関東地方はまだ梅雨明けはしていませんが、暑いです。寝苦しくて睡眠不足にもなりそうですので精密組立にも堪える季節が来ましたね。で、作業はしているのですが、進捗は良くないです。まぁ、無理をせずにじっくりとやろうと思います。何ですが、到着する段ボールにカメラと腕時計が入っているケースが増えて来ましたよ。今回は、ミノルタ・ハイマチックFとセイコー・ロードマーベル+キングクォーツです。では、時計から進めていきましょう。ロードマチック5606-7000は少し前に国鉄物として取り上げたモデルと同じですが、SSケース側バージョンです。オーナーさんが汎用のSSベルトを購入されて交換をされたようですが、品質がイマイチで、バックルなどは非常に雑な作りです。バネ棒が細く強度がないので外れてしまうとのことですので、純正のバネ棒と交換しておきました。
こんな顔ぶれですね。では、いつものようにすべて分解洗浄をして組み立てて行きます。ケースは厄介なワンピースケースですが、分解のためにベゼルを分離すると、風防ガラスの端面にクラックが入っていました。ベゼル圧入時に無理をすると割れる危険性があります。交換の新品部品が見つかりませんので、今回は修正のうえ再使用とする予定です。
56系のユニットは、1968年からセイコーの機械式時計の終極まで使われて、KS,GSまでに発展した優秀なキャリバーです。それまでの古典的な設計から脱皮した意欲作というところかな? とにかく、機械式時計の最後を飾る名機でしょう。23石と25石のユニットが存在しますが、この個体は23石ですから香箱や自動巻き機構の石は省略されています。分解前は作動はしていますが、歩度は大きく外れていました。すでにカレンダー機構を組み立てて終了となるところ。
ケースは軽く研磨をして細かな傷を消す程度にしておきます。
どうも。しかし、暑いですね。梅雨はまだ明けないの? 進捗も遅れ気味です。で、ロードマチックは、自動巻き機構以外は組立完成で、目下エージングテスト中です。ワンピースケースなので、ケースに収めてから歩度調整が出来ないからです。その間にキングクォーツをやります。5856-7020で1978年くらいの製品ですが、ケースの状態は悪く、最中構造のため水の侵入が基板を侵して発振回路故障で動きませんね。ヤフオクで「不動」とは書いてなかったとのことで、確認しない方のミスなのか?
ゴールドの文字盤がお気に入りとのことで、何とか復活させてとのことで、手持ちの同型ユニットに交換することにします。(後ろが不良ユニット)初期のクォーツは表からでは機械式と見分けがつきません。設計の変遷が見えて興味深いですね。現在のような樹脂歯車なんか使っていませんよ。コストが掛かっていますから(当時は高級)現在でも立派に作動するものが多いのです。分解して輪列に注油をしておきます。
裏側になるとクォーツユニットと分かりますね。輪列の洗浄注油をして組んであります。電池は薄型になってCR1120です。
文字盤と針を付けて作動を確認します。ケースの状態はあまり良くありませんね。研磨はしてみましたけど・・この頃の風防ガラスはコーティングがあるのか、剥離気味ですが、今回はこのまま使用とします。
手持ちの中古ベルト(バンビ)を取り付けて完成。となりは、普及クラスのTYPEⅡ8223-701Dでケースも良く似ていますが、こちらは裏蓋式で防水性能は上ですね。1980年の製品。ベルトも純正品です。現在でも玉数も多く、比較的安価に入手できる丈夫なモデルです。
こちらは初代のキングクォーツ4823-8110で私の愛用機です。厚みもあって機械式時計と同じ手法で作られていて、キングセイコーとしては、このぐらいの重厚感があった方が個人的には好きです。1974年から発売。電池は58系よりも厚いCR1130を使います。ベルトもオリジナル。80年代近くになると、薄型傾向になるのですね。
ロードマチックに戻りましたが・・手こずっています。本来56系は安定した機械ですが、天真の摩耗があって姿勢差も大きく、中々調整が決まりませんね。良いかな?と思ってケースに収めると固定リングで地板に歪みが出たけでも歩度に影響があります。ましてワンピースケースですから、搭載後に再調整が出来ないのは都合が悪いです。なんでワンピースケースを採用したんでしょう? 新品で安定しいる機械なら問題はないのですけどね。で、何度もケーシングを繰り返して、いまだベゼルをセットできません。
ミノルタ・ハイマチックFのメンテナンスです。お父様から買ってもらったカメラとのことで、大切にされてきたのでしょうね。非常にきれいな個体です。プログラムシャッター機ですから、人気はイマイチなのかも知れませんが、小型のボディーに機能を詰め込んだ完成された作りです。低速シャッター時にご覧のように警告ランプが点灯します。(ファインダー内で視認)手前のバッテリーチェッカーを押しても同じランプが点灯します。
基本的に不具合は無いのでモルトの交換などメンテナンスです。巻上げ部の赤いレバーはフィルムの巻き上げと同調して動き、トップカバーの窓から確認できるユニークな機構ですね。
古いモルトを清掃をして、新しいモルトを貼って行きます。
ファインダーのミラーにも劣化はなく良い状態です。慎重に清掃をしておきます。
電池を入れないとシャッターは開きません。電池のアダプターが無いので、ジャンパー線で回路をつないで作動のチェックをしていきます。巻き上げ部分の注油。
コニカC35の対抗機でしょうか? コンパクトでデザインと作りも良くて完成度の高い製品です。写りも素晴らしいようですね。
ロードマチックは何とか折り合いをつけて風防を取り付けて完成です。社外のステンレスベルトはバネ棒とバックル穴の仕上がりが適正でないため外れていましたので、バネ棒を交換してあります。
http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/