tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

消費者物価指数もよく見れば実感通り

2015年10月16日 09時21分50秒 | 政治
消費者物価指数もよく見れば実感通り
 2015年8月の消費者物価指数で、前年同月に比べて、一番高くなっているのは何でしょうか。

 財(モノとサービスに分けた場合のモノ)の価格の中では「農水畜産物」で1年前から(前年同期比)4.8パーセント上がっています。
 その中でも「生鮮食品」が6.4パーセントの上昇です。特徴的なのはコメの価格の下落です。コメ類は前年同期比で9.3パーセント下がっています。
 両方とも実感ではないでしょうか。因みに財全体は前年同期比マイナス0.1です。

 サービスの部分では異常に上昇しているのは「公共サービス」の中の教育関連サービス(公私立学校授業料、補習教育費用など)で13.1パーセント。サービス全体では前年同期比0.5パーセントの中で異常です。
 サービスの価格というのはほとんどが人件費ですから、政府が賃上げを奨励すると、結果的にはそれに比例して上昇することになります。このところの低い賃上げ率の結果の0.5パーセントですが、なぜか授業料などの上昇は突出しています。

 ところで、生鮮食品などの価格は、不作の時は急騰し、豊作になると下がりますが、景気が良ければ、下がり方のほうが少なく、じりじり上がるというのが過去の経験です。
 
 こうした動きは、生鮮食料品以外の食料品の価格動向などにも関係があるようです。
 8月の「食料工業製品」つまり加工食品の価格は、前年同期比2パーセントの上昇で、政府の物価目標と同じです。今後も値下がりすることはなさそうです。
 パンなども値上がり、ケーキは値段は同じで、すこし小さくなったという人もいます。
 加工食品の値上がりも実感通りでしょう。

 繊維製品も平均で1.9パーセントの上昇です。家庭用耐久財も2.0パーセントの上昇、テレビは8.7パーセントの上昇、海外からのお客さんが多いからでしょうか宿泊料も4.5パーセントの上昇、外国パック旅行だけはマイナス2.2パーセントと下がっています。

 一方、下がっているのは国際的資源安の影響でエネルギー関連、空き室増加の民営家賃などで、民営サービスも家賃以外は僅かながらプラスというのが現状ですが、資源価格のほうは、新興国の動き次第で、いつまたどうなるかわかりません。

 日常生活中心に考えれば、今後はインフレをいかに小さくとどめ、折角の賃上げが物価昇で目減りしないような政策のほうが望ましい状況に入りつつあるように思われます。