守田です。(20170720 08:00 ドイツ時間)
ドイツのデーベルンからです。
反核サマーキャンプ4日目を迎えました。今日は2日目と3日目のことを報告します。
今回のキャンプで大きなテーマの一つにあげられているのはウラニウム鉱山のことです。この問題が核エネルギーの根本に横たわっていること、またアメリカ・インディアンの聖地をはじめ世界のいたるところでウランを掘らされる人々や地域住民に深刻な被害が生じて来たこと、いまなお被害が続いていることを、僕もこれまで何度も耳にしてきました。とくにインディアンの聖地の周辺のウラン鉱山の問題については、篠山市原子力災害対策検討委員会にともに参加している玉山ともよさんや、京都の廣海ロクローさんの活動等も通じて知っていました。
しかしそれ以上、自分がこの問題で具体的に何かのアクションに参加したことはありませんでした。日本の中にウラン鉱山が、鳥取の人形峠にわずかにあるだけで、アクションが遠くの国々で行われてきたからという面もありますが、しかしいま僕は「自分のイマジネーションが乏しかったのだなあ」とも感じています。
そのウラニウム鉱山について2日目に3つのプレゼンが行われました。二つはドイツ人からの説明でもう一つはアメリカから唯一参加した方からのものでした。
ドイツの方達の説明は世界のウラン鉱山の紹介から始まりました。最初に写されたスライドはアメリカのニューメキシコのもの。インディアンの「ナバホ族」の聖地にあたる場所に作られました。このあとチェコ、ナミビア、ニジェール、オーストラリア、カナダ、南アフリカ、ウズベキスタン、カザフスタン等々と各地のウラン鉱山の姿が紹介されました。その大半がオープンピット=露天掘りで廃棄物のことやその被害のことなどなにも考えられていない。そんなたくさんの鉱山の姿を見続けていてなんとも言えない怒りを哀しさがこみ上げてきました。
「ああ、そうなんだ。被爆者は世界中にいるんだ。知っていたけれど、やはりそうなんだ」と強く感じました。被爆者は原爆投下前から産み出されていたし、原爆の爆発なしでも、たくさん産み出されてきたのです。核体系は、原爆投下だけでなく、本当に世界中でたくさんの人々に被害を与え続けて来た。本当に許しがたいことです。
しかもその多くが先住民が暮らす地域と重なっています。ウラン鉱山だけではありません。核実験場の多くも少数民族が暮らす地域に設けられてきたし、廃棄物処理場も同じ。核というビックパワーの問題は差別と抑圧の歴史と一体化している。
反対に言えば、まさにそこに連帯すべき人々がたくさんいます。またその痛みをシェアしようとする世界中の人々が味方です。
さてそんな思いでプレゼンを聞いていたら3人目にアメリカから参加した女性が発言に立ちました。
流暢なアメリカ英語を話す方でどんな方なのかなと思っていたらタイトルが「Nuclear Colonialism」と書いてある。「核の植民地主義」です。
ゾワッと鳥肌が立ちました。彼女の名はレオナ・モーガンさんです。「ナバホ族」の方です。
ただしこの「ナバホ」という呼び名は連邦政府側からつけられた名で、自分たちの名ではないのだそうです。
自分たちはDineというのだとか。ディネと表記したら良いでしょうか。
彼女のプレゼンがとても素晴しかったのですが、残念ながら記事をかける朝の時間がもうつきて来たので、報告はまたにします。
ちなみに彼女に「玉山ともよさんを知っていますか」と聞いたらはじけるような笑顔で「知ってる、知ってる!わあ、あなたも知ってるんだ。あとでお話ししましょう」と本当に嬉しそうに答えてくれました。
さてそんなプレゼンをがっつりうけて昨日はWismatミュージアムにバスにのってみんなで見学に行きました。
このミュージアムのこと、よくわかっていなかったのですが、行ってみたらまさにそこがウラニウム鉱山の跡地であり、鉱山の歴史を説明しているミュージアムなのでした。ローネブルグ?という町のそばですが、なんとここはヨーロッパ最大のウラン鉱山だったのです。1946年から1991年まで稼働していた。
誰がここからウランを取り出したのか。答えは旧ソビエト連邦です。もちろん旧東ドイツ政府も全面協力しました。
ここから採掘される岩石にはウラン鉱の割合が高く、品質も良かったこともあって、旧ソビエト連邦はここからせっせとウランを掘っては核兵器を作り続けたのだそうです。もちろんここもまた労働者の防護等ないに等しい形で採掘が行われ続けて、稼働期間中に8000人が肺がんで亡くなったことが確認されています。
しかも周辺にさまざまな形で廃棄物の漏れ出しが起こってきました。
一日中、このウラン鉱山の説明を受け続けていささか疲れもしましたが、それでも知り合った方達に僕はこう話しました。
「僕はいままでよく原爆投下後の広島や長崎のことを思い出してきました。しかし今日は原爆投下前のシーンをたくさんみました。被爆者は原爆投下前から、そして原爆投下なしでもこんなにたくさんいたのですよね。世界中に。これは私たちの人類史の中のとても大きな悲劇です」‥。
それ以上、英語が続かなかったのですが、私たちはいま、その悲劇をこえるために本当に努力しなければならないし、かつ努力をしたいと、なんとしても頑張り体と僕は思いました。そう考えたら、いま、世界中から参加している人々とこのキャンプをともにできていることがしみじみとありがたく感じました。
あ、もう本当に時間がない!!
また明日、続きを書きます。
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