常滑市の中心部、小高い丘に点在するレンガ造りの煙突、黒塀の工場や昔ながらの窯場・・・「やきもの散歩道」と名付けられた路地には常滑の魅力が凝縮されており、何処を歩いても絵になる光景が展開されます(^▽^)/。
中でも常滑の町歩きで要チェックの一つが、陶器の廃材を利用した通称「土管坂」。壁の両面を埋め尽くすのは、明治期に生産されていた常滑焼の土管に昭和初期の焼酎瓶!!
その滑らかな手触りが、この先に続く、本来なら敬遠すべき坂道を期待に満ちたものに変えます。
坂道を登りきれば、これもまた私たちが憧れて見たいと思っていた、煉瓦造りの煙突がある風景。
「やきもの散歩道」と名付けられたこの一帯は、昭和初期ごろ最も栄えた窯業集落だったと言います。時代と共に失われて行く運命だったそれらの遺産は、今では常滑を代表する観光地として多くの観光客の心を捉えて離しません。
目に入るすべてに感動し、立ち止まっては振り返りを繰り返す「やきもの散歩道」。そんな二人をさらに感動させてくれるのが、「土管坂」に続く散歩道一番の撮影スポット「でんでん坂」。
「廻船問屋を営む瀧田家では、南の丘から湊に出入りする船の様子を主人に伝えた事から、その丘を「伝の山・・通称でんでん山・と呼び、この坂は「でんでん坂」と名付けられたとされています。」現地案内より
常滑市指定有形文化財「廻船問屋・瀧田家」の塀と並ぶように作られた、静かな一画。流石に一番の撮影スポットと紹介されるだけあって、行きかう人はほぼ全員がこの坂のそこかしこで記念撮影。勿論私たちも(笑)
更に木漏れ日の中で複雑な文様を描き出す足元にも注目! 土管坂では「ケサワ」を敷き詰めた装飾的な坂道も特徴の一つ。「ケサワ」は、土管の焼成時に使用した捨て輪の廃材。これを敷き詰める事で、滑りにくく歩きやすい道になり、しかも!見た目にも非常にお洒落。
ちなみに、滑りにくいと言う最大の特徴を生かしてこんなものも売られていました。 その名も「滑り止めお守り」。「学業成就」「不滑爆笑」「転倒防止」・・ちゃんと御祈祷済だそうで、受験生や・・何故か祖父母へのお土産によく売れるそうです(笑)
坂道ごとにさまざまな表情を見せる「やきもの散歩道」。踏み出す一足ごとに新しい発見があり、忘れ難い感動を与えてくれます。
ちょっと変わった佇まいの坂道は、壁と地面に土管を焼成する時に使われる「パン」を敷き詰めたもの。炎の気まぐれで微妙に色を変えた「パン」は、大理石の壁よりもずっとお洒落で素敵です。
でもってこんな楽しい趣向も(〃∇〃)。この当時にご当地マンホールに興味を持った人がどれくらいいたのか・・おそらく少数派だと思いますが、ご当地マンホール収集家としては満点を上げたい気分。
壁と地面だけで、軽くブログが書けそうな「やきもの散歩道」。思いがけない辻に予想もしなかった「ステキ」との出会い。
縦に横にと・・迷路のような集落の路地。右に上り、左に曲がりと、勝手気ままな町歩き。観光協会には効率よく散策できるマップもあるのですが、なにしろ主導権を握っているのが私ですから、御亭主殿のアドバイスなんて・・いや!一応は聞いているんですよ、一応は。でもいつの間にか足が勝手に横道に(笑)
日本六古窯の一つ、常滑焼の町を代表する景色ともいえる「レンガ造りの煙突」。昭和40年代以降に使われなくなった煙突ですが、この風景はまさしく常滑そのもの。
煙突が有る風景の内側が、たとえギャラリーになっていようが、カフェになっていようが。ふと立ち止まって見上げたくなる景色がある事が、やきもの散歩道の最大の魅力なのです。
途次に見かけた、修理が施されるレンガ造りの煙突。取り壊された工房の傍らには丁寧にシートにくるまれた煙突。常滑焼の町はこの地を愛してきた人々の手によってこうして大切に守られているのですね。
感動と発見の「やきもの散歩道」は~Ⅱ~へ続きます。
訪問日:2011年9月24日
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます