tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日中韓サミットの再開を世界の安定に

2024年05月28日 15時06分20秒 | 経済

日中韓サミットが4年半ぶりに開かれました。最大の賛意を持って今後の継続と発展を願うところです。
この三国が、相互理解を促進し、国際政治面でも経済関係でも、文化社会の交流においても、望ましい信頼関係を作り上げたとき、今のささくれ立った世界の諸情勢の安定化に大きな役割を果すことになると考えるからです。
今の国際社会の混乱は、国連、その関連機関の努力をもってしても人類社会のガバナンスの実現は見通せないような深刻なものになっています。
具体的に言えば、プーチンやネタニヤフに典型的に見られるように、最近多くの国で、独裁的な指導者が見られます。長期政権の中で独裁者に変質するリーダー、政権に不満を持つ国民があえて独裁的なリーダーを選択する場合など、第二次大戦を知らない世代がほとんどになったせいでしょうか。これは人類社会にとって恐ろしい事です。
このブログでは、独裁的なリーダーは、多くの場合、人類社会にとってトラブルメーカーになると指摘していますが、それが現実になりつつあるようです。
そうした中で、長い歴史の中で、協調や協力、戦争や反目を繰り返し経験しながら葛藤の歴史を歩んで来た日中韓の三国が、信頼関係を築き、友好と協力による発展の道を踏み出したという動きは、これからの世界の注目すべきロールモデルになるのではないでしょうか。
来年は日本が議長国ということになっているようですが、日本は、アジアは勿論世界の貢献できるチャンスとして出来得る限りの努力で取り組むべきでしょう。
そのために十分理解しておかなければならない事は、有史以来の三国の関係、中でも、日本がその発展過程において、如何に中国、韓国から受け入れてきたものが多いかという事ではないでしょうか。
韓国は、今はハングルですが、もともとは漢字の国で、日本文化の源流には中国から、また韓国経由で入って来たものは、漢字、仏教、織物、陶磁器、諺、食文化などなど無数です。
戦後は日本から、スポーツ、音楽、芸能から、幅広い科学技術まで、日本発が中国、韓国で役立っている事もあるでしょう。
こうした相互交流により互いに裨益しあう状態というのは 相互の友好関係、相互に尊敬しあう環境の中で促進されることは明らかで、中国との関係は鄧小平さんの時代に大きく進みましたし、韓国とは残念ながらユン大統領以前は些か疎遠でした。しかし芸能など若者の世界やツーリズムでは一層の草の根交流が進んでいるようです。
ただ大きく懸念されているのは米中関係の狭間にある日本政府の立場でしょう。しかし古くは中国から先進文化を輸入し、戦後はアメリカから最新の文明を学んだ日本です。
両国の優れた点は勿論、互いに牽制しあう問題点も熟知している日本です。
そして日本はついこの間まで米中に続く第3の経済大国でした。円高次第で返り咲く可能性も無きにしも非ずです。
日本はその立場と歴史的交流の経験を駆使し、韓国とともに米中両国に、米中二国が友好の中で競い合う状態が世界にとっても米中両国にとっても、特に世界のリーダーの立場にあるアメリカにとって最善の道である事を徹底して説くべきでしょう。
日中韓三国が先んじてそうした関係を築くことが、アメリカが世界情勢を判断するうえでも極めて重要になるのではないでしょうか。