今日の関東地方は気温が上がり夜になっても蒸し暑いです。日中はクロスパイクのリアディレイラーの交換をしていましたが、やぶ蚊に刺されて日焼けしてしまいました。しかし、座りっぱなしのカメラ修理で、自転車の修理は身体を動かせてストレス解消になりますね。今度はブレーキの交換をしたいと思います。で、いつものローライ35系整備なので書くことも無いのですけど間が空きますので・・このカメラは小さくて重いので落下事故が多いと思います。特に角がへこんでいるものは修復はまず出来ません。クローム層は硬いので、叩き出すと割れが発生してしまうのです。
このジャーマニーはトップカバーを外すと接眼枠がポロッと取れました。え~・・
こういうことです。バラバラですし、そもそもピースが足りません。過去に分解された時に落ちたのでしょう。
この個体もトップ面に凹みがあります。この程度でしたら気にならない程度には修復します。また、何故かメーターの樹脂レンズが曇っていて針が見えにくいです。
実際にはもっと黄変していて曇りもあります。ローライ35の樹脂レンズは比較的に透明度が良いのですが、中にはこんなのもあるんですね。研磨をして再使用します。
この個体も黒い樹脂の「レバーアテ」が破損して、それに代わるものを接着されていたようです。それも剥がれて接着剤のみ残っています。レバーアテが無い状態で使い続けると、画像のように梨地面に傷が付いてしまいます。このような状態で使っている方は早めに修復された方が良いです。当方でお受けします。
ジャーマニーはファインダーがプリズムですが、押さえにバネが使われています。この個体は初期なのか単純な板バネの形ですが、殆どの個体は上面の接眼枠(ガイド)の隙間に差し込まれて、プリズムを片方に押さえつける役目をしています。しかし、それによって、ガイド部分にストレスが掛かって割れてしまうのです。この個体は板バネですけど、やはり割れていますね。
このような単純な割れなら接着で再使用出来ますが・・中華辺りでリプロ部品作ってくれないかなぁ?
この個体はレンズを清掃しようとしたものか、内部が分解キズが多いです。このストップリングは普通はメッキ処理ですが黒塗装されています。オリジナルか、後塗装なのか分かりませんが、塗装は雑に見えます。何の意味があるの?
この個体はジャーマニーですが、裏蓋開閉レバーが変更になった頃の個体です。背面の化粧ネジが規格外のスリ割りネジになっていて、レバーアテは別のものに修理をされています。まぁ色々ありそうです。
あぁ、これこれ。ファインダーのプリズム押えが単純な平板バネです。この方が後なのかな? 平板バネのお陰 ?で接眼枠は破損していませんる
巻上げの回転をスプール軸に伝えるギヤ軸のカシメ不良で、軸がギヤの回転と供回りをしています。ギヤと軸が固着しているからです。再カシメをして、洗浄グリス塗布をしておきます。また、地板の留めネジが1本無くなっていました。過去に分解歴がある個体ですからね。
シボ革が盛り上がって剥離していました。下部に鋼板のプレートが接着されている部分です。トップカバーを不用意に押し込んだため鋼板が曲がっています。すべて清掃をして鋼板の曲がり修正のうえ接着します。
背面の化粧ネジはうちのオリジナル新品ネジと交換しておきます。
すでに修正をしてしまいましたが、ローライ35は下部にシューが有るため、落下や乱暴な置き方によってシューのレールが容易に曲がってしまいます。
ローライ35Sですけど、過去に分解修理を受けています。距離リングを左右に回すと「カタカタッ」と異音がします。これはヘリコイドのアウター側のグリスが切れているためです。インナー側はしっかり重めに入っているのに、アウター側を忘れたのでしょう。シャッターを分解しますので交換します。
分解を受けた個体に多い、スプロケット軸上部の遮光紙の欠落。たぶん落ちたことも気づいていないのでしょう。追加して組みます。
圧板の取り付け部分が曲がっています。これは圧板を開いた状態でカメラに力を掛けたためです。修理に神経が行っていたのでしょう。修正をしておきます。
ローライ35Sシルバーです。モノの本によれば1978年に発売ヒット記念で限定数生産されたとのこと。シボ革は当時スキーウェアに有ったような銀ギラで派手ですね。「金属カバー部分は銀メッキ」と書かれていますが、普通の梨地クローム仕上げに見えますけど? 前面に月桂樹マークが無いのでヨーロッパ流通機か?
裏蓋のプレート部分は空欄となっていますが、購入者の名前を彫ったプレートが貼られていたのでしょうか? この後も、ゴールド、プラチナなどの特別仕様機が発売されて、収集されているマニアさんもいらっしゃるようですね。この仕様でしたら、シボ革の交換と前面プレートのシルバー塗装で作れると思いますけど・・
元々コレクション的な個体ですので、あまり使われてはいないようです。大きな不具合は無いですからメンテナンス的に作業をして行きます。レリーズのピンが固着しています。レリーズを使うことが無かったのでしょう。この部分はホワイトグリスが塗布されていますが、固着している個体も多いです。
トップカバー裏にシリアル№が入らない頃の個体ですね。レンズ部分#25235XXの記載があります。レバーアテもオリジナルのままで破損していませんので、あまり使われていませんね。巻上げの小ギヤが樹脂ではなく真鍮製となっています。使い込まれた樹脂ギヤが使われている個体はギヤの歯の磨滅(損傷)が見られますので対策されたのかな?
かと言って、過去に分解修理は受けていました。シャッターは開けられています。レンズの清掃をすると絞り機構がバラバラになるので再組立が面倒です。
発売は3000台限定ですか? 良く知りません。シボ革と前板でずいぶん印象が変わるものです。この手法でカラー物を作って見ましょうかね? この個体は販売イベントに出品されるそうです。