tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本の自信回復に期待する

2013年08月07日 20時46分35秒 | 経済
日本の自信回復に期待する
 先週来、多くの主要上場企業の2013年度4~6月の四半期決算報告が発表されていますが、円レート正常化の効果は大きく、予想通り(予想以上)の好業績の所が多いようです。
 マスコミの「トヨタ、リーマン以前を回復」などという見出しを始め、好業績を報告する記事内容が、経済全体の雰囲気を明るくしていることは明らかでしょう。
 
 株価は投機筋の思惑で乱高下していますが、水準そのものは一年前とは大違いです。
 此の大幅増益基調は、このブログでも繰り返し指摘していますように、円高によって失われていた日本企業の上げるべき業績が、円レートの正常化の実現で現実の数字となって現れたという事でしょう。

 かつて、「プラザ合意なかりせばの日本経済」 の簡易な推計をさせていただきましたが、円高で失われていた国富が、本来のあるべき形で日本企業、日本経済に帰属することになれば、これだけ変わるのだという現実を、改めて見せてくれたわけです。

 であってみれば、この好業績が日本企業、日本経済の実力だと考えて頂いて良いと思います。長い間の強いられた円高デフレで自信喪失と萎縮を繰り返していた日本経済、日本人が、漸く自らの実力の顕在化を実感することになったのです。
 日本経済も、日本企業も、企業労使も、日本社会も、勤勉に頑張ることで得られる本来の成果を改めて認識すべきではないでしょうか。

 もちろん順風満帆というわけではありません。円レートの正常化に対して、「円安誘導は怪しからん」という筋違いの意見もあります。容易に出口の発見できないアメリカの超金融緩和の行く方の不安定もあります。ドイツの援助と金融緩和で弥縫策から抜けられないユーロ加盟国の問題未解決という実態もあります。高成長のひずみ対策に追われる中国経済の不安もあります。日本に多くの難題を押し付けてくるであろうTPPの先行きも予断を許しません。

 しかし、「何かあったらさし当たって円高にしておけば・・・」という今までの国際投機筋の慣行を阻止する限りにおいて、日本経済は健全であり続けられるでしょうし、政府・日銀は、それこそが「日本を防衛する事」と心得、余計なことを考えずに円高阻止にあらゆる策を講じるべきでしょう。

 その努力も含めて、恐らくこれから、日本人、日本企業、日本経済が自信を取り戻す時期に入ると思われます。長かった失われた20年の悪夢を払拭し、改めて自信を持って、日本経済の正常な発展、それによる世界経済への貢献を目指し、確実に前進する日本経済、そして日本のあるべき姿を取り戻すことが十分期待できるのではないでしょうか。