これから伸びる日本経済:6、労使の信頼関係
中国は何年か前、最低賃金の大幅引き上げをやりました。インドネシアも今年は止めたようですが、30パーセントもの最低賃金の引き上げをやりました。
最低賃金を引き上げれば一般の賃金も当然影響を受けて上がります。しかしそういった国の生産性が1年に何十パーセントも上がることはありません。結果はコスト高です。
もともとが低賃金だからいいのではないかという意見もありましょう。格差解消のために必要という意見もあります。
然し、新興国の生産性はそんなに高くありません。低賃金という武器で国際競争力を支えていくのです。
ですから結果は、国際企業中心に工場は新たな低賃金を求めて、バングラデシュ、ミャンマーといった国々に移転していきます。
こうした基本構造は先進国でも同じことです。アメリカが国際収支の万年赤字国である理由は、アメリカの多くの工業製品(典型的には自動車)が米国内で作っても品質や付加価値生産性の割にコストが高すぎペイしない(外国では売れない)といった事情によるものでしょう。
アメリカはそれを何とか回避しようとプラザ合意で日本に円切り上げを求め、切り上げてコスト高・物価高になった日本は20年苦労しました。
中国は人民元切り上げ要求には応じず、国内の賃金引き上げを選びました。
いずれにしても、その国の、生産性(国民経済生産性)水準と賃金水準のバランスが、基本的にその国の経済の在り方を決めることになります。経済はグローバルな競争時代に入っているのです。ユーロ問題も、その基本はかつて指摘した通りです。
そして日本の場合、日本の労使は、そのこと(生産性と賃金の関係)を確りと理解しています。これこそが日本の最大の強みです。
プラザ合意やリーマンショックのような形で、日本のコストを「日本の労使交渉でなく」為替レートの変更・円高という形で外国に(国際投機資本に)決められる様な事さえしなければ、日本経済、日本人・日本の労使は、自分の手で国際競争力を落とし、失い、経済成長の形を保てなくなるような失敗はおそらくしないでしょう。
日本人の、真摯に考え、真面目に行動するという特性と戦後の労使関係の中でも特筆すべき、二度にわたるオイルショックの経験からの学習が、労使の信頼関係の大切さの認識とそれに支えられた労使の合理的な行動を支えているのです。
来春闘でも日本の労使は、多分大きな失敗はしないでしょう。これが日本経済がこれから伸びると確信する最大の要因です。
中国は何年か前、最低賃金の大幅引き上げをやりました。インドネシアも今年は止めたようですが、30パーセントもの最低賃金の引き上げをやりました。
最低賃金を引き上げれば一般の賃金も当然影響を受けて上がります。しかしそういった国の生産性が1年に何十パーセントも上がることはありません。結果はコスト高です。
もともとが低賃金だからいいのではないかという意見もありましょう。格差解消のために必要という意見もあります。
然し、新興国の生産性はそんなに高くありません。低賃金という武器で国際競争力を支えていくのです。
ですから結果は、国際企業中心に工場は新たな低賃金を求めて、バングラデシュ、ミャンマーといった国々に移転していきます。
こうした基本構造は先進国でも同じことです。アメリカが国際収支の万年赤字国である理由は、アメリカの多くの工業製品(典型的には自動車)が米国内で作っても品質や付加価値生産性の割にコストが高すぎペイしない(外国では売れない)といった事情によるものでしょう。
アメリカはそれを何とか回避しようとプラザ合意で日本に円切り上げを求め、切り上げてコスト高・物価高になった日本は20年苦労しました。
中国は人民元切り上げ要求には応じず、国内の賃金引き上げを選びました。
いずれにしても、その国の、生産性(国民経済生産性)水準と賃金水準のバランスが、基本的にその国の経済の在り方を決めることになります。経済はグローバルな競争時代に入っているのです。ユーロ問題も、その基本はかつて指摘した通りです。
そして日本の場合、日本の労使は、そのこと(生産性と賃金の関係)を確りと理解しています。これこそが日本の最大の強みです。
プラザ合意やリーマンショックのような形で、日本のコストを「日本の労使交渉でなく」為替レートの変更・円高という形で外国に(国際投機資本に)決められる様な事さえしなければ、日本経済、日本人・日本の労使は、自分の手で国際競争力を落とし、失い、経済成長の形を保てなくなるような失敗はおそらくしないでしょう。
日本人の、真摯に考え、真面目に行動するという特性と戦後の労使関係の中でも特筆すべき、二度にわたるオイルショックの経験からの学習が、労使の信頼関係の大切さの認識とそれに支えられた労使の合理的な行動を支えているのです。
来春闘でも日本の労使は、多分大きな失敗はしないでしょう。これが日本経済がこれから伸びると確信する最大の要因です。