暑いですね。作業はしていますが、UPはサボりました。初期のセイコー・スーパーを復活させています。スーパーはセイコーが1950年に発売した秒針がセンターにある本中三針の初めての機械。戦中の航空時計なども秒針がセンターにありますが、これは歯車を追加してセンターに持って来たもの。このモデルは2003で1955年6月に製造されて国鉄の永年勤続効績者に総裁表彰記念として授与されたもの。国鉄退職者は多いので、このモデルも比較的良く目にしますね。過去に私も2つ入手しています。製造年と同じお歳で鉄ちゃんには打って付けの個体ですね。画像編集ソフトが不調のため、途中まで画像サイズは大き目でUPします。
上の時計は私が愛用中の全く同じ(国鉄)モデル。但し製造は1954年1月です。すべて分解洗浄したところ。文字盤にカビ汚れが目立つのは惜しいところ。別デザインの新品文字盤は所有していますが、これも歴史なのでこのまま使用します。不動の原因はゼンマイ切れ。それによって早くに使用を止めたようで、機械の摩耗は少ないです。但し、松ヤニのように固着した油が気になりました。どんな油を使用したのでしょう。
超音波洗浄だけでは固着した油は落ちないので刷毛で洗浄しました。この頃のゼンマイは鋼製なので切れやすいのです。手持ちから交換してあります。香箱と二番車をセットしたところ。
最近はブログをご覧頂いている方から腕時計の組立が出来るようになりたい。とのお言葉も頂いています。情熱があればやられたらよろしいと思いますが、サイズがカメラの比ではありませんので、かなりの根気は必要だと思いますよ。
この頃はまだ工作精度が良くありませんので、三角の受けの3つのホゾが中々合ってくれません。無理をすると歯車のホゾを折ってしまいますから甘締めで慎重に追い込んで入れました。
天真の摩耗は少なめで快調に目覚めました。特徴的に大きなリュウズのローレットも摩耗は少ないので実使用も少なめだと思います。ケースは軽く研磨しただけで良好。風防は黄ばみはあります。サイズのあう新品もありますが、ドームの形状は、やはりオリジナルが良いので再使用とします。
針の金メッキが腐食気味ですので軽く研磨をします。メッキが薄いので、ほどほどで止めないと真鍮地が出てしまいます。出たらメッキをしますけど。
文字盤に針を着けました。針がドーム状に曲がっていますので、針同士やインデックスと干渉しないように注意をします。
組んだままで調整なしで測定すると+75秒程度と進み加減です。油切れ状態で歩度調整を繰り返したのかもしれません。
ベルトはモレラートをチョイスしました。ベルトの規格は16mmですが、ケースのラグ幅は15.5mm。当時の規格は良く知りませんが、中途半端な規格があったのか? それともインチ? 6.1も変ですね。私の愛用個体のラグ幅を測定すると15.85mm。このぐらいなら16mmのベルトは全く問題ありません。やはり、ケースの仕上げ精度の違いでしょうか?
合わせてみるとこんな感じです。まぁ、似合っているんじゃないでしょうか。
2つ並べた画像。左の秒針は私の好みで茶に塗装してあります。精度的にはそこそこですが、充分実用に耐えます。