阿南市加茂町に鎮座される「お松大権現」。日本一社として、通称「猫神さま」の名で親しまれています。
約330年前の伝承により生まれた「お松大権現」。有馬・鍋島と共に日本三大怪猫伝の1つと云われています。ただ、有馬・鍋島の怪猫伝説は映画やドラマなどで知っていましたが、こちらの「お松大権現」の顛末は今回の参拝を思い立って初めて知りました。
由緒「時は天和~貞享年間(1682~1686)。阿波国那賀郡加茂村は不作続きの年をむかえ、この村の庄屋:惣兵衛は村の窮状を救うため、私有の田地五反を担保に近在の富豪 野上三左衛門よりお金を借り受けていた。返済期限も近づき、丁度通りがかりの三左衛門にお金を返すが、通りがかり故証文を受け取っておらず、庄屋 惣兵衛は間もなく病死する。惣兵衛の死後、その妻お松は幾度となく証文を請求するが渡そうとしない。後にお金は受け取っていないと偽られ、担保の五反地までも横領される。思案の末、奉行所に申し出るが、お松の華麗な容姿に心を寄せ、食指を動かそうとする奉行 越前。お松は奉行の意に応じなかったため、また三左衛門からの袖の下を受け取っていた奉行は非理非道な裁きを下してしまった。お松は権力におもねる悪行に死を決して抗議する。それは直訴であった。 お松さま 貞享3年5月、藩侯の行列をよぎり直訴、その年の3月15日、お松は日頃寵愛の猫 三毛に遺恨を伝え、処刑に殉ずる。その後、三左衛門、奉行の家々に怪猫が現れ怪事異変が続き、両家は断絶している。」公式HPより
由緒に書かれたお松さまの伝承は、資料館に展示された「宮田雅之画伯」の切り絵10点と共に順次説明されています。
犬と違って猫は自分ファーストだと常々思っている私ですが、昔から理不尽な罪で殺される飼い主の恨みを晴らすのは何故か猫。まぁ・・猫飼いなら「ある・ある」の、あの密着度を思えば、魔の物となってでも復讐を果たした三毛の心根は悲しいくらい理解できるし、「よう頑張ったね」と頭を撫でてやりたい。
拝殿扉の切り絵を並べてみると、飼い主の膝近くでおだやかに暮らしていた猫が、理不尽に主を奪われ、魔となって復讐を果たし・・飼い主と共に神となる経緯が端的に表現されていて、感動さえ覚えるほど。何しろ夫婦揃って大の猫好き。化け猫だろうがなんだろうが、主思いの猫に罪は無い!!
今は神として奉られる主と共に、勝負事・願い事の神様として知られ、受験シーズンは合格祈願の参詣者で賑わう「お松大権現」。
境内には約1万体の招き猫が奉納されており、それはもう、実に圧巻の眺め。
が・・・・1万体の招き猫さんで驚いてはいけません。「お松大権現」が「猫神さま」の名で呼ばれる所以は、境内に足を踏み入れた瞬間に納得できるのですが・・・それはまた明日のブログで😊
参拝日:2018年6月19日
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