4年470クルーの水石です。先週末に行われました関東470についてご報告致します。
各艇の成績(全90艇/2フリート)
4579 西坂・天木 30-25-18-15-(RET)-25 計113点 51位
4452 小野・水石 1-19-(BFD)-29-23-27 計99点 41位
4357 塚本・斉藤 (26)-18-24-24-24-20 計110点 48位
4301 松前・大橋 (DNF)-39-DNF-34-DNF-DNF 計214点 84位
公式リザルト http://docs.wixstatic.com/ugd/e6d926_2836150a0d9f49728cb715668d407dcb.pdf
秋に向けてペアを模索中で、春インから配艇を少し変えたのですが、全日本470の女子枠を狙うため私は3年小野と女子ペアで出場しました。
1日目。インデッキからハーフトラの南風。第1、第2レースはスタートをうまく出ることができました。強い上げ潮でしたが前のフリートがゼネリコを繰り返すのを見て様子を掴めていたこと、潮で本部船が横を向いているのに惑わされずに自分たちの位置を把握できたことが良かったと思います。
第1レースは上3艇目でスタートして右海面を使いました。小さく振れていたので合わせすぎないように大きい振れを待つ、しっかりブローに入ることを意識して(というかいつもそのつもりなのですけど今回はそれが上手くできて)、1上1位で回航しました。前半は反対海面が伸びているように見えましたが右奥のブローで前に出ることができました。先週同じくらいの風で練習していたこと、レース前に小松さんにセールを見ていただいていたことも良かったと思います。「そんなことあります?笑」とか言いながら1マークを回り、(インナーループだったので先にランニングです)後ろをカバーしながら下マークへ。「キープしちゃったじゃないですか、、」と言いつつ左のマークを回り、周期の中で風軸が右にあったので左に伸ばしました。後ろの2、3艇は右に向かっていましたが、スピン艇団のなかを横切るのには嫌な思い出があるのでクリアするまではと思いしばらくそのまま走りました。その間に右に10度くらい振れて焦ったものの幸い振れ続けることはなく、順位を守ることができました。2上を回ってリーチング、2マーク以降は風のない時間の長かった前のフリートにだいぶ追いついており(フィニッシュは前のフリートの8位の次でした)周りに艇が増えていました。2マークを回ってすぐ他艇との関係でジャイブして一艇だけセパレートすることになり、下マーク近くでブランケ気味の瞬間もあって早稲田の田中さん(そういえば2週前松前と出た予選でも2下で後ろに4647という場面があって、松前は触れてないけどこれもすごいことだったと思うよ!)につめられましたがなんとか1.5艇身差くらいで3マークを回って、このペアでは、またこのレベルのフリートでは初めてのトップフィニッシュでした!ベストクルーについては後述しますがこの時点では全然気づいておらず、ただ全日本470の枠を取るのに少し点数の余裕ができて良かった。あまりに出来すぎていたので(「どこでインチキをしてきたんだ〜」をいただき)、むしろ浮かれることもなく。
第3レースはブラックゼネリコで排除、走ることができませんでした。実はリコールしているとは思っておらず、「ラインが空くね」とか言いながら本船のホワイトボードを見に行ったのです。何となく出てしまったわけではなく行けると思って加速して出ているという点では悔いはないといえばないのですが、本当にラインが見えていなかったということで、怖い。近くにいた塚本斉藤によると2分前から出ていたらしいのですがいまだに信じられなくて、ラインを見る目を鍛えなおさないとと思います。今回に限らず以前のレースや練習でも必要以上にバウを出してしまうことが多いです。今回の第2レースのように周りが低くてそこからバウを出しいいスタート、という成功体験もあるのですが、ちょうど先週のコース練でもゼネリコリーダーになったところで、この癖を意識して直さないと同じことを繰り返してしまいそう。秋までリコールしないことが、最優先事項と思います。
2日目。台風5号が接近する中で久しぶりに北の強風、1.5ピンダウンで出ました。前日1点のレースが一つあったことで初日は女子3位の表彰台圏内で、初めの目標の全日本470出場権の4位よりも上を見て2日目を始めることができたのですが、2日目は上位の艇に歯が立ちませんでした。でも、確かに軽量ペアではあるのですがそれでももう少し前に行けた気がします。まずスタートが一度も出られなかった。全艇並んでぴったりという感じのラインの長さで前日のように空いている場所がなく、また方針を決めるのが遅いなどでラインに着くのが遅れ、3レースとも二線スタートでした。逃げたり一二回タックしてどちらかに伸ばし、ブローで返そうかというときまでは悪くない景色、その後上マークまでで落としている感じがしました。ブロー差が大きくまた見えやすかったので気にしすぎてタックが多くなるなどコースが下手なのとスピードと両方あると思います。下りでもいつもに増してスピン周りの動作が下手で悲しくなったり。配艇の都合上私は強風でのレース経験が少ないので軽風のレースと比べてどこか上ずっているというかしっくりこない。インカレは強風では出ない予定ですが全女は蒲郡であるので上手になりたいです。でもやっぱり強風のリーチング、ランニングは楽しいですね!春インの時いいなーと思いながら淡青に乗っていて、やっぱりいいなーと今回感じました。
さて閉会式。関東470の第1レースは470クルーで活躍された高橋雅之氏のメモリアルレースとて、トップ艇、フリート分けした場合はタイムの速い方、のクルーに最優秀クルー賞が与えられます。ということでトロフィーをいただきました。いただいたんですけど、光栄ではあるんですけど、ちょっと光栄すぎるというか正直その時はあんまり表彰されたくなかった。ベストクルーを取って優勝しなかったチームはたぶん初めてとのこと(関東470協会のウェブサイトに「初の女子クルー」と書いてありますがそんなことはないです。)、今年も優勝チームのクルーの疋田選手がベストクルーを狙っていたと閉会式でおっしゃっていて、恐れ多いというか申し訳ないというか。運営の方々も予想外のことに大変盛り上がったそうで、楽しんでいただけてよかったなとは思いましたが。
でも、一晩二晩経ってちゃんと嬉しくなってきました。チームメイトとそれから、470クルーの先輩方が喜んでくれたからかなと。「東大はクルーで走る」って下級生の頃どなたかに聞いたことがあります。圧倒的に上手なスキッパーが引っ張っていく形のチームよりもクルーの役割がおそらく大きい。誰々がクルーに誰々を"搭載"して、と書かれることがありますが、そうではない。小松さんも最初の頃からクルーがしっかりしているとおっしゃっていました。そういう先輩たちを見てきたので、東大のクルーはすごいんだよって言いたかった。たまたま今年取れたトロフィーで、今までの東大クルーを全員褒めてもらっていると思った。一月のブログで西坂が書いていた「引用句」の②に近いかもしれないです。先々々代、、っていうところ。
ベストクルーって名前がついてるだけで別に私がどうとかではなく4452チームで取ったトップフィニッシュですけど、名前がついていることで、賞に恥じないように頑張れよって感じさせてもらえます。そうとでも思わないと怖くて持ってられないし。
チーム全体としても今回のレースは収穫の多いものだったと思います。4579は点数に表れている以上に強風の走りが良く、頼もしく感じます。去年は軽風の西坂でしたけどついに強風に開眼したか。4357は今回からのペアなので試行錯誤しながらレースの中で上手くなっていて、かつ二人とも安心感があります。4301は初めて2年生同士でのレースで微風から強風まで経験し、上級生と乗る時以上に二人ともいろいろ考えたはず。DNFがついていますがトップ艇が毎回速すぎたし、リザルト以上に頑張っていたと思う。4452は8月にある全日本470に出場権を得ました。今まで出たうちで最もレベルの高いフリートになると思うので、たくさん勉強できる準備をしていきたいと思います。
次は再来週の関東個戦です。時間は少ないですが各艇今回のレースを生かして全個を目指していきます。
ところで、 初日の解散後、塚本がレセプションで獲得した自転車で葉山合宿所まで帰ると合宿所の一階が蟻に占拠されていて、畳んだ布団や絨毯を上げると真っ黒、みたいな。顔を噛まれました。掃除機とGジェットで汗と涙の戦いの末なんとか生活できる状態にしましたが夜中に襲われたら嫌なので2階で寝ました(1階の皆も無事だったみたいです)。女子部屋で安眠して翌日の午前4時すぎ、不意に目が覚めてみると12cmくらいのムカデが私の左腕を歩いていました。合宿所で思い切り叫んだのは初めてです。起こしてしまった2年生たちには申し訳なかったですが刺されなかっただけ良かった。完全に眠れなくなったので近づいてくる台風Maliksiを眺めていました。
なかなかハードモードな一夜が明けて日曜日、第5レースのスタート4分前、急に小野さんが叫び声を上げたので突っ込んでくる艇でもいるのかと思って振り返ると、30cmくらいのトビウオがデッキ内で跳ねていました。触るのがためらわれたがそう言っている時間も無いので両手で掴んで海に返し、スタート。今レガッタで最も心拍数が上がりました。トビウオかっこよくて大好きだけど、ここまで応援しに来てくれなくてよかったよ。
以上です。
水石さおり