根岸Sに出走する目下1番人気のフリームファクシである。
昨年12月にダートに転向していきなりOPコールドS1400mで勝利、陣営はこの時点で本気でフェブラリーSでGⅠ制覇を視野に入れたのだろう。そのためには賞金獲得とトライアル根岸Sで権利取りの2本立てでスケジュールを立てた。中1週でLRペテルギウス1800mに出走するも着外、再び中1週でLRすばるS1400mで勝利し、権利を確定するために中2周で根岸Sに出走してきた。GⅠ獲りへの執念が伺えるというものだ。OP馬では今どき珍しいタイトなスケジュールだ。中央競馬では未勝利戦がなくなる秋までに初勝利を目指す3歳馬くらいしかこんな使い方はされない。それでも、陣営は不安を口にしない。GⅠ獲りの自信なのか、意地なのか、根岸Sの走りが証明するはずだ。
もし、ここで勝てば、中2週で本番に出走する。昭和の時代なら珍しくもなんともないが、その過酷さゆえに燃え尽きた馬を何頭も見てきただけに心配になる。以前にも紹介したがダービー馬カツラギハイセイコのライバル、リキアイオーなどはその典型と言える。
12月の2走目はほとんど競馬をしていないという見方をして、大丈夫という専門家もいるが、それは欲目というものだろう。走る馬はたまったものではないはずだ。
期せずして令和の走る労働者となってしまったフリームファクシだが、怪我無くレースを終えることを祈る。