明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(326)今、一番大事なのは、内部被曝の危険性をしっかりつかむこと(矢ケ崎さん講演会へ)

2011年11月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(301)~(400)
守田です。(20111116 23:30)

すでに何度かお知らせしていますが、11月19日に矢ケ崎さんを京都にお招きし
講演をしていただきます。あと3日になりましたので、再度、お知らせします。

岩手や福島の被災地に入った大阪のレスキュー隊員が、内部被曝を受け、吐血を
繰り返した後に10月26日に亡くなったことが伝えられています。にもかからわず
福島では中学生の女子生徒をも含めて駅伝レースが強行され、さらに政府による
除染ボランティア募集がなされるなど、さらに多くの人の被曝が促進されようと
しています。

この背後に横たわるものは、内部被曝の恐ろしさの徹底した軽視、無視、隠蔽です。
これと立ち向かうために、ぜひ矢ケ崎さんのお話を聞き、内部被曝のメカニズムを
わがものとしてください。


矢ケ崎さんが明らかにされてきたのは、放射線の人体への影響は、主に電子を
はじき飛ばして分子を切断してしまう電離作用にあることです。この電離作用は、
放射性物質から出るα線、β線、γ線のすべてが持っていますが、中でも一番
強い力を持っているのがα線です。次に、β線、γ線と続きます。

α線は次々と分子の電子を飛ばして電離していくため、空中でも45ミリしか
飛びません。45ミリの間で激しく衝突を繰り返すのです。人体細胞の中では
空気中の1000分の1の40マイクロしか飛びません。そこで激しく電離を行います。

β線の場合は、空気中で1メートル。その間にやはり激しく電離を行い、人体
細胞の中では2.5ミリしか飛ばず、そこで激しく電離を行います。これに対して
γ線は、α線やβ線ほどには電子に当らないので、もっと遠くまで飛ぶし、人体
もある部分は通過していきます。

このことが重大な意味を持ちます。放射線のこの性質から、人が外部被曝する
のはほぼγ線に限られることに対し、内部被曝ではα線もβ線もγ線も全部受
けてしまうのです。

しかもγ線はまばらに細胞に当ることに対し、α線やβ線は局所に密集してあたる。
細胞やその中にある染色体の修復作用を許さない激しい被曝が起こります。
ここに外部被曝と内部被曝の根本的な違いがあります。

ところが現在の国際的に認知された放射線学はこの根本的な違いを無視しています。
そのため外部被曝と内部被曝が、足しあわされて人の被曝量とされますが、これは
外部被曝モデルで考えた数値の出し方で、密集的にあたる内部被曝の影響が極めて
小さく見積もられているのです。

これをもたらしたのは、もともとアメリカ軍が、原爆の非人道性を小さく見せる
ために放射線の影響を非常に低く見積もり、とくに内部被曝を一切無視したこと
によります。そこに放射線の影響が軽視されている根拠があるのです。

・・・こうした点が、矢ケ崎さんのお話のエッセンスになりますが、矢ケ崎さんは
これを豊富なデータや、グラフ、実際に福島などで見聞きしてきたことなどを踏ま
えて説得力を持って話してくださいます。すでに311以降の講演回数も100回かそれを
上回っているのではと思うのですが、その都度、内容のバージョンアップをされて
きています。忙しい中であらたな論文も書かれています。

そんな矢ケ崎さんの、最新のデータに基づくお話を聞きにきてください。
みなさんのご参加をお待ちしています!


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いまこそ原発を問う連続講座(第4回)

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    こどもたちを放射能から守るために
   ―知らされなかった内部被曝の真相―

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3.11福島第一原発の事故からずっと、私たちの生活環境は放射能に汚染され
続けています。関西でも、市民による日常的な計測の必要性が話題に上って
きています。とくに感受性の強いこどもたちの未来を守るために、今、わたし
たちは何をしなければならないのでしょうか。

食べもの・飲み水の放射能汚染に、「安全なレベル」はあるの?家庭で気を
つけられることは?こどもたちのためにできることは?低線量被曝・内部被曝
の危険性について、信頼できる見解と正確な情報が求められています。矢ケ崎
克馬先生のお話を聞いて、一緒に考えてみませんか。

■日時:2011年11月19日(土)午後1:00~3:20(12:30開場)

■会場:京都市東山いきいき市民活動センター
3階多目的ホール(こどもスペースあり)

京都市東山区花見小路通古門前上る東入る南側
京阪電車「三条」駅、地下鉄東西線「東山」駅、「三条京阪」駅より徒歩5分
京都市バス 5,12,46,100,201,202系統 ・・・ 東山三条
5,10,11,12,59系統 ・・・ 三条京阪前

【アクセスマップ】
http://bit.ly/iLr6IZ
  
■講師:矢ヶ崎 克馬さん(琉球大学名誉教授)

1943年、東京生まれ、長野県松本育ち。広島大学大学院理学研究科で物性物理学
を専攻。理学博士。2009年3月、琉球大学理学部教授を定年退職し名誉教授に。
2003年から国を相手取った原爆症認定集団訴訟で「内部被曝」について証言を行い、
連続19回勝訴の礎となる。3.11原発震災後は、放射能汚染=被曝の深刻さを訴え、
全国で熱い講演を続けている。

■ディスカッション:矢ヶ崎さんと、子どもたちを被曝から守るために行動して
いる、福島から避難中・京都(ほっこり通信)・滋賀(原発のない明るい未来を
みんなでつくるネットワーク・あすのわ)の3名の女性たち。

【関連サイト】
京都のお母さんから~福島のお母さんへ  ほっこり通信
http://ameblo.jp/ima29/entry-10965014972.html

原発のない明るい未来をみんなでつくるネットワーク・あすのわ 
http://asunowa.shiga-saku.net/e617610.html
守田敏也さん(フリーライター)がディスカッションをコーディネートします。

■参加協力券:500円
※開催資金の確保のために、参加協力券(前売りチケット)を販売します。
購入ご希望の方は下記問合せ先までご連絡ください。
※チケットがなくても、当日参加費500円で参加いただけます。

■スタッフ、協賛団体など、協力して下さる方を募集中です。
若いママ・パパ、学生さん、一緒にどうですか(会場に「こどもスペース」あり)♪   

■主催:「いまこそ原発を問う連続講座」実行委員会
http://d.hatena.ne.jp/genpatsu-iyayo/

■協賛:原発のない明るい未来をみんなでつくるネットワーク・あすのわ 
http://asunowa.shiga-saku.net/e617610.html

■問合せ・連絡先: 090-2199-5208(大須賀)



コメント (2)
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