降って来るもの

写真と散文とぽえむ

我がchronicle.Ⅱ

2018-06-02 05:55:40 | 詩15

                    我がchronicle.Ⅱ-序章-

 

 山に囲まれた盆地の、更にその一本の谷を遡った場所に、地域の二つの小学校の児童生徒を集めて中学校は在った。それでも”団塊の世代の末弟”として生まれた同級生はAとBの二クラスもあり70名も居たが、たった一人で通うことになる僕が選んだ高校は、家からバイクで(20分8キロの道のり)駅に出て電車に乗り(初めて乗る事になった)30分。其処から徒歩で20分の通学時間を要する、飛鳥万葉集にも詠われている「二上山」の麓に在った。

 16歳の春。ご多分に漏れず期待と不安の入り混じった高校生活が始まる。ほんの少し新しい環境と生活に馴染み始めた頃に”部活の選択”の時期があり、僕は其処でこれまでの人生を貫く第二の性たる”書く事”に出合ったのだ。文芸部への入部は、偶然のような必然だったような・・。

 それから、一部員として過ごした2年間。3年時には部長を務めて文芸部最大の仕事であった部誌「あらがね」の指揮を執った。勿論それだけに止まらず、野球部にも在籍。応援団にも加わり、2年生の夏には団長としてスタンドで汗塗れにもなった。友達に誘われて夜遅くまで稽古(というよりお喋りをして過ごした)に明け暮れた演劇部での初舞台も鮮烈な想い出として今も胸に在る。

 山奥の中学校から賑やかな商業地に在った高校へたった一人で通った3年間。柵のない環境で培った感情や友情や恋心は、きっと今に引き継がれ色濃く僕の心身に反映していると思える程の、印象深い月日であった

   

 充実した高校生活を終えると、その当時誰もがそうであったように家を出て大阪の会社に就職。其処の社員寮で寝泊まりする社会人としての第一歩を印した。

06/02

05:45

 

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