知人から譲られたというPEN-F #1645XXですがミラーボックスの中がすごいことになっていますよ。付属のレンズもカビが多いです。
あら~、すごいことに・・。この連載は長くなりそうな予感がします。問題はリターンミラーが再接着をされていますが、接着が浮いているのですね。ピント調整をされた形跡がありますが、調整範囲は非常に狭いですから、ミラーは正規の板厚でホルダーに正確に貼られていないと調整範囲を超えてしまうのです。
トップカバー内は手を付けられていないようです。
まず、前板のリターンミラー関係を仕上げます。プリズムは、典型的な黒点の腐食はないのですが、残念ながら一か所だけ腐食があります。では、すべて分解・・
ミラーが二か所欠けていますね。こじって剥がそうとした? だって剥がれていたんでしょ。
ミラーを分離しました。観察すると、2回接着をされています。まず、オリジナルの接着剤を除去せずにエポキシで接着をして、その後に、ゴム系で接着をしています。それによって、密着も平行度も滅茶苦茶になっています。
古い接着剤をすべて剥離したところ。ホルダーの黒塗装も剥離しています。
あ~、この調子では画像が何枚あっても終わりそうもありませんね。少しはしょって行かなくては・・では、工程は飛ばして。ホルダーを再塗装をしてから新品のミラーを貼りましたとさ。
ミラーユニットと汚れが激しいスクリーンを超音波洗浄をして組み立ててあります。これで前板ASSYは完成。
なんですか、リペイントをご希望とのことで、夏場の暑い時期は避けたいと思っていたのですが、最近、リペイントのご依頼が多くて・・では、駒数ガラスを分離します。ここは、ゴム系接着をされていますが、接着剤の溶剤が樹脂を侵していますので無傷で剥離することは非常に(溶剤は使えません)困難なんですね。これが出来る方は、私の知る限りMazKenさんだけです。
完成したシャッターユニットを本体に組み込みます。調子の良いユニットです。
ファインダーのピント調整を終えてメカの組立は一先ずここで止めておきます。
先に38mmレンズを仕上げておきます。ヘリコイドグリスの流化と絞り羽根への付着とレンズのカビがあります。
カビが多いです。
こちらも。
レンズを装着してのテストは巻き上げもスムーズで快調です。上下カバーと小物のクロームメッキを剥離してニッケル状態としたところ。上品なシャンパンゴールドですね。どなたか、この仕様で使われてみては?
今日、関東地方は最高の暑さだそうで、36℃ぐらいとか言ってたね。こんな日に塗装なんて殺人的です。熱中症が怖いので、小間物を塗って止めましたので画像は1枚です。
結局、今日も暑かったね。水分を補給しながら塗りましたよ。塗装の終わったトップカバーに色入れとシンクロターミナル、駒数ガラスを取り付けて完成です。
カバーを本体に取り付けて完成。レリーズボタンはFTとは構造が異なり、塗装仕様とすると作動不良が発生ることがありますのでメッキのままとしてあります。黒メッキをすれば良いのですけどね。その他、全反射ミラーも交換してあります。最初はどうなるのかと思う個体でしたが、メカも安定しており、きれいに仕上がったと思いますね。ただし、猛暑の時期はちょっとつらいです。このカメラを使用するのは初めてとのことで、では、お盆休みにでも撮影を楽しんでくださいね。
http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/