尽くすべきだとし,さらには”国連はカネを出さないからね”,logistical supportだけだから,と明言。

 …まあ,実際,それなりに弱体化したとはいえ,Tuareg勢力(反西欧運動を自己目的にしているわけではない)との妥協は可能かもしれないレベルのようだし,Ansar Dine(の穏健派)も交渉の席についているわけだし,まずは対話で押していっては,というのも妥当な線か。

 12月5日に安全保障理事会で討議するそうですけどね,軍事介入案。

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8 コメント

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お久しぶりです。 (navi-area26-10)
2013-01-12 13:41:09
トラックバックが出来なかったので、マリ情勢について上にリンクさせていただきました。ではでは。
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お久しぶりです (teiresias)
2013-01-12 22:42:24
トラックバック,なんでできなかったものだろう?
はじく設定はしてないはずですのに。
ともあれ,
BBC "French troops continue operation against Mali Islamists"(http://www.bbc.co.uk/news/world-africa-20997522)12 January 2013 Last updated at 12:24 GMT
なんでマリ軍がKonna奪取できたかなーと思ったら,フランス軍が(ヘリパイロットが致命傷を負うほど)気合いいれてバックアップしていたそうな。
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Unknown (teiresias)
2013-01-12 22:43:53
国連の介入の意図は既に示されたものの,この軍事行動は文句なしのお墨付きは得ていない気がしますけどね。
ソマリアのほうは,さらにそうです。
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Unknown (teiresias)
2013-01-12 22:50:36
こちらの記事にはトラックバック行けてますね。
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ちょうど今は三つ例がある (ていれしあす)
2013-01-12 22:56:58
フランスが介入した,または介入が期待された土地は,いま私が注意しているところでは三つあり:
1. ソマリア
2. マリ
3. 中央アフリカ共和国
である。1と2とにはフランスは実力行使した。
1には,(今回は)特殊部隊をヘリで送りこんで人質奪還作戦を展開。
2には,政府側の作戦を援護して空爆を敢行。
3には『お願い! 僕の政府を守って!』と政府にお願いされ,『介入してくれないなんて,旧宗主国さん! 僕らを見捨てる気っ?!』と民衆から訴えられてもシカト中(…個人的には同情する。うん)。
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Unknown (ていれしあす)
2013-01-12 22:59:38
介入方針と介入規模と,多少バラエティがあるので,どんな場合にどんなふうに絡むか,考えてみるのも一興。
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補遺 (ていれしあす)
2013-01-12 23:28:41
(ちょっと読んできた)「フランスは今まで軍事行動に慎重、もしくは否定的だった」かと言う点については,”情勢を左右するような介入を単独で行う”ことには及び腰だったというところだろうか。

Afismaはじめ,国際的協調による介入には,むしろ”さあやろう! はいやろう! できるだけ早く!”と言う感じかと私は思ってきた。彼らは,自らdraft作成するくらい,積極的だったはず。
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Unknown (ていれしあす)
2013-01-12 23:36:53
情勢の変化としては,上掲記事の如く,一応Ansar Dineは交渉の席につきながら,今月に入って「ぬーけた」宣言をしたり(http://blog.goo.ne.jp/teiresias/e/15f91a34636e5e75575ea2e42f96c9ef)。
暫定大統領が”9月までは持たない!”と悲鳴を上げていた。

国連側の”討伐団結成OK”の宣言に対しては,文化遺産の破壊で応答し,示威のやり合いはそこそこうまく行ったわけであるが…どの辺がフランスの激怒ポイントだったか,いやほんとに考えると面白いと思う。
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