東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

あの日から

2024年10月17日 23時45分00秒 | 2024秋インカレ

お世話になっております。スナイプチームリーダーを務めております、中静勇輝です。

関東秋インカレ決勝のご報告をさせていただきます。


以下、スナイプのリザルトです。



スナイプ級

49 31418 中静/佐藤・下村 17-7-2-21-6-9-20-14 96pt 7

50 31494 天野・市毛・遠藤/三上・高畑・神田 37-DSQ(46)-DSQ(46)-26-3-14-3-21 196pt 25

51 31308 元尾・市毛/松本・三上・神田 24-14-8-12-8-11-4-9 90pt 5


1位 早稲田大学 148pt

2位 日本大学 344pt

3位 中央大学 357pt

4位 東京大学 382pt

5位 慶應義塾大学 388pt

6位 明治大学 540pt



スナイプチームとしては準優勝、最低3位を目標としていたため、結果としては目標には届きませんでした。その点は悔しさが残るものの、レース内容としてはチームの成長の確かな手応えを感じることができる場面が多々ありました。



さて、おそらくこれが引退前最後のブログなのでこれまでの1年間のキセキを軽く振り返りたいと思います。少し長くなりますがご容赦ください。



1年前。秋インカレ決勝でスナイプが準優勝した。去年のスナイプチームは一言でいえば「強い」チームだった。

勝利のためにあらゆる事が徹底され、レギュラーの3艇に練習機会やお金が集約された。

去年のチームを批判するつもりは全くなくて、矢野さんや大好きな旧4年生からは勝ち方を教えてもらってとても感謝しているし、下級生に対する後ろめたい気持ちを感じながらも僕もレギュラーとしてとにかく自分が上手くなりたかったので特に異を唱えず恩恵を受け入れてしまっていた責任がある。


このころは僕も正直、勝つことが全てで勝てば何かが得られると信じて必死に練習した。


そして迎えた小戸での全日本。結果は散々だった。4年生を勝たせられなかったこと、犠牲にしてきた下級生への申し訳なさで目からつまらないものが溢れ続けた。


そしてあっという間に今年度のスナイプチームが始動した。最初の数ヶ月は本当に大変な状態だった。スキッパーは僕以外まともな練習機会を与えられてこなかったので、真っ直ぐセーリングすることすら怪しかった。事故もたくさん起きてしまった。

このころ誰かに言われた「東大スナイプ終わったね」という言葉が心に突き刺さった。


この時、根本的にチームのあり方を見直す必要があると心から思った。あの人がいたから、とか、あの代だけは強かったという評価になってしまうのは悲しいし、東大には経験者が毎年必ず入るわけではないからこそ、未経験者中心でも恒常的に勝てるようなチームをつくろうと決意した。


このようなモチベーションになっていた時、宮川さんという最高の指導者に出会った。チームみんなで上手くなる、全員の可能性を信じて成長の機会を与え続けるという宮川さんの理念に深く共感した。


宮川さんには目的をはっきりさせることの大切さを学んだ。日々の練習メニューで何のためにそれをやるのかというところから、チームリーダーとして何のためにヨット部にいるのか、勝利という目標の先に何を得たいのかということまで紙に書き出して考え続けた。


その結果自分の成し遂げたいことがはっきりした。それは「学生ヨット界のシーンを変えること」に落ち着いた。どうしても経験者が多いほど、そして金銭面で有利であるほど勝ちやすい学生ヨット界で東大がずっと強いチームであることを証明し、みんなの常識を変えたい。


そのために、今年は全員にチャンスを与え続けて「みんなで上手くなる」ことを大切にした。資源に限りがあって完璧にはできなかったけど、配艇や練習メニューを考える時はこれを指針にしていた。



1年間色々あったけど、みんながモチベーション高くヨットと向き合ってくれたおかげで本当に日に日にチーム全体が強くなっていくのを感じたし、どんな時ものびのびニコニコ活動する姿に元気をもらった。


5月の春インカレで6位入賞。そしてそこからさらに成長を続けて今回2位と僅差の4位入賞。クルー陣が去年よりさらに磨きがかかっているのはもちろん、天野市毛遠藤元尾の伸びっぷりには驚かされます。2年生も、夏合宿を経て本当にたくましくなった。


秋インでは、僕の頭にあった想定得点を全員が上回ってくれた。想定を下回ったのは中静艇だけ。みんなの成長スピードに負けないよう、僕自身も最後まで謙虚に、貪欲に成長したい。


僕たちの目標は全日本入賞です。残り少ない練習でそれぞれの課題をつぶしてさらに成長して、このチームで新たなシーンを切り開いていきたいと思います。



最後になりますが、ご支援・ご応援賜りましたLBの皆様や保護者、並びに心強い応援をくれた先輩や後輩、マネージャーの皆、そしていつも熱く寄り添った指導をしてくださる小松コーチ、宮川コーチ、西尾コーチに心から感謝申し上げます。

お世話になった方々への感謝の気持ちを表現するためにも、全日本は結果にこだわります。

今後ともご支援ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。



スナイプチームリーダー

中静勇輝


井の中でなくとも蛙は大海を知らない

2024年10月17日 15時15分03秒 | 通常練習

お世話になっております。3年スナイプの市毛です。先日行われた秋イン決勝の振り返りをさせていただきます。訳あって非常に非常にキーボードを打つ手が重いですが指名されたため仕方ありません。

 

詳しいリザルトは西間が載せてくれたのでそちらをご覧ください。チームとしては、470が7位、スナイプが4位、総合が5位となりました。一昨年の琵琶湖以来の両クラス出場にまずは安堵しています。

 

自分は4レースに出場しました。前2つはイロハと、後2つは神田さんと出ました。ただ、イロハと出たレースは出場なしとなりました。僕がエントリーをしてなかったためです。1日目の夜に運営に呼び出され自分のエントリーがないことを確認されました。その後、レース委員会からプロテストする意思を伝えられました。二日目のレース後の審問の結果、2レースがDSQとなり、50点以上のロスを作ってしまいました。チームにも、ペアにも大きく迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。仮にも自分は来年スナイプリーダーをすることになっているのに、こんなにもくだらない事をやらかしてしまい情けなく、申し訳ない気持ちです。二日目、みんなが走ってくれて本当にありがたかった。一人一人思うところはあるだろうけど、温かい空気を作ってくれていました。東大ヨット部の良さを感じました。

 

今後、2度とこのようなことが起こらないように自分自身を変えていきたいと思います。

 

さて、自分が出たレースを少しだけ振り返りたいと思います。このまま終わるとただただ暗いブログになってしまいますので。

合計4レース、通用したところと課題となったところが明確化しました。

ボートスピードに関しては、悪くはない状態までになりました。ただ、少し気を抜くだけでごっそりVMGが悪くなることが多々あるので、そこは常に自覚していたいです。

逆に、スタートはまだまだ弱いです。ライン把握に自信が持てず、そのままパッとしないスタートになることが多いです。パッションとクールさと度胸と鋭い目を持って克服していきます。

 

 

 

自分達の最終的な目標は全日本インカレ総合入賞です。チーム全員でこの目標に挑めること、そして自分がレースをさせてもらえる状況に感謝して、1レース1レース責任を持って走り切ります。

 

それでは失礼します。


逞しく 力競いて 勝利の旗を 掲げなん

2024年10月17日 09時17分31秒 | 2024秋インカレ

自分 マークが南に見えます、、

 

 

お世話になっております。3年の槇枝です。

 

 

先週末行われました関東秋インカレ決勝の振り返りをします。

470は7位。スナイプは4位。総合5位という結果になりました。

具体的な戦績は西間クンのすごく長いブログや山本サンの闘魂ブログなどをご覧ください。

 

3日間で行われた8レース全てが晴れの北風4m/s~7m/sと、コンディションに恵まれたレガッタとなりました。

 

夏の練習では、マークを使ってセーリング練習。ボートスピードの改善をしてきました。同じようにオスカーが上がるか上がらないかという程度の北風で行われた秋六大学戦、秋イン予選のコンディションを踏まえて、コースが非常に大事になるなあと考えながら、当日を迎えることになりました。

 

1,2日目は、自艇は非常に苦しいレース展開でした。

 

スタート後のファーストブローを掴み、その場その場で、どちらが支配的なブローが降りてくるかを判断してより上側のブローを強く噛むというプランでコースを引いていました。まあ何が起こったかというと、北風で南風コースを引いていたということです。これにちゃんと理解するまでに5Rもかかってしまいました。

 

スタートがバチ決まるということがない限り、一上の初版から自分がいる位置でのメリットを最大限活かさないといけないこと、ブローの上側であれば必ず伸びるであろうという考えにとらわれていました。

 

最悪の時は、支配的なブローに気づくのが遅れて、その艇団を一番遠い位置で受けて、反対に伸ばす。ヘダーを見過ごしているうちにも反対は逆のシフトを掴んでこちらに寄せてきて、レグの中盤で残りのレグを残せていないということになり、残りのなっがいレグを風がそれ以上振れないことを祈りながら走っているという始末。

うーん、どこのタックが足りなかったのかなと毎レース振り返っていましたが、そもそもそういう考えで安定した順位が取れるはずもありませんでした。

 

 

毎レース、良くなかったリザルトを前に、心の余裕がなくなっていき、より視野が狭くなって、同じよくない考えを繰り返すという悪循環。心の余裕を保っている、つもりでしたが余裕でブレブレでした。個人主義を卒業しようと思っていたんですけどね。

 

陸ではいじられるぐらいが良かったのですが、後輩に気を遣われている状況。去年を経てメンタルの課題を克服したつもりでしたが、まだまだのようです。

 

 

 

二日目の第6Rで交代。ゆうたと五熊に託して、レスキューに乗りました。南風しか乗せねえぞと本多さんに揶揄されながら、落ち着いて何がいけなかったのかを分析できました。この時は本当に頭が凝り固まっていました。

 

 

まずはブローで自分のシフトを掴んで返し、艇団に寄せることができる。艇団のリズムを早めに察知した上でそれをどの位置で合わせるかを考えて返す。艇団の三角の上にいけるコースプランが理想で、トップの船に対して、ミートを繰り返すことで自分の負けからどれだけゲインできたかを確認するとともに、そのまま進むべきか返すかを判断していけば、自ずと順位が上がってくるということ。

 

だいぶ時間と点数がかかりましたが、このことを自分の中に落とし込むことができたのは、代わってくれたゆうた達と本多さんのおかげです。辛抱強く待ってくれた北村にも感謝しています。

 

最終日の最終レースだけ出場させてもらって、以上の感覚でレース展開をすることをなんとなく掴むことができました。

 

 

これを他のレースでもっと実践できていればなどとつまらない考えにも至りましたが、成長を与えてくれて、次へつながる内容のレースができたことを糧にしようとすぐに切り替えられました。

 

 

一番艇に乗らせてもらっている身として、余裕感と戦績でチームを引っ張るつもりでしたが、それどころか足を引っ張ってしまいました。安藤山本ペアが安定して走り、三番艇もうまく点数をまとめたおかげで、7位で関東インカレを通過しました。最低でも入賞を目標にしていた分悔しさが募りますが、幸いにもまだ続きがあります。まだまだ上手くなれるという、これからへの期待と全日本入賞への布石と捉えて前を向きます。

 

西間も山本もブログで言っていましたが、今年のチームの強みは、選手層が厚いことです。五つペアを揃え、レースに出られる人がいるおかげで、今回のように調子を崩しても一度レスキューで冷静に分析できて調整ができました。全員が経験を積むことで、全日本。そして来年以降に活かすことができます。控えにいつでも交代できる選手がいるほど心強いものはありません。(スナイプチームは全艇が一度シングルを取る活躍でますます心強い限りです。)最後まで成長を止めずに頑張りましょう。全日本まで上手くなれます。

 

最後に秋イン決勝をともに戦ったチーム全員に感謝の意を伝えます。応援、サポートありがとうございました。全日本もよろしくお願いします。

 

3年 470副リーダー 槇枝大祐