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カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKO クラウン 15002 を修理するの巻

2015年03月01日 22時24分24秒 | ブログ

昨日の土曜日は、都内の病院に定期健診で行っておりまして、作業はお休みでした。帰りに新宿の東急ハンズに寄って、革クラフトの工具や材料を調達と思いましたが、意外に最近のハンズも品揃えがよろしくありませんね。結局揃わないので、なにも買わずに帰りました。やはり、通販の時代なのでしょうね。南口前に大きな駅ビルが建設中ですが、かなり前から工事をしていたように思いましたが、中々進みませんね。やっと、工事中の内部通路が通れるようになってはいましたが・・で、時計を1つ修理をしておきます。セイコー・クラウン15002の21石で、マーベルを改良して設計されたモデルで、初代グランドセイコーなどの基礎となった優秀な機械ですね。年代は1961年のようです。状態は、ゼンマイを巻くと、フラフラと動き出してすぐに止まるという感じです。

すべて分解をしたところ。機械の状態は悪くはなく、摩耗も進んではいないようです。では、なぜ元気よく動かないのか?

 

原因はゼンマイでした。香箱の内側に個体するための先端部分が折れていました。

 

本来はこうなっています。しかし、このゼンマイは反対側の香箱真部分が折れていて使えません。手持ちのジャンクを探してもすべてダメ。クラウンはゼンマイが折れやすいのかな?

 

良品のゼンマイは後日調達してから交換するとして、応急で折れた二枚部分の本来はスポットで固定されている部分に0.5mmの孔を開けて、リベット固定をしてみました。今のところ、完全に巻き上げても滑りなどの症状はありません。但し、正しいトルクが出ているかは疑問ですので、交換は必要です。

レイアウトはマーベルと同様ですので、組立に問題はありません。カレンダーも無いので非常にシンプルな日の裏側。

 

縦位置としても、テンプの振りは安定しています。比較的、天真の摩耗は少ないのでしょう。ゼンマイのトルクも出ているようですが、タイムグラファーで計測してみませんと判断できません。

 

風防は新しい感じですので、当時のオリジナルではなく、現在入手出来る汎用のようです。ケースが大型のため、ベゼル内径が32.60mmで、風防外径が32.62mmと、殆ど同じ寸法のため簡単に外れてしまいますので、緩く接着をしておきます。風防を交換するだけの知識があるのですから、ゼンマイ切れは承知していたはずですけどね。

機械をケースに収めました。メッキの剥離が少ないので、14kメッキかと期待しましたが、20ミクロンメッキでした。ということは、あまり酷使をされていないということでしょう。裏蓋の内側には、過去の修理歴が多く記載されています。定期的にメンテナンスを受けていた個体です。このままにしておきます。

一晩様子を見ましたが、精度は優秀です。殆ど調整をしていない状態でこのデータです。流石にクラウンは名機です。

 

何をコレクションしているか忘れているのですが、探してみたら同様のクラウンが仕上げてありました。左はSD文字盤です。今回の個体は特殊文字盤で、針も特徴的です。竜頭はクラウン用ではなく、少し小さめのマーベルのものでしょう。調達して交換しましょう。

 

お約束の仕上がり画像。そのうち、ワニ革でベルトを製作したいですね。

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