磐田市城之崎に境内を構える曹洞宗寺院「 風祭山:福王寺(ふくおうじ)」。遠州三十三観音霊場18番札所。御本尊は行基菩薩作と伝えられる重要文化財『聖観世音菩薩』。
朱塗りの総門は3間1戸の薬医門で、寛文年間(1661~1673)に建立されたと伝えられます。 総門の両側には別に柵が立てられており、阿吽のお姿で仁王像が建立されています。
こちらの総門、大正3年に修理が行われたそうですが、もしかしてこの瓦はその時の物? 最初は単純に「鳥」程度の認識だったのですが、よく見ると阿吽を現す「松に鷹」の構図。 阿に相当する鷹は大きく羽を広げて飛翔しようとする形、吽の鷹は枝の間で羽を休めています。
総門をくぐり参道を進んだ先に、慶応4年(1868)に建立された「鐘楼門」。
寺紋は「丸に竜胆(りんどう)車」。竜胆を用いた紋は、源氏にゆかりの深い紋としてよく知られています。
縁起に【福王寺は今から1000有余年前に真言宗高野山の末寺として建立。その後、500有余年前の文安元年(1444)に『天翁義一禅師』を迎え曹洞宗に改宗。爾来法灯連綿として現在に至っている古刹である。】
寺はまた、「遠江四十九薬師霊場客番」の霊場であり、「遠州七福神・福禄寿」の札所としても有名。
本堂の右手には「安倍晴明堂」。扁額には「清明大権現」。堂内には、陰陽師『安倍晴明』像が風神として祀られています。
古文書によると【寺の寺号「風祭山」と称する云われは、開創当時の永観2年(984)に遠州一帯に暴風が来襲した時、たまたま京都から諸国行脚の途次に来遠していた陰陽師『安倍清明』のご祈祷によって、暴風を鎮められ多くの人々の災難を救われたとある。このことによって福王寺の山号を「風祭山」と称し、それ以来、毎年3月8日に風祭りの行事が行われている】
ちょうど逆光でお堂の映りはいま一つですが、桟に施された「晴明桔梗印」はクッキリ! 一般的には「五芒星」の名で知られる「晴明桔梗印」、陰陽道の祈祷呪符としても有名です。
【 来る人も また来る人も 福の神 】睦まじい同祖神の姿に心惹かれて写した一枚。右の地蔵様もその得も言えぬ優しさに思わず手を合わせた一枚。
御詠歌 【かすみはれ みどりのそらも のどけくて はなやきのさき じひのはるかぜ】
参拝日:2016年12月15日
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