「坂の町・八尾」のぼんぼりに照らされた美しい夜景は、生涯忘れない
ワクワクする心と、お天気は大丈夫だろうかと不安な気持ちを胸に、越中八尾駅に降り立った。着くと、もう胡弓の音が聞こえてきて、思いと興奮は、いっそう強まった。駅前のトイレには、「風の盆」がイラスト化された案内が。そして、とてもたくさんの屋台やお店が出されていた。もちろん、たくさんの人がいる。
駅前で警備にあたっている警官の方に、「お天気は大丈夫ですかね」と聞くと、「ダメでしょう。さっきも二度ほど降ったので」との冷たい返事が返ってきた。それでも、なんとか天気がもってくれると信じて、八尾の町を、人とお店があふれており、各所で踊り手やボランティアの方による「踊り方教室」が開かれている八尾の町を散策した。
小学校には「演舞場」が設置され、19時からがぽつぽつ降る雨もあり、15分早めて始まった。各町内(支部)が、一支部・約20分近く素敵な伴奏に合わせて踊りを披露してくれる。私も事前にゲットして、広い会場で、その舞台を楽しんだ。
また、各町内には「特設ステージ」が設置されており、加えて「町流し」がある。まさに、八尾の町は、「おわら」にあふれかえっている。
この時期だけは、町外に出ている人も帰ってきるそうだ。そして、町内の人はしっかりと練習を重ねて今日を迎える。屋台や売店は、もの凄い数が出店されている。このに中で目に付いたのが、郵便局の頑張りである。とでこにもかしこにも、まさにショップが開設しており、「風の盆」をデザイン化した切手などを販売している。
心配された雨も、なんとかもってくれて、最も見たかった「町流し」も、猛烈な人の並みの中でなんとか見ることができ感動した。そして、八尾大橋に近くにあるタクシー臨時乗り場に行く途中で、八尾の町を振り返ると、ぼんぼりに坂の町が照らし出されていた。美しかった。「おわら風の盆」に参加した思い出とともに、この美しい景色は生涯忘れないだろう。
そんな思いを胸に、とても好感の持てる青年の運転するタクシーに心も揺られながら、深夜飛騨高山へと急いだ。