新型のXTR、使い込むうちにほんとにいいなあって思います。コントローラブル、シフトを含めた操作の軽快さ、失礼かもしれませんがシマノらしからぬ垢ぬけたデザイン。シマノの方が自信をもって送り出した新型XTRは、たしかにすごい。
前モデルまでのXTRは、主にクロスカントリーライドをターゲットとした最高級コンポーネントという位置づけでしたが、新型はクロスカントリー、そしてオールマウンテンを含んだトレイルライドまでをカバーするより用途が広がったコンポーネントとなっています。その中でもブレーキはクロスカントリーとトレイルの両モデルがリリースされました。
写真手前がトレイルモデル(BL-M988)、奥がクロスカントリーモデル(BL-M985)。パッとみると違いがわからないかもしれませんがまったく別物。
トレイルモデルは、現行のXTのレバーにも採用されているサーボウエーブ機能がついていて、ブレーキレバーを握りこんでいくとレバー比が変わり、より早くパッドがディスクローターに当たるようになっています。使った感じだと、途中から急激に制動力が増す感じ。もともとサーボウエーブはディスクブレーキやVブレーキがなかった時代、カンチブレーキの作動スピードアップ、制動力アップのためにシマノが開発したシステム。このしくみを最新のディスクブレーキに応用したわけです。また、レバー位置調整用ノブ、ディスクローターにパッドがコンタクトするタイミングを変更するためのフリーストローク機能などがついています。冷却フィン付きのメタルブレーキパッド、強化ブレーキホースなどのおかげで、前モデルに比べて25%アップの制動力になりました。
一方クロスカントリーモデルは、それらを排除したシンプルな作り。その分軽量になっています。サーボウエーブ機能がないので、レバーの操作感は最初から最後まで一定。裏を返せばすごく扱いやすい。大幅な制動力アップを必要としないならこちらでも十分。それでも前モデルより10%制動力アップしています。ブレーキパッドは冷却フィンなしのレジンもしくはメタルパッドが装備されていますが、キャリパー自体はトレイルモデルと同一なので、用途により交換可能です。新型のレジンパッド、あなどれません。普通にいい感じの制動力&耐久性、そして静音性。
ブレーキの性能って、ライディングの気持ちよさに密接に関係してきます。たまにカンチブレーキやVブレーキのバイクに乗りますが、よくこんなブレーキでダウンヒルしてたよなあ、って感慨しちゃいます。カンチブレーキでマンモスのカミカゼトレイル(最高速80kmオーバー)下ったもんなあ。いや~、当時はすごい!、そして今のパーツはほんとにすごい!
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