今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

セイコー・チャンピオン860を仕上げるの巻

2014年02月01日 23時16分00秒 | インポート

Img_343934 久しぶりに時計をやります。60年代のセイコーからは普及クラスの手巻き腕時計として、諏訪精工舎からはスポーツマン17、第二精工舎(亀戸)からはチャンピオンが発売されていました。今回のモデルはチャンピオン860(17石)です。当初は非防水ケース、カレンダー無しから発展して防水ケース、さらにカレンダー付きとなった良い頃の製品で、1963/4月製です。50年以上前の製品としては、文字盤(AD)もまずまずのきれいさで、ケースは当時としては大型(36mm)のステンレスケースです。この時代からは自動巻きのモデルが主流となって来ますが、時計の基本は手巻きです。現在、複数の機械式時計を使用する場合、例えば自動巻きのセイコー5などは手巻き機能がありませんので、腕に着けていないと止まってしまいますが、手巻きモデルは瞬時にリューズでゼンマイを巻くことが出来ますので便利なのです。機械式腕時計の入門用としてはうってつけでしょう。ご希望の方があればお譲り致します。予定価格12,000円です。

Img_344121_3 少し時間が空きました。事情によりしばらくの間、ブログの更新はゆっくり目とさせて頂きますね。で、チャンピオンです。自動巻き機構がありませんので、組立は非常にシンプルです。普及クラスの機械ですが、順高級機クロノスの後継ですので第二精工舎のガッチリとした作りの機械です。あまり磨耗の進んでいる個体には出会ったことがないですね。ゼンマイ(香箱)もきれいです。




Img_344352 非常に組立やすい機械で、受けのホゾもピッタッと決まってくれます。受けのデザインが特徴的ですね。










Img_344464 ひっくり返し。筒カナが磨耗ぎみでしたので、二番車とセットで交換してあります。カレンダー付きとなりましたが、日車だけですね。










Img_349667 ケースがねぇ。ちらっと見たときより傷が多かったですね。研磨をしてありますが、実用品として使われた個体ですから仕方が無いところです。風防にベゼルを圧入します。









Img_349764 完成したケースに機械を組み込みます。文字盤はAD文字盤といって、インデックスの仕上げがスペシャル(真鍮にロジウムメッキ)なタイプが付いています。(6時上のマーク)









Img_349833 チャンピオンは優秀な機械で歩度も安定しています。姿勢差も考慮して調整をして行きます。










Img_349975 パッキンをセットして裏蓋を圧入します。












Img_350024 仮のベルトを取り付けて完成の図。防水ケース(36.5mmリューズ含まず)となって少し大柄でガッチリとした時計ですね。よってラグ幅は19mmです。しかし、自動巻きより薄く、軽い重量で腕に馴染みます。ロングランテストでは、ゼンマイ一杯で2日間動き続けていましたのでフリクションも軽いと思います。アンティークな機械式時計を実用で手軽に使いたい向きには良い時計ですね。
(お譲り先が決まりました。ありがとうございしまた)

http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/