守田です。(20111109 10:30)
毎日新聞に非常に重要な情報が載りました。広島・長崎で黒い雨に打たれたという
13000人のデータがありながら、これまで公表されていなかったという事実です。
なぜこれが重要なのかというと、世界の放射線学に基底的な影響を与えている国際
放射線防護委員会(ICRP)が規定している放射線の人体への影響とは、広島・長崎の
「データ」を大きな根拠としているからです。
その「データ」から、13000人が黒い雨に打たれていたという証言が意識的に省かれ
ていた。内部被曝の実相を隠すためです。そのため放射線学の教科書では人体への
影響が非常に過小評価されている。国際的基準としての許容値、年間1ミリシーベル
トすらがこのように作られているのです。
この調査を行ったのは、原爆傷害調査委員会(ABCC)です。被害に苦しむ被爆者に強
制的な検査を行いながら、何の治療もしてくれなかったとして、被爆者の強い怒り
を買った組織です。被爆者の遺体解剖も繰り返しました。その後を継いだのが、
放射線影響研究所で、現在も日米共同組織です。その放影研の長瀧現理事らが書いた
チェルノブイリ事故の影響を極端に低く見積もった提言が、今も、首相官邸ホーム
ページに掲載されています。すべて、放射能の影響を軽くみせるための措置です。
現在も政府は黒い雨の人体への影響を認めていません。黒い雨は13000人だけが浴び
たのではない。そもそもこの調査とて、12万人からの聞き取りにすぎず、サンプリン
グそのものが極めて小さい。また当時、乳児や幼児で記憶が定かでない人々(一番
影響を受けた人々)もたくさんいるはずです。さらにその雨が入った井戸から水を
飲み、その雨で汚染された野菜を食べた人は、かなり広範だったはずです。
政府は一国も早く、これらのデータを解析し、放射線の人体への影響をより正しく
見直して、現在の政策に反映させ、福島第一原発近辺からの避難の促進や、食べ物
飲み物、がれき等々の汚染許容値をもっともっと厳しくすべきです。
なお黒い雨、および広島・長崎の被ばくの状況に関する資料として、広島市立牛田
中学校の生徒たちが作った巣晴らしいサイトがあるのでそれを紹介しておきます。
黒い雨がどの地域に降ったのかの地図もあります。どうかご覧ください。
***********************
広島・長崎原爆:「黒い雨」に1万3000人遭遇
毎日新聞 2011年11月9日 7時45分
広島・長崎原爆で放射性物質を含む雨(黒い雨)に約1万3000人が遭遇したと
いうデータを、原爆傷害調査委員会=ABCC、現・放射線影響研究所(放影研)
=が得ていたことが分かった。黒い雨の人体への影響は分析されておらず、長崎県
保険医協会(千々岩秀夫会長)は8日、「すみやかに分析し、情報公開してほしい」
として放影研を所管する厚生労働相宛てに要望書を送った。
同協会の指摘を受けて放影研が明らかにした。
放影研によると、ABCCが1950年ごろから約12万人を対象に「寿命調査」
(LSS)を実施。質問に「WaspersoncaughtinFallout
Rain?(放射性物質を含む雨に遭ったか)」との項目があり、1万3000人
が遭遇したと答え、そのほとんどは広島被爆で、長崎被爆は約800人だった。
この質問項目と回答はデータベース化されておらず、近年になってコンピューターで
線量を推定する研究の中でデータの存在が分かったという。
現在、国は「黒い雨による人体影響はない」との立場だが、広島、長崎両市では、
国が指定した被爆地域外で黒い雨に遭った人たちが健康被害を訴え、指定地域の拡大
や被爆者健康手帳の交付などを求めている。同協会の本田孝也医師は「福島を中心に
低線量被ばくへの関心が集まっている。どんな影響があるのかぜひ分析してほしい」
と話している。【釣田祐喜】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/m20111109k0000e040003000c.html
***************
平和について考えよう
広島市立牛田中学校
加藤・門藤・辻 コーチ森本
ThinkQuest web教材コンテスト中高生の部プラチナ賞
被害状況「黒い雨」から
黒い雨は広島だけに降ったもので、被爆後の調査で、爆心地から11~19
キロメートルの範囲で大雨が、15~29キロメートルの範囲で小雨が降っ
たと分かりました。この「黒い雨」は、原子爆弾の爆発20~30分後頃か
ら広島市の北西部に降り始めました。雨の間は夏にも関わらず急に気温が低
下して裸や薄着で逃げ回っていた人々は寒くてふるえました。しかも、降り
始めの1~2時間は爆発の時の泥やほこり、すすなどを含んだ黒い大粒の雨
で、しかも強い放射線が含まれていて、池や川の魚がたくさん死んで浮き上
がったと言います。雨の降った地域で水を飲んだ人の多くは下痢になったり
その後雨に含まれていた放射能のため体調を崩したりしました。
http://contest.thinkquest.jp/tqj2001/40234/damage/damage.htm
毎日新聞に非常に重要な情報が載りました。広島・長崎で黒い雨に打たれたという
13000人のデータがありながら、これまで公表されていなかったという事実です。
なぜこれが重要なのかというと、世界の放射線学に基底的な影響を与えている国際
放射線防護委員会(ICRP)が規定している放射線の人体への影響とは、広島・長崎の
「データ」を大きな根拠としているからです。
その「データ」から、13000人が黒い雨に打たれていたという証言が意識的に省かれ
ていた。内部被曝の実相を隠すためです。そのため放射線学の教科書では人体への
影響が非常に過小評価されている。国際的基準としての許容値、年間1ミリシーベル
トすらがこのように作られているのです。
この調査を行ったのは、原爆傷害調査委員会(ABCC)です。被害に苦しむ被爆者に強
制的な検査を行いながら、何の治療もしてくれなかったとして、被爆者の強い怒り
を買った組織です。被爆者の遺体解剖も繰り返しました。その後を継いだのが、
放射線影響研究所で、現在も日米共同組織です。その放影研の長瀧現理事らが書いた
チェルノブイリ事故の影響を極端に低く見積もった提言が、今も、首相官邸ホーム
ページに掲載されています。すべて、放射能の影響を軽くみせるための措置です。
現在も政府は黒い雨の人体への影響を認めていません。黒い雨は13000人だけが浴び
たのではない。そもそもこの調査とて、12万人からの聞き取りにすぎず、サンプリン
グそのものが極めて小さい。また当時、乳児や幼児で記憶が定かでない人々(一番
影響を受けた人々)もたくさんいるはずです。さらにその雨が入った井戸から水を
飲み、その雨で汚染された野菜を食べた人は、かなり広範だったはずです。
政府は一国も早く、これらのデータを解析し、放射線の人体への影響をより正しく
見直して、現在の政策に反映させ、福島第一原発近辺からの避難の促進や、食べ物
飲み物、がれき等々の汚染許容値をもっともっと厳しくすべきです。
なお黒い雨、および広島・長崎の被ばくの状況に関する資料として、広島市立牛田
中学校の生徒たちが作った巣晴らしいサイトがあるのでそれを紹介しておきます。
黒い雨がどの地域に降ったのかの地図もあります。どうかご覧ください。
***********************
広島・長崎原爆:「黒い雨」に1万3000人遭遇
毎日新聞 2011年11月9日 7時45分
広島・長崎原爆で放射性物質を含む雨(黒い雨)に約1万3000人が遭遇したと
いうデータを、原爆傷害調査委員会=ABCC、現・放射線影響研究所(放影研)
=が得ていたことが分かった。黒い雨の人体への影響は分析されておらず、長崎県
保険医協会(千々岩秀夫会長)は8日、「すみやかに分析し、情報公開してほしい」
として放影研を所管する厚生労働相宛てに要望書を送った。
同協会の指摘を受けて放影研が明らかにした。
放影研によると、ABCCが1950年ごろから約12万人を対象に「寿命調査」
(LSS)を実施。質問に「WaspersoncaughtinFallout
Rain?(放射性物質を含む雨に遭ったか)」との項目があり、1万3000人
が遭遇したと答え、そのほとんどは広島被爆で、長崎被爆は約800人だった。
この質問項目と回答はデータベース化されておらず、近年になってコンピューターで
線量を推定する研究の中でデータの存在が分かったという。
現在、国は「黒い雨による人体影響はない」との立場だが、広島、長崎両市では、
国が指定した被爆地域外で黒い雨に遭った人たちが健康被害を訴え、指定地域の拡大
や被爆者健康手帳の交付などを求めている。同協会の本田孝也医師は「福島を中心に
低線量被ばくへの関心が集まっている。どんな影響があるのかぜひ分析してほしい」
と話している。【釣田祐喜】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/m20111109k0000e040003000c.html
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平和について考えよう
広島市立牛田中学校
加藤・門藤・辻 コーチ森本
ThinkQuest web教材コンテスト中高生の部プラチナ賞
被害状況「黒い雨」から
黒い雨は広島だけに降ったもので、被爆後の調査で、爆心地から11~19
キロメートルの範囲で大雨が、15~29キロメートルの範囲で小雨が降っ
たと分かりました。この「黒い雨」は、原子爆弾の爆発20~30分後頃か
ら広島市の北西部に降り始めました。雨の間は夏にも関わらず急に気温が低
下して裸や薄着で逃げ回っていた人々は寒くてふるえました。しかも、降り
始めの1~2時間は爆発の時の泥やほこり、すすなどを含んだ黒い大粒の雨
で、しかも強い放射線が含まれていて、池や川の魚がたくさん死んで浮き上
がったと言います。雨の降った地域で水を飲んだ人の多くは下痢になったり
その後雨に含まれていた放射能のため体調を崩したりしました。
http://contest.thinkquest.jp/tqj2001/40234/damage/damage.htm