tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日銀政策決定会合と円高

2013年08月09日 14時09分31秒 | 経済
日銀政策決定会合と円高
 このところ日本経済に嫌なムードが漂っています。何となくじりじりと円高になっているからでしょう。 
 円高になって、最も早く反応するのは、株価です。そして、株価は、ビジネスマンの心理に大きな影響を与えるようです。

 折角$1=¥100がらみになって、街角の景気観も明るさを増してきたのに20円の円安が15円になってしまった。4分の1戻しだ、これでまた何かあって、さらに円高が進んだらたまらないな、といった感じでしょうか。

 円高の原因は、日銀政策決定会合(8月8日)という報道が多いようです。それも中身の問題ではなく、「政策据え置き」という言葉を捉えて、円高演出の口実にしているような投機筋の行動の説明が一般的なようです。

 投機筋というのは、短期的に相場の変動が大きいほど、ビジネスチャンスが大きいわけで、常に何か口実にするものはないかと探しているわけですから、長期的に見れば問題ないにしても、出来るだけ円高の口実にならないように、行動や発言をするというのは、それなりに大事なことのように思われます。
 「アメリカやヨーロッパが超金融緩和を続ける限り、日本も徹底した金融緩和を続けますから」ぐらいの「言い回し」があれば、事態はかなり違っていたでしょう。

 半分冗談で言えば、日銀総裁や政策委員の方々は、皆さん経済や金融の専門家でしょうけれども、投機やギャンブルの専門家ではないのでしょうから、そこまで気が回らないのかもしれませんが、現実の経営の場で、多くの企業は、日銀の発言、円の行方に相当な注意を払っていることに間違いはありません。
 
 特に、現状、日本経済は内外に多事多端で、企業行動は、国際政治環境から経済環境まで、特に円レートの行く末には、日本経済から個々の企業経営まで大きく影響されるという極めてタッチ―な時期にああります。

 表面は黙っていても、時に出て来る、「円高誘導は怪しからん」という本音 は、殆どの外国が持っているはずで、そうした中での円高は、政策当局自身は中、長期的は間違いなく「円安傾向にすると考えていても、現実に円高反転が起きてみれば、企業にとっては不安(疑心暗鬼)材料になるようです。

 今、日本経済が明るいのは、そのほとんどは、20円の円安 に負っているのが現状ですから、通貨当局は、間違っても円高にしないことを最大の使命として行動して頂くのが良いのではないかと思う所です。