21世紀中年

昭和オヤジのときめき、ひらめき、感激、嘆きを思いのままに書き連ねます

生キャラメルの生みの親が農業賞!

2010-10-27 10:07:00 | 雑記帳
 オホーツクの興部町にあるノースプレインファームが、今年のコープさっぽろの農業大賞を受賞した。心から拍手を送りたい。
これまでも、数々の農業関連の賞を受賞していたが、今回の受賞は遅すぎるくらいだ。

 同社の大黒社長は家業の酪農を継ぎ、やがて法人化、生産、加工、販売まで手掛けるトータルアグリカンパニーを成功させた。これからの農業経営の見本のような人だ。

 何度かお話させていただいたが、オーストラリアへの留学が農業経営における自分のスタイルを決めるきっかけだったという。日本ではどんなに規模を大きくしても、アメリカやオーストラリアにはかないっこない。だから、日本で農業者として生きるためには、生産のみならず、加工、販売まで自分でやるしかない。

 こうした理想を一歩一歩着実に実現していった、かたくなな姿勢には頭が下がる。

 たとえば、全国的に大人気の花畑牧場の生キャラメルだが、そのレシピはノースプレインファームのものである。同社が新しい乳製品の開発に乗り出し、雪印乳業と協力して作ったのが生キャラメルだ。2006年に商品の販売を開始した。

 花畑牧場の田中義剛氏は、大黒社長が酪農大学の先輩でもあったことから、生キャラメルに目を付けた。そして、見事に花畑牧場の顔を全国区に押し上げあげた。ここまでは、義剛氏の経営手腕を評価していいだろう。でも、その後がいけない。大ヒットに有頂天になった花畑牧場が生キャラメルの独占化を目論み、08年に「生キャラメル」の商標登録を申請したのだ。もちろん、申請は却下されたが、なりふり構わぬ経営は、農業者としてはいかがなものか。

 日本の農業は国内競争というより、ライバルは海外である。農業者がスクラムを組まなければならないときに、一人勝ちを目論むようでは、所詮、器が知れている。

 その点、大黒社長は器がでかい。生キャラメルの元祖でありなが、花畑の大ヒットをうらやむことなく、こつこつとわが道歩み続けた。

 5年ほど前になるが、牧場に併設されているレストランをたずねたとき、大黒社長が小さなジャガイモをふかした料理をご馳走してくれた。そのイモは元来、収穫されずに捨てられていた成熟前のイモだった。捨てるのはもったいないので、何とか料理で使えないかといろいろ試しているといっていた。何でも、時間を置くと糖度が増し、食べてもおいしいことがわかったとか。確かにバターを付けただけだが、なんともいえない甘みがあり、おいしかった。

 こんな大黒社長は、実業家である前に農業者なのである。農業賞受賞おめでとう!

 
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