付加価値で読む経済分析 (4 経済成長と労使関係)
企業経営も一国経済も成長を求めて活動していることには変わりありません。この一番大事な「成長」に直接アプローチできるのは付加価値分析です。前回に続きその点をさらに具体的に見てみましょう。
利益計算のための財務諸表のアプローチ、全体の関係が見えにくい多くの経済理論では、企業や経済の成長の原因が直接把握できませんからビジネスサイクルなどという運命論か迷信のようなものが発生したりするのでしょう。
付加価値分析をすれば、成長の原因と結果が直接つながって見えますから、好況・不況の原因も良く見え、対策もはっきりして来るように思います。
結論から先に言うと、経験上も、統計的にも、また理論的にもそうですがある年の分配の在り方は、それ以降の企業業績や経済の成長に直接影響します、。
成長と分配には明瞭な関係にあって、もっとも単純に基本的な事だけ言えば、
「高成長 と 低労働分配率」 は互いに因果関係があり
「低成長 と 高労働分配率」 は互いに因果関係がある、ということです。
そして、この関係を「労使双方」つまり、国民がよく理解していて、労使の分配を誤らないように配慮できる企業・国のパーフォーマンスは良く(健全で)、労使がより多くの分配を勝ち取りたいと、力ずくで相争う企業・国は、早晩うまくいかなくなるのが普通です。
具体的な例を見れば、今年の日本の春闘のように、円安で利益が出てもそれは「一時的なものだから、ボーナスで結構です。」賃上げはそれが経済成長に結び付き、成長という成果が出てから労使で考えましょう、すぐに理解して労使の話が付く国と、国も政府も企業も赤字なのに、平気で賃上げを要求し、聞き入れないとデモや暴動、政府を変えろと言って争う国の違いです。
国が経営者の代わりをやって、労働分配率を低く抑えている国も、逆の意味(国民・従業員の不満)で失敗に向かっている国でしょう。
適正労働分配率という概念は、通常の経済理論にはありません。労働経済学の専門分野ということになっています。最近は、近代経済学の先生でも、労働経済を取り入れる先生も増えていて、労働分配率や賃金決定論を研究される経済学者も多くなっていますが、大変良いことだと思っています。
労使の分配と企業経済の成長の関係は、現実にはもう少し複雑で、そこには「労働生産性と賃金決定」という概念が入ってきます。次回は「生産性」を取り上げましょう。
企業経営も一国経済も成長を求めて活動していることには変わりありません。この一番大事な「成長」に直接アプローチできるのは付加価値分析です。前回に続きその点をさらに具体的に見てみましょう。
利益計算のための財務諸表のアプローチ、全体の関係が見えにくい多くの経済理論では、企業や経済の成長の原因が直接把握できませんからビジネスサイクルなどという運命論か迷信のようなものが発生したりするのでしょう。
付加価値分析をすれば、成長の原因と結果が直接つながって見えますから、好況・不況の原因も良く見え、対策もはっきりして来るように思います。
結論から先に言うと、経験上も、統計的にも、また理論的にもそうですがある年の分配の在り方は、それ以降の企業業績や経済の成長に直接影響します、。
成長と分配には明瞭な関係にあって、もっとも単純に基本的な事だけ言えば、
「高成長 と 低労働分配率」 は互いに因果関係があり
「低成長 と 高労働分配率」 は互いに因果関係がある、ということです。
そして、この関係を「労使双方」つまり、国民がよく理解していて、労使の分配を誤らないように配慮できる企業・国のパーフォーマンスは良く(健全で)、労使がより多くの分配を勝ち取りたいと、力ずくで相争う企業・国は、早晩うまくいかなくなるのが普通です。
具体的な例を見れば、今年の日本の春闘のように、円安で利益が出てもそれは「一時的なものだから、ボーナスで結構です。」賃上げはそれが経済成長に結び付き、成長という成果が出てから労使で考えましょう、すぐに理解して労使の話が付く国と、国も政府も企業も赤字なのに、平気で賃上げを要求し、聞き入れないとデモや暴動、政府を変えろと言って争う国の違いです。
国が経営者の代わりをやって、労働分配率を低く抑えている国も、逆の意味(国民・従業員の不満)で失敗に向かっている国でしょう。
適正労働分配率という概念は、通常の経済理論にはありません。労働経済学の専門分野ということになっています。最近は、近代経済学の先生でも、労働経済を取り入れる先生も増えていて、労働分配率や賃金決定論を研究される経済学者も多くなっていますが、大変良いことだと思っています。
労使の分配と企業経済の成長の関係は、現実にはもう少し複雑で、そこには「労働生産性と賃金決定」という概念が入ってきます。次回は「生産性」を取り上げましょう。