世界の安定と発展には多様性の尊重が必要では
生物多様性の尊重という考え方は定着して来ていると思います。野生動物の絶滅危惧種なども指定され、レッドデータブックも良く目に触れます。
他方で外来種が入ることを警戒する動きも強いですが、これも外来種の繁殖力が強く、本来の生物多様性が失われる恐れからという事しょう。
なぜ生物多様性が重視されるのかと問えば、生物多様性が豊かに保持されているような状態が、人間にとっても良い環境だからという答えが返ってきます。
日本人は、その国土づくりの中で、生物多様性を促進するような知恵を多く発揮してきました。典型的な例を挙げれば、「里山」でしょう。
人間がこうした考え方を基本的に持っているとすれば、人間が地球上の各地で作り上げてきた「文化」についても、その多様性の保持が大切だという考え方があって当然でしょう。
例えば日本では各地の伝統文化の継承が強く意識されていますし、標準語は標準語として、方言を大事にしましょうといった動きも盛んです。
こうした動きを敷衍していけば、日本的経営といった分野についても、その良さを生かして経営活動のあり方の1つの分野として大事にしていくという考え方があって当然でしょう。
アメリカには戦後日本が一生懸命勉強したアメリカの経営学があります。ドイツには労使共同決定をベースにしたドイツ経営学があります。
アメリカ経営学を学んだ日本はそれを取り入れながら日本的経営を磨き、嘗ては世界に冠たる日本的経営を作り上げました。
ILOやOECDが、経営参加問題を国際的な研究課題とした際も、法律によらず、労使の自主的な取り組みで実績を上げる人間主体の日本方式は注目の的でした。
所が今、経済・経営の世界は、そうした多様性を消し去り、すべて同じスタンダードで、世界を一色に塗りつぶすような方向に動いているのではないでしょうか。
TPPについても、例外なき均質化といった目標を掲げるアメリカの意向が強く反映されている様な印象を強く受けます。
金融の世界はすでに「付加価値を創る金融活動」から「マネーの移動を経済活動の中心に置く金融活動」にそのスタンダードを置き換えているようですが、それがもたらしているのは、今日世界が当面する「世界経済の不安定化」に外なりません。
生物多様性が、人間を含む生物の世界の安定を確保する最善の方法であるならば、人類の文化においても、経営や経済の手法についても、多様な文化やシステムの共存を認め、多様性の共存の中から、その切磋琢磨による新たな進歩を模索、実現することが、人類の安定的な生存と発展を実現するために役立つ基本的な思考方法、そして望ましい在り方になるのではないでしょうか。
そのためにも、人類は等しく独善を排し、共通点と同時に相違点も認め合い、多様性を尊重して、寛容で、快適な共存を可能にするような考え方を一層重視しなければならないと、このところのお互いを否定し合って争う状況を見るにつけ思う所です。
生物多様性の尊重という考え方は定着して来ていると思います。野生動物の絶滅危惧種なども指定され、レッドデータブックも良く目に触れます。
他方で外来種が入ることを警戒する動きも強いですが、これも外来種の繁殖力が強く、本来の生物多様性が失われる恐れからという事しょう。
なぜ生物多様性が重視されるのかと問えば、生物多様性が豊かに保持されているような状態が、人間にとっても良い環境だからという答えが返ってきます。
日本人は、その国土づくりの中で、生物多様性を促進するような知恵を多く発揮してきました。典型的な例を挙げれば、「里山」でしょう。
人間がこうした考え方を基本的に持っているとすれば、人間が地球上の各地で作り上げてきた「文化」についても、その多様性の保持が大切だという考え方があって当然でしょう。
例えば日本では各地の伝統文化の継承が強く意識されていますし、標準語は標準語として、方言を大事にしましょうといった動きも盛んです。
こうした動きを敷衍していけば、日本的経営といった分野についても、その良さを生かして経営活動のあり方の1つの分野として大事にしていくという考え方があって当然でしょう。
アメリカには戦後日本が一生懸命勉強したアメリカの経営学があります。ドイツには労使共同決定をベースにしたドイツ経営学があります。
アメリカ経営学を学んだ日本はそれを取り入れながら日本的経営を磨き、嘗ては世界に冠たる日本的経営を作り上げました。
ILOやOECDが、経営参加問題を国際的な研究課題とした際も、法律によらず、労使の自主的な取り組みで実績を上げる人間主体の日本方式は注目の的でした。
所が今、経済・経営の世界は、そうした多様性を消し去り、すべて同じスタンダードで、世界を一色に塗りつぶすような方向に動いているのではないでしょうか。
TPPについても、例外なき均質化といった目標を掲げるアメリカの意向が強く反映されている様な印象を強く受けます。
金融の世界はすでに「付加価値を創る金融活動」から「マネーの移動を経済活動の中心に置く金融活動」にそのスタンダードを置き換えているようですが、それがもたらしているのは、今日世界が当面する「世界経済の不安定化」に外なりません。
生物多様性が、人間を含む生物の世界の安定を確保する最善の方法であるならば、人類の文化においても、経営や経済の手法についても、多様な文化やシステムの共存を認め、多様性の共存の中から、その切磋琢磨による新たな進歩を模索、実現することが、人類の安定的な生存と発展を実現するために役立つ基本的な思考方法、そして望ましい在り方になるのではないでしょうか。
そのためにも、人類は等しく独善を排し、共通点と同時に相違点も認め合い、多様性を尊重して、寛容で、快適な共存を可能にするような考え方を一層重視しなければならないと、このところのお互いを否定し合って争う状況を見るにつけ思う所です。