21世紀中年

昭和オヤジのときめき、ひらめき、感激、嘆きを思いのままに書き連ねます

ネットと競馬場、どちらが勝てるのか

2022-08-15 21:13:48 | ヨレヨレ競馬ライフ

 ネットと競馬場・場外とでは、どちらがより当たるのか、ふと気になってしまった。

 一見、たいして差はないと思われがちだが、実はかなり違うのである。何が違うのか。大きな違いは周りに人がいるかいないかだ。それで、何が変わるのかというと、空気である。

 今はどうなのかわからないが、コロナ禍以前、競馬場や場外には、欲にまみれた空気が立ち込め、時に殺気立ってさえいた。周りを見渡すと、壁に向かって新聞を広げながらひたすら集中している孤独なギャンブラー、仲間とああでもない、こうでもないと大声でやりあうグループ、何やらぶつぶつつぶやきながら歩き回り時折声を張り上げる宇宙人、さまざまな人間たちが馬券を当てるというひとつの目標に向かって、実に人間らしい欲望をさらけ出しいた。当然、そんな欲が飛び交う空間には賭場特有の重たい空気が漂っていた。

 ライブでレースを見たり、場外のモニターで中継を見ながら、人々がわめき、叫ぶことで、賭場の空気は一気に膨張し、ゴールとともに一瞬で萎む。そうした一連の流れは、明らかに予想に影響を与える。ひらめきも変わるし、欲望も変化する。買い目を足したり引いたり、100円買うところを1000円買っていたりするわけだ。

 一方、在宅競馬はそういった気持ちの変化はおきにくい。

 テンションがあがるのは、当然、ライブである。それがどう馬券に影響するのか、個人差はあるが、私の場合は、圧倒的にライブの方が当たる確率は高い印象がある。

 その昔、府中でこんな経験をした。オグリによる競馬ブームで、競馬場にカップルや学生が大挙して訪れた頃の話だ。出張ついでに、15年ぶりで府中にやってきた私は、昔と全く違う競馬場の空気にすっかり調子を狂わせた。明るいのである。健全なのである。空気が違ったのだ。忘れもしない1着マックイーンが進路妨害で降着になった秋天の前日の土曜日だった。

 朝方まで飲んでいたが、二日酔いも何のその、勢い込んで、3レースくらいから勝負した。しかし、かすりもしない。帰りの飛行機の時間も迫り、10レースが最後の勝負だった。とことん外しまくり、東京遠征は敗北感に支配されていた。それでも、最後のリベンジを誓って、パドックに向かおうとしたとき、地下馬券売り場という案内板が目に入った。パドックを見て、半地下にあったそこに行ってみた。果たして、そこにあったのは昭和の馬券場の風景だった。カップルも若者もいない。いるのは年季が入った孤独なギャンブラーばかりだった。まさに、タイムスリップした気分だった。これだよ、こうでなくちゃと私は一瞬で失いかけた気合を取り戻した。昭和の馬券場で買った馬券を握りしめ、最後のレースを見届けた。結果は、配当こそ覚えていないが、それまでの負けを余裕で取り返すいい馬券になった。その時確信したのだ、気分次第で馬券は変わると。

 今週は札幌記念だ。ソダシにジャックドール、ああ、競馬場に行きたい。行きたいが、予定が立たない。身内の不幸をでっちあげるか。

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