消費者物価の基調は上昇傾向
現実の消費者物価の動きはどうなのでしょうか。総務省の消費者物価指数の最新時点、2015年8月の数字を見てみましょう。
消費者物価全体を示す「総合指数」を見ますと、8月は前月7月に比べて0.2パーセントのプラスで、前年同月に比べても0.2パーセントのプラスです。つまり1年前と比べて物価はほとんど上がっていないということになります。
それでもマイナスでなく、プラスであることは明らかですが、この「総合指数」から、その時々で値動きの大きい生鮮食料品、野菜や果物魚介類などを除いた「生鮮食品を除く総合」いわゆる「コア指数」を見ますと、前月比0.0パーセント、前年同月比マイナス0.1パーセントということになり、物価が多少上がったのは天候が不順で生鮮食料品が上がったからということになります。
このコア指数を重視すれば、物価はいまだにマイナス基調という見方になるでしょう。一方、このところのマスコミの報道も、野菜が高値、イワシは高級魚、最近では今年サンマの値段は去年の倍近い、などということで、こういう特殊事情は基調的インフレとは別かなという気にもなります。
さらに、「コアコア指数」というのがあります。これは「食糧(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合」ということで、生鮮食品だけでなく、パンや菓子、乳製品などと、石油やLNG などの国際価格に左右されるエネルギー価格除いたものになります。
この指数を見ますと対前月比で.03パーセント、前年同月比で0.8パーセントのプラスです。
このところ国際資源価格は下落傾向で、電気・ガス料金、ガソリンなどは下がっていますから、そうした国際商品価格の影響を除外した国内の物価動向を表すこの指数は明らかに上昇です。
輸入原材料などの価格は世界に同じように影響するものですから、日本経済自体のインフレ度を測るときは除いたほうが適切でしょう。そうすると日本は、すでに弱いながらインフレ傾向ということになります。
国際資源価格はいつまた上がるかもわかりませんから、一般の「生活者」は、忍び寄るインフレに気を付けるべきでしょう。安易にもっと物価を上げて景気をよくしようなどという言説に乗るのは危険のようです。
次回はもう少し細かく物価の構成要素の動きを見て、現状判断の一助にと思っています。
現実の消費者物価の動きはどうなのでしょうか。総務省の消費者物価指数の最新時点、2015年8月の数字を見てみましょう。
消費者物価全体を示す「総合指数」を見ますと、8月は前月7月に比べて0.2パーセントのプラスで、前年同月に比べても0.2パーセントのプラスです。つまり1年前と比べて物価はほとんど上がっていないということになります。
それでもマイナスでなく、プラスであることは明らかですが、この「総合指数」から、その時々で値動きの大きい生鮮食料品、野菜や果物魚介類などを除いた「生鮮食品を除く総合」いわゆる「コア指数」を見ますと、前月比0.0パーセント、前年同月比マイナス0.1パーセントということになり、物価が多少上がったのは天候が不順で生鮮食料品が上がったからということになります。
このコア指数を重視すれば、物価はいまだにマイナス基調という見方になるでしょう。一方、このところのマスコミの報道も、野菜が高値、イワシは高級魚、最近では今年サンマの値段は去年の倍近い、などということで、こういう特殊事情は基調的インフレとは別かなという気にもなります。
さらに、「コアコア指数」というのがあります。これは「食糧(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合」ということで、生鮮食品だけでなく、パンや菓子、乳製品などと、石油やLNG などの国際価格に左右されるエネルギー価格除いたものになります。
この指数を見ますと対前月比で.03パーセント、前年同月比で0.8パーセントのプラスです。
このところ国際資源価格は下落傾向で、電気・ガス料金、ガソリンなどは下がっていますから、そうした国際商品価格の影響を除外した国内の物価動向を表すこの指数は明らかに上昇です。
輸入原材料などの価格は世界に同じように影響するものですから、日本経済自体のインフレ度を測るときは除いたほうが適切でしょう。そうすると日本は、すでに弱いながらインフレ傾向ということになります。
国際資源価格はいつまた上がるかもわかりませんから、一般の「生活者」は、忍び寄るインフレに気を付けるべきでしょう。安易にもっと物価を上げて景気をよくしようなどという言説に乗るのは危険のようです。
次回はもう少し細かく物価の構成要素の動きを見て、現状判断の一助にと思っています。