tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

これから伸びる日本経済:1、揃い始めた条件

2013年12月03日 15時39分05秒 | 経済
これから伸びる日本経済:1、揃い始めた条件
 長すぎた日本経済の不振の時代がいよいよ終わりの時期を迎えるのでしょうか、そのための条件が次第に整ってきたように感じられます。

 過去を振り返れば、2002年がそんな感じに近い年だったのかと思います。2002年は「いざなぎ越え」といわれた微弱な景気回復の始点になった年です。

 それまでの日本経済は、プラザ合意による円の2倍の切り上げで、世界一の物価高と、その世界価格への鞘寄せのプロセスであるデフレ、それに強いられるコストの削減に呻吟し、典型的に言えば、企業は減収・減益から減収・増益に切り替えるような血の出るコストカットに耐えて、日本の物価水準を世界水準に近付けるプロセスでした。

 その2年前、2000年にそのチャンスをつかみかけた日本経済は折悪しくアジア金融危機に直面して2年間低迷、あらためて2002年、経済を前向きの活動に転換しようと動き始めたというのが、日本の主要企業の行動から見てとれるところです。

 その後6年間、サブプライム・リーマンショックまでの期間、まだデフレからの完全脱却には至りませんでしたが、物価が下がる中でも日本経済は前向きに動き出し、当時の政府やマスコミに言わせれば、「史上最長の景気上昇」とか何とか言われる時期でした。

 この時期、まさにギリギリのところで日本経済は経済成長の出来る形 を取り戻したわけで、私はこれが続けば、日本経済は次第に本来の姿を取り戻すと考えていました。
 この動きの前提は$1=¥120という為替レートでした。日本経済はハンディ12で何とかコンペで仲間に対抗できる状態なってきたのです。

 その日本経済に再び壊滅的打撃を与えたのがリーマンショックによる$1=¥90という円切り上げでした。さらにEU問題で$1=¥80、それを割り込みそうな状況でした。
 ハンディ12でやっとです。シングルの9や8では戦えません。再びブービーかブービーメーカーに堕ちた日本経済でした。

 これを救ったのが今春の20円の円安 、$1=¥100の実現です。このところの日本経済の動きをもっとも単純に言えば、このようになるのでしょう。いろいろな有識者が指摘する他の諸原因はこれに比べれば小さなものです。

 「もう円レートは$1=¥100を割り込まない」という条件が成立すれば、これで日本経済は立ち直りのきっかけを掴んだのです。
 高齢化、財政赤字、消費税、自然災害・・・・、いろいろな問題はあるでしょう。しかし為替レートの変更で、突如として日本の物価とコストが同時に何割も高くなるようなことがない限り、こうした問題には、日本経済、日本の経済主体、日本人は十分対抗できる能力を持っていると思います。

 すでに日本の企業は、成長する形を作りつつあります。それはその動きの総合計である日本経済についても同じです。
 あとは日本人の知恵と努力と頑張りで、十分乗り切れるでしょう。これが、今後の日本経済について私が楽観的になれる理由です。皆さんはいかがでしょうか。