東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

秋インカレ 

2018年10月10日 18時31分53秒 | レース反省

 

 

こんばんは

4年470リーダーの西坂です。

 

先日行われた関東秋インカレについてご報告させて頂きます。

 

本当はすぐにでもご報告するべきでしたが、向き合うたびに筆を置き、向き合うたびに筆を置き、というのを繰り返すうちに2日たってしまいました。ご容赦ください。

自分の無念をつらつらと書き連ねるのもどうかなと思ったのですが、今は正直な気持ちをここに残すこともヨット部に残せる数少ない財産の1つかなとも思いブログをしたためています。

 

以下、リザルトです。

【470級】(15校45艇)

4692 塚本・斉藤 43-2-23-36-18-UFD  計168点

4579 西坂・天木 14-15-6-8-17-20 計80点

4452 小野・水石/大橋 33-20-32-43-42-32 計202点

 

1位 早稲田大学 135点

2位 日本大学 208点

3位 明海大学 223点

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8位 学習院大学 446点

9位 東京大学 450点

10位 明治大学 459点

 

【スナイプ級】

(全15校 45艇)

 

31308 浅川・多賀谷21-16-32-25-22 計116点

30785 吉武・阿部10-28-21-22-28 計109点

31418 高山・田原34-32-12-39-36 計153点

 

1位 慶應義塾大学 118点

2位 早稲田大学 120点

3位 日本大学 141点

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7位 明治大学 331点

8位 東京大学 378点

9位 東京海洋大学 417点

 

<総合>

1位 早稲田大 255点

2位 日本大学 349点

3位 慶應義塾大学 387点

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7位 明治大学 790点

8位 東京大学 828点

9位 学習院大学 902点

 

470級は9位で敗退、スナイプ級は8位で全日本進出を決めることができました。

 

470級は敗退となったので、470級の4年である自分と水石は選手として現役を引退することになります。

 

今までたくさんの方々に多大なる応援をして頂いて、非常に恵まれた、最高に幸せな選手生活を送ることができたと思います。

 

長い長い伝統の中で東大ヨット部をここまで繋いでくださり、金銭面での支援や至らない自分たちを見捨てず指導してくださる大先輩の方々。

ヨット乗りとして未熟すぎる自分をここまで成長させてくれ、人間としてもたくさんのことを学ばせて頂いた小松コーチ。

自分の現役生活で直接の先輩としてたくさん指導してくださり、夢を託してくれた3つ上までの先輩たち。

これまで4年間互いに支え合って来た同期。

自分たちの目標を理解し信頼してついて来てくれた後輩たち。

一切妥協せず本気で戦い続けてくれた他大のライバルたち。

そして、3年半前ヨット部に入ると決めた時から一切否定せず、一貫して応援し続けてくれた両親。

 

本当にたくさんの人にたくさん応援してもらって、ここまで来ました。

それだけに目標としていた関東6位入賞、そして全日本進出を逃してしまったことは申し訳なく、そして何よりも悔しく思います。

 

 

今年の部のスローガンは「強い東大」でした。

昨年度33年ぶりの両クラス全日本インカレを決め、その一回限りで満足するか、さらに強い部活に成長していくかは今年が重要だと思っていました。

そのためにはどうしても今年も全日本インカレに出たかった。

主将浅川を中心にして作られた今年のチームが目指した場所、やり方は間違ってなかったと結果で証明したかった。

主将として多くのものを背負いすぎている浅川を、自分が副将としてエースとして結果を出し続けることで支えたいという思いもありました。

しかし、それを実現することは出来ませんでした。

 

最終レースが始まるまで我々は全日本進出可能な7位の位置につけていました。

それでも最終レースが成立してよかったと思います。7位で通過していたら自分たちは間違いなく、実力を誤解していたと思います。

安定した北風の中で確かに我々はレースをして負けた。確かに我々は弱かった。

残された後輩たちはしっかりとその事実、この現実に向き合って、どうすれば強くなれるのか、悩みぬいて強くなってほしいと思います。

 

470リーダーとして後悔はたくさんあります。

普段からもっとケース文字にシビアになるようなチーム作りをしていれば。

自分がもっと信頼できるスキッパーだったら最後に4692は無理をしなかったかもしれない。

あるいは、レース間の声かけはもっと違うことを言ってあげればよかった。

チームレースというものをもっと勉強して、戦略を作れれば。

 

無数の選択肢が用意されているヨットレースに「たられば」はありません。

できなかったことは事実として受け止め、次期470リーダーの塚本に自分と同じミスを繰り返さないチーム作りをしてもらえたらと思います。

 

 

ただ、リーダーという立場ではなく、1選手としては、現役として挑む最後のレガッタとなった今回の秋インカレに悔いはありません。

45艇いる中で、6レースで80点という結果は自分の実力を考えた時、これ以上にない結果だと思います。

エースとして決して叩かないレースを目標にやって来てそれが達成できたのではないかという満足感もあります。

 

小松コーチや各代の先輩たちが自分に教えてきてくれたことを遺憾なく発揮し、それが間違ってなかった、正しかったと証明することができたと思います。

 

たかだかヨット歴3年半の自分と、1年半の天木のペアでここまで来れた。

今回自分たちの結果を3艇分で考えると4位で入賞です。つまり、人数が揃って、コーチや先輩の話をしっかり聞いて、真剣に練習に取り組めば、近い将来東大はその順位を取れるということ。その環境が整っているということ。

ぜひ近い将来そこ、もしくはそれ以上を目指していって「強い東大」を実現してほしいです。

 

また、さらに個人的な話ですが、自分が2年前レギュラーになってからずっとライバルとして意識して来た千葉大エースの辻に今回いい勝負をして勝てて終われて良かったです。ライバルと思いながらもずっと彼の方が実力が上だと思っていて、やっと互角になれたように思います。本当は全日本の舞台でお互いやりあいたかっただろうし、敗退して勝ち逃げという形になってしまって辻君には申し訳ないです。

何はともあれ、同期にここまでライバルとしてお互い意識できて高め合える相手がいて本当に楽しい4年間でした。

学生マッチでの再戦を期待しています。

 

 

自分はこれで選手としては現役引退となります。しかし、スナイプチームが全日本インカレに出場してくれたおかげでヨット部員としての引退は蒲郡で迎えることができます。

あと1ヶ月、新体制となった470チームのコーチ、そしてスナイプチームのサポートを全力で取り組みたいと思います。

結果でチームに貢献することは叶わなくなってしまいましたが、サポートに徹して「強い東大」の実現に一役買い、浅川を最高の主将として、同期を最高の同期として引退させられるよう、精一杯努めていきたいと思います。

本当に部を引退して次にブログを書くときは清々しくあれるように。 

 

あと1ヶ月、よろしくお願いします。

 

 

副将・元470チームリーダー 4年

西坂惇之


秋インカレを振り返って

2018年10月10日 15時49分31秒 | レース反省

お久しぶりです。スナイプクルー4年の田原です。

先週末に行われた秋インカレについてご報告いたします。拙文ではありますが最後までお付き合い下さい。

470は6レース、スナイプは5レース行われました。リザルトについては西坂が書いてくれたので割愛させていただきます。

 

スナイプについて振り返ります。

今年のスナイプチームはレース艇の3艇がほぼ同じボートスピードで、特別に速い船がいないけど1艇が悪い順位でも1艇は少なくともいい順位にいる、そんな雰囲気でした。チームの3艇まとめた力では去年より上がっているのではないか、と思っていました。レース前の合同コース練習でも手応えは十分にあり、文字さえ付けなければ全日本圏内は確実に、6位入賞も現実的に狙える目標だと思っていました。

 

初日は北風が南風にまわって吹き上がる予報だったもののなかなか南風は入らず、長い時間陸上待機することになりました。午後になりやっと入って来た南風で出艇し、秋インカレのレースが始まりました。オフセットマークが流れたためノーレースとなったレースでは2年生ペアの30785が1上トップ回航しました。左海面が伸びる中、左の1艇は前に、右の2艇はそこそこの順位におり練習前の手応えの通り入賞も狙えると確信することができる幻の第一レースとなりました。この日は結局スナイプはレースを行えずに着艇となりました。

 

2日目は台風の影響で南風強風の中、赤旗が上がり初めは陸上待機となりました。風が落ち出艇となりましたが大きなうねりの残る台風一過後のような海面で1レースが行われました。2回のゼネラルリコールを繰り返した後の第一レースは設定角に対して風が右に大きく振れた中で一上ではマークを見失った2艇が大オーバーセール(体感では30艇身以上)してしまい、後ろ5番目と最下位で回航となりました。スタート出てスタボ1本で入れるような振れと大きなうねりの中で見失いやすかったとは言え、非常に大きなロスとなってしまいました。最終的に3艇で65点で3位と2点差、全日本のボーダーの9位とは9点差のの6位で二日目を終えました。2艇にとっては後悔してもしきれないレースでしたが、リコールした他大学が順位を落とす中諦めずに一つずつ順位を上げた結果第一レースとしては悪くない順位となったと思います。その後も風は大きく振れ続けてレースはできないままハーバーバックとなりました。

 

3日目は北風の中風~強風の中で4レースが行われました。スナイプは1レースしかできていなかったこともあり、初日のような緊張感がありました。前日のうねりはほとんど残らず、葉山らしい北風の海面での勝負となりました。最初のレースで自分の船は上マークで入れず1回転した上に他大学とケースを起こしてしまい、精神的にも順位としても悔いの残るレースとなりました。チームに対しても大きな焦りと言いますか、不安要素を作ってしまいました。第3レースで僕らの船は12位でフィニッシュできましたが、第4,第5レースは3艇とも20点を切ることができず、もっと前を走りたかったという気持ちを抱え秋インカレを終えました。

 

7位と47点差、2つ上の6位とは88点差で8位という結果で終わってしまい、非常に悔しさが残るレガッタとなりました。ボートスピードで負けていないと思っていた大学とこれだけ差が開いてしまったことは大きな反省点となりました。

個人的には、ペナルティ解消で回った回転で大きく順位を落としてしまったこと、スタートでリコールを恐れる余り第二線からのスタートを繰り返したこと、コースの3点で負けてしまったと考えています。全日本では一つのミスが命取りになると思うので、臆せずに勇気を持って悔いのないレースをしたいと思います。

 

 

レースの反省はここまでで、個人的に思ったことを書きたいと思います。

今回は僕にとって最初で最後の秋インカレでした。サポートメンバーとしての経験も1年生の何も知らなかった時しかなく、どんな雰囲気になるのか、全くわからないままレースを迎えました。海上なら緊張しないだろうと思っていましたが、いつも以上に周りを見ることができず、今思うと緊張や雰囲気に飲まれていたんだなぁと思います。レース前にも同期の浅川に、春よりも実力は詰まって一つのミスの挽回が難しくなると聞いていました。春インカレはフレッシュをひたすら走れば20位くらいに戻れていましたが、今回は上がっていくのが非常に難しかったです。

またサポート力の高さには驚きました。レース後レスキューに寄った時には得点を教えてくれて、自分たちがどこにいるのか常に把握することができました。また陸上でもサポートメンバーが駆け回ってくれて、自分は自分のレースのことに集中することができました。本当にありがとう。

 

僕が入部してから東大ヨット部は右肩上がりに成長して来たと信じて疑わなかった自分がいました。特に小松コーチの指導によってヨット部の練習の質は大きく改善されたと思いますし、昨年の結果にも現れていると思います。しかし470は去年と一昨年の8位より一つ順位を落とし、スナイプも去年の7位より順位を1つ落としてしまいました。

自分は心のどこかに「自分たちは間違いなく上手くなっている。絶対に大丈夫だ」があったのではないかと思います。他の大学も一所懸命に練習しているわけですから、彼らも成長しているはずです。油断とは言わないまでもやや強い自信があったと思います。

また総合得点では6位まで270点と大きな差がありました。今年は全日本で総合入賞を目標にしていましたが、かなり高い壁があると突き付けられました。

 

今回のインカレはスナイプ、470共に悔しい結果となりました。泣いても笑っても今年の関東インカレは終わってしまいました。この悔しさをただ悔し涙で終わらせるのではなく、下級生達にはリザルトとしっかりと向き合い、練習内容、部活との付き合い方、一つ一つ丁寧に見直して来年は悔しい今年の結果を超えて欲しいと思います。期待しています。

 

 

最後となりますが、支援してくださったLBの皆様、部員の保護者の皆様、ご指導してくださった皆様、本当にありがとうございました。スナイプチームは蒲郡で開かれる全日本に進みますので最後までご支援とご声援をよろしくお願いいたします。

 

 

東京大学運動会ヨット部 スナイプ 4年 田原 建人