tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

技術開発に注力する日本

2009年11月17日 12時37分50秒 | 科学技術
技術開発に注力する日本
 EUの発表によると、世界の主要企業の研究開発投資はトヨタがトップで1兆円を超え、トップ50社に日本に企業が13社(ホンダ、パナソニック、ソニー、日産など)入ったということのようです。

 円高による失われた10年、その後のサブプライムローン証券化の挙句のリーマンショックと、海外から不況を強いられているような日本経済、そしてその中の日本企業ですが、研究開発については、本当によくがんばっていると思います。

 ここまで頑張っているのも、これからの日本の生きる道は技術開発以外にないということが日本企業には解りすぎるほど解っているからでしょう。
 折しも、今世界は、地球環境問題に直面し、同時に、少し長期的に見れば、化石燃料の供給問題に直面する可能性が大という状況です。

 いずれにしても、化石燃料からの脱却は、これから数十年の間には本格化する問題で、それが遅くなればなるほど、資源争奪の国際紛争などの激化につながる可能性も高いように思います。

 かつて西欧世界は、資源確保による豊かさの実現のために版図の拡大や植民地の獲得に狂奔しました。
 最も遅れてその真似をしようとした日本は大失態を演じましたが、しかし何が幸せをもたらすかわかりません。戦後の日本は、図らずも、版図の拡大や植民地獲得をしなくても、国民が真面目に努力すれば、その国の経済はいくらでも発展するということを世界に実証 して見せることになりました。

 経済は誰が作るものでもなく、その国の国民の活動が作り出すものです。その国の経済がよくなるかどうかは、国民の経済活動が適切に行われたかどうかの結果でしょう。

 日本の主要企業が、厳しい不況の中でも、研究開発投資により多くの原資を割いて、積極的な努力を続けていることの裏には、戦後の原体験があるのではないでしょうか。

 核になるのは、発電の脱化石燃料化、電気の貯蔵、そして省エネ技術開発などでしょう。こうした技術は、さまざまな基礎から応用までの多分野の多様な技術で支えられています。こうした多くの分野で日本が世界に先行することができれば、日本は世界に必要とされる国であり続けることが出来るでしょう。