映画「おくりびと」の原作本(?)・青木新門著『納棺夫日記』
昨日観た映画「おくりびと」。この映画は、主演の本木雅弘が、「10数年前、ある本を通して納棺の仕事を知った」と語り、映画化を提案したと言われている。ところが、映画のパンフレットには、その本の名前は出てこないし、「原作」は一切書かれていない。
そして今、その本(?)である青木新門著『納棺夫日記』(1993年、桂書房刊)を、図書館で借りて読んでいる。詩人でもある青木氏は、1973年に冠婚葬祭の会社に入っており、青木氏の前に一人で納棺をしていたのが、現オークス・グループ会長の奥野博氏だそうだ(著書「あとがき」より)。
この本の中には、映画に登場したエピソードがたくさん載っている。映画を観て「私も是非ともお世話になりたいとの気持ちになった」と書いたが、この本の中でも、「死者よりも歳を経た老婆が近寄ってきて、『先生様、おらが死んだらあんた様に来てもらういかんものでしょうか』と真剣な顔で言う」とも書かれており、同じような気持ちになるものだなと頷いたりもした。
プロの仕事は、みんな美しい。私はどうだと、少しだけ反省もした。それにしても、映画と本により、「納棺師」という仕事を教えてもらった。深く感謝。