トーキョーの都心に住んでいたり、なかなか山へライドに行けないとき、やっぱり身近な近所で乗りたくなります。


 僕もマウンテンバイクに乗り出した、いや、BMXに乗り出した頃には、近所が遊び場でした。


 乗り方などの情報なんて、定期的に見ることができるアメリカの専門誌ぐらいだったから、おのずと自分たちでその雑誌に載っている写真(動きの中の一瞬)から想像力を働かせて、一連の動きに仕立て上げるということを繰り返してきました。


 ジャンプだったり、コーナーリングだったりもたくさんしてきたけれど、トライアル的な繊細なバランス感覚を楽しむこともずいぶんやってきた。


 高度なテクニックを練習しているわけでなく、遊びながら練習したな。


 縁石などを1本橋に見立ててバランスをとりながら走ってみたり、段差を降りるときにいかに滑らかに降りるようにしたり、スタンディングスティルやホップ(バニーホップではなく)。


 そのどれもが実際のライドに繋がっている。


 マウンテンバイクで山を走ってみると歩くよりも遅いスピードやゼロスピードでバランスをとったり、ゼロスピードからのスタートとかって、結構多いことに気づきます。


 ある程度スピードが出ているときにバランスをとることは難しくはないけれど、ゼロに近いゆっくりスピードでバランスをとることは難しい。だから練習。


 身近な場所での練習は、想像力がものをいいます。


 この場所だったらこんなことできるな、とか。


 想像力を働かせると、1本橋や、ギャップや、低速スラロームや、段差や、いろいろなものが身近な場所で出現します。


 身近な場所で遊んだことが、山でのライドだったり、いろいろな場所やスタイルのライドに繋がるのだ。