熱海市西山町に鎮座される「来宮(きのみや)神社」。御祭神は『大巳貴命(おおなむちのみこと)・日本武尊・五十猛命(いたけるのみこと)』
由縁に【古くから「来宮大明神」と称し、熱海郷の地主の神であって来宮の地に鎮座し、来福・縁起の神として古くから信仰されています。
奈良・平安期の征夷大将軍『坂上田村麻呂公』は戦の勝利を祈願し、「熱海来宮神社」の御分霊を東北地方を始め、各地を統制して行ったと伝えられます。】
【おおよそ、今から1300年前、和銅三年六月十五日に熱海湾で漁夫が網をおろしていたとき、御木像らしき物がこれに入ったので、不思議に思っていると、童子が現れ「我こそは五十猛命である。この里に波の音の聞こえない七本の楠の洞があるからそこに私を祀りなさい。しからば村人は勿論いり来るものも守護しよう。】そう告げられた村民達が探し当てたのが、この熱海の西山の地と伝えられています。
境内左右より神域を守護されるのはふくよかなお体に、それぞれ仔狛と毬を持つ江戸流れっぽい狛犬さん一対。「大正七年五月」の刻。
日本屈指のパワースポットとして人気の、樹齢2千年以上とされる「天然記念物:大楠」。「長命・願望成就の大楠」といわれ、幹周りは23.9m。全国第二位の太さを誇る巨樹だそうです。
あいにくの雨にもかかわらず、何人もの方が大楠の幹を巡る為の順番待ちをされています。心に願いを秘めながら1周すると願い事が叶う・・・幹を1周廻ると寿命が1年延命する・・ 私たちもそれぞれが心に秘めた願いを強く念じながら、幹を一周。
【古来「来宮神社」は江戸末期まで「木宮明神」と称し、「木宮」の字で古文書等にも記されています。 また伊豆地方に十数カ所ある「キノミヤ神社」には、各社とも必ず千年以上の御神木があることから、「木」に宿る神々をお祀りする神社として崇敬を集め、古来生活文化に欠くことのできない木に感謝する信仰を有しておりました。】(大楠・案内板より)
「心願成就の木」と伝えられる御神木の大楠。伝説にあやかって楠で作られた絵馬。
また、由緒に登場した『坂上田村麻呂公』東征戦勝祈願の絵馬にも「御神木・大楠」が描かれています。全国共通の干支絵馬や縁結びではなく、こうした神社の由緒を語る絵馬は心に残ります。
「大楠」の近くには、京都・伏見稲荷神社からの勧進され「た摂社:来宮稲荷明神」。
まだ新しく見えるこちらの神狐さんは、昭和32年2月初午の建立。左は口に巻物を咥え、宝珠を手の下に。右の神狐さんは口に鍵を咥え、今にも飛び出していきそうな仔狐の首根っこをしっかり押さえつけています。
「母ちゃん、後生だから離してくれよ~!」・・なんて、ちょっぴり情けない声が聞こえてくるような顔(笑)
こちらの神社にも数多くの摂社・末社があったようですが、やはり雨にさえぎられて断念。 そんな中でも、昭和32年、熱海で95歳の天寿をまっとうした『徳富蘇峰(とくとみそほう)』の「鈴香の碑」を外さなかったのは碑マニア(誰がマニアやねん!)としては流石かな(笑)
参拝日:2011年11月11日
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