前回レストアしました国鉄勤続表彰のセイコー・スーパーと同じものが入手できました。すでに風防のみ現行部品を加工して仕上げてあります。全く同じ仕様のモデルですが、ケースの仕上がり寸法を計測すると、微妙にサイズが異なっています。研磨職人さんのその日の調子なんでしょうかね? 文字盤は外周部分に汚れが目立ちましたが、清掃を試み、多少はきれいに見えますが、シミや傷は多くあります。まぁ、時代物の味ということで・・・ケースの研磨もしますが、とりあえず不動の機械をO/Hしておきましょう。
過去にかなり時計油が多く使われたO/Hを受けていたと見えて、超音波洗浄では油汚れが目立ちました。機械は特に問題もなく組み上がって再び鼓動を始めました。組み直した機械は、しばらくエージングをしてフリクションを取り除くようにします。次は、ケースを仕上げます。
北海道のINOBOOさんから冬に入った北海道の雄大な景色を撮影した最新画像が届きましたのでご覧ください。こんな景色を眺めていたら、ストレスなどは無くなってしまうでしょうね。
こちらはピントを合わせたところと大きなボケが思い通りに撮影出来たとのことです。撮影データなどは、コメント欄でお聞きしてください。
ケースを研磨しました。この時代のケースがピカピカなのも不自然ですので、細かな傷を消す程度に軽く磨いてあります。とは言ってもピカピカになっちゃいましたね。しばらく使った方が落ち着くでしょう。
機械のケーシングをしました。この個体は結構使い込まれたと見えて、リューズと秒針が後年のものに変えられています。そこで、秒針はストックのオリジナル型を使います。色は、焦げ茶に塗装してありますが、濃青がオリジナルかも知れません。どちらも存在するので・・・この時代のケースはリューズはやはりこの形でないといけません。大径ですからゼンマイを巻きやすいです。
では、ベルトを付けてみます。レストアしていて一番楽しい時です。今回は焦げ茶のバイソン形を使います。
これで最初の所有者が永年勤続記念品として受け取った時の姿に戻ったでしょうかね。左の個体も全く同型の国鉄永年勤続記念品ですが、文字盤の退色具合は異なりますね。中央は同じサイズのスーパー用文字盤デッドストックですが、文字盤の色は本来このような明るい色だったのでしょう。当時の国鉄職員数は30万人ぐらいだったのかなぁ? が、退職時に記念品として受け取ったとすると、相当の個体数があったはずです。私のところにも2個あるわけですし・・・