百の可能性を
僕にも果たして
十九の季節が有ったのだろうか?
十九の言葉の眩しさに
眩暈しながら生きた時代が
ほんとうに
僕にも有ったのか?
ふと、振り返ってみる
十九から二十へ
自由奔放の十代の煌きから
影を知り初める転換期の年代へ
脆弱で、尖って、訳もなく輝いて
自由で、nihilistで、悲観主義者で
百の可能性を持て余し
一つの淫夢に魘された季節よ
疾く過ぎ行く”物の怪”のような十九を
僕は持っていたのだろうか?
定かではない程に
その道標から遠く離れた
此処から
十九の墓標は遥か彼方に
ひとつの黒いperiodのように在る